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これが「保守」の考えなの?‐百田尚樹氏の女性に対する発言‐

2024-11-11 22:39:39 | アラカルト

一昨日、私のX(旧ツイッター)に、「この発言はいかがなもの」というリポストが、表示された。
その内容が、新聞各社の記事となって、掲載されている。
日経新聞: 「30超えたら子宮摘出」日本保守党百田尚樹代表、SFとして 

これまでも、保守と呼ばれる国会議員さんの中には「女性は、子どもを産むのが役目」という趣旨の発言をされる方は、いらっしゃっていた。
その多くは、自民党のご高齢議員さん達だったように思う。
その議員さん達の頭の中は「戦前・戦中の10代で結婚、出産をしてきた女性」を、当たり前と思ってきたのだろう、と想像をしていた。
それは、ご自身の母親の姿だったのかもしれない、と感じるほどご高齢の国会議員さん達だったのだ。

しかし今回の百田氏は、そのような世代ではない。
しかもご自身のYoutubeチャンネルで、リンクを貼った記事の内容を話している。
いくら「小説家のSF」と前置きをしていたとしても、どうなのだろうか?
単に「品性を欠く」とか「前時代的」という範疇の話ではない、という気がするのだ。

そして昨日、ご自身の発言があまりにも批判的意見が多い、ということに気づかれたのか?一転、謝罪をしている。
FNNプライムオンライン: 「30歳超えたら子宮摘出手術」「25歳超えて独身は結婚できない法律に」日本保守党・百田尚樹代表“問題発言”謝罪

この発言に対して、いくつものツッコミどころがあるのだが、「25歳超えて独身」というのは、男性にも適用されるのだろうか?
おそらく百田氏の中では、女性限定という意味だと思う。
そしてそのイメージの根拠となっているのは1980年代初めのころに言われた「クリスマスケーキ説」なのだろう。
お若い方はご存じないと思うのだが、女性の結婚適齢期を指す言葉の一つで「クリスマスケーキのように24までは、それなりの嫁ぎ先はあっても、25になると嫁ぎ先は無くなる(=結婚相手として見られなくなる)」という考えだ。
当時の女性は圧倒的に、高卒か短大卒で就職をする人が多かった。
高卒で就職すれば、24歳になるころは社会人5年、短大卒でも3年の経験がある、ということになる。
このくらいの年齢で、寿退社をしてもらえれば、企業側にとっても「(男性が)職場結婚の相手を見つける」というメリットもあったはずなのだ。
特にこのような傾向が強かったのが、バブル経済前の銀行や商社、大手メーカーなど日本経済をけん引するような大企業だった。
そのような考えに囚われ続けての、発言なのだろう。

ただ、女性の妊娠適齢期と呼ばれる年齢があることも確かだ。
35歳を過ぎてしまうと、妊娠しにくくなる、というデータはある。
日経新聞:女性が妊娠する能力は35歳で本当に急降下するのか? 

妊娠という視点だけで考えれば、百田さんのいうことは大きく違ってはいないだろうが、だからと言って子宮を摘出してしまえば、「更年期障害」という症状があらわれてしまう。
一般的に、「更年期障害」は閉経の前後10年に起きる、と言われている。
閉経とは関係なく、病気などにより子宮を摘出してしまうと「更年期障害」のような症状に悩まされ、病院に通う女性も少なくない。
このようなコトを知っていれば、安易に「子宮摘出」等という言葉は、出てこないはずなのだ。
そして、乳房と同じく子宮は、女性の象徴ともいえる臓器に対して、このような乱暴な発言をしてしまう、ということは若い女性にしか社会的価値が無い、と考えているのでは?

百田氏は、あくまでも「作家の戯言」のようなコトを言うことで、胡麻化しているが、これらの言葉は百田氏の本音に近いのでは?という気がしている。
「女性は、男性にかしずいて、男性のいうことを聞けば良い」というような、印象すら受けるのだ。
それが、百田氏が立ち上げた「日本保守党」という政治団体の本質でもあるのでは?という、気もしている。





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