日経新聞のWebサイトを見ていたら、「政府の状況判断力は大丈夫なのか?」と、心配しそうになる記事があった。
日経新聞:入国者、1日5万人に引き上げへ、新たな新型コロナ対策で
ご存じの方も多いと思うのだが、「新型コロナ」の感染拡大が止まらず、第7波の現在は「世界最多」の記録更新状態が続いている。
もちろん、諸外国の中には日本のような検査を行っているとは限らないにしても、「世界最多」という数字の衝撃はとても大きかったはずだ。
それも、都市部だけではなくこれまで感染者が少ないといわれていた地方での感染拡大が、顕著になりつつある。
その理由として、「お盆休みで都市部から地方へ人が移動したから」という指摘もあるくらいだ。
GW中に「制限のない人の移動」を行っても、それほど感染者が増えなかったということを踏まえての、お盆休みの「制限のない人の移動」ということになったはずだが、人の思惑通りではなかったということかもしれない。
人の思惑通りではないにせよ、現状は「感染拡大の真っ最中」である、ということには変わりない。
にもかかわらず、何故この時期に「海外からの入国者を5万人に増やすのか?」という意図が分からないのだ。
「5万人」という数字だけでは、現在の状況が分かりにくいのだが、現在の入国者数は1日当たり2万人だ。
倍以上の海外からの入国者を増やす、というだけではなく、「日本人帰国者と同様にする」という、内容にもなっている。
「日本人と同様にする=厚労省で決めた安全地域からの帰国者に対して、待機日を設けない。ワクチン接種証明書の提示不要」という内容になる。厚労省HP:日本入国時の検疫措置
国内の移動に対しては、現在国内で行われている「新しい生活様式」に従って、ということになるようだが、何故、今なのだろう?
理由として挙げられているのが、「PCR検査の体制の見直し」があるようだ。
春頃だっただろうか?「濃厚接触者=みなし感染者とする」というようなお達しがあった気がする。
それから、徐々に「極力、医療機関に行かないで、自宅療養をしてください」になったように思う。
今日になり、医療機関の崩壊寸前(というより、崩壊しているという指摘もあるようだ)という状況を変える為に、これまで行ってきた「県線者数の全数把握の見直し」という提言が、全国知事会から提案されるようになった。
他にも濃厚接触者の自宅待機日数の見直し等がありながらも、いまだに感染症2類相当という状況を続けている。
このチグハグな政府の方針があったうえで、入国者数の引き上げということになりそうなのだ。
政府や専門家委員会等は、一体「新型コロナ」に対してどう対処していきたいのだろう?
元々、政府の対応等に疑問を持ってはいたが、感染症の2類相当と「新しい生活様式」を維持しつつ、海外からの入国者数を現在の倍に引き上げる、というのは「日本発新型コロナ感染者感染者を世界にまき散らす」というリスクもある、ということは考えないのだろうか?
いつまでこの「新型コロナ対策迷走」は続くのだろう?