朝日新聞のWebサイトを見ていたら、米国大統領選におけるメディアとの関係を感じさせる記事があった。
朝日新聞:ワシントン・ポストが大統領候補の推薦をせず ベゾス氏判断、波紋広げる
ベゾス氏というのは、世界一のECサイト・AmazonのCEOであるジャック・ベゾス氏のことだ。
そのベゾス氏と米国メディアの中でも影響力を持つワシントン・ポストとの関係が、わかりにくい。
ベゾス氏が、ワシントンポストを買収し、実質上の経営者となっている、とすればワシントン・ポストとの関係が分かってくる。
朝日新聞: 「大金持ちに余裕あっても・・・」メディア経営、ジェフ・ベゾス氏も苦戦
ただ、いくら影響力があるメディアであっても、大統領候補支持表明を中止し、その中止を支持したベゾス氏の発言が波紋を広げることになったのか?というところが分かりにくい。
BBC NEWS:【大統領選2024】ベゾス氏、ワシントン・ポストの大統領候補支持表明中止を擁護
どうやら、このワシントン・ポストの表明によって、ワシントン・ポスト紙の購読者数が激減してしまっているようだ。
リンク先が複数あり、まどろっこしいと感じられる方もいらっしゃると思うのだが、何故AmazonのCEOであるベゾス氏の判断が、波紋を広げたのか?ということを理解するために、全体像の把握が必要なので、関連となる記事のリンクを貼らさせていただいた。
さて、このワシントン・ポストの一連の流れからお分かりだと思うのだが、米国のメディアは「中立」という訳ではない。
例えば、テレビ局のFOXは共和党寄りと言われている。
今は、共和党寄りというよりも「トランプ推しメディア」という、印象すら受ける。
それに対し、ニューヨークタイムズ、などは、民主党寄りかもしれない。
リベラル系メディア=民主党寄りの傾向がある、と言えるのかもしれない。
日本のメディアでも、讀賣新聞とその系列メディアである日テレ、フジサンケイグループの産経新聞とフジテレビは、保守系(別名:自民党御用達メディア)と言われている。
それ対して、毎日新聞や系列メディアのTBS、朝日新聞とテレビ朝日などは、中道左派系のような印象を持っている方が多いのでは?
米国の場合、その傾向が寄りハッキリしている、ということなのだ。
そのような中で、リベラル系メディアの一つである、ワシントン・ポストの候補者支持をしないという表明は読者に衝撃を与え、場合によっては支持メディアに対して落胆し、購読をやめてしまった、ということなのだ。
では、どのような人達がワシントン・ポストの購読をやめてしまったのか?と言えば、民主党支持層だ。
このワシントン・ポスト紙の対応に対して、日本のメディアで活躍をされているタレント・パックンことパトリック・ハーランさんが、同じ朝日新聞にコメントを出している。
朝日新聞:コメントプラス(パトリック・ハーラン)
パックンは民主党の支持者なので、このワシントン・ポストの候補者不支持に対して不満を持っている。
だから、日本に住んでいるパックンは、Amazonではなく楽天を利用する、というオチを付けているのだ。
このことは、「(商品やサービスを)購入する、ということは、その商品やサービスに投票することだ」ということを明解に示しているのでは?と、思ったのだ。
「選挙と商品やサービスを買うことと同じではない!」と、怒られる方もいらっしゃると思う。
しかし、視点を変えれば、商品やサービスを選ぶ時私たちは大なり小なり「自分に対するメリット、あるいは共感性」を考え、選んでいるのでは?
誤解を招く表現かもしれないが、「商品・サービスを購入する」ということと「選挙で誰に投票するのか?」という動機の中には、少なからず「共感性」というモノが含まれており、選択をするときに大きな影響を与える要素である、ということなのだと思うのだ。
日本の政治は「党利党略」のような要素が高く、その戦略によって自己益が大きいという人達が集まり「組織票」を作ってきた。
今回の衆議院選挙は、その一部が崩れた結果のような気がするのだ。
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