最近、YouTubeを仕事の合間に見ていて気付くことがある。
それは、様々な地方自治体が積極的に、YouTubeに広告を出している、ということだ。
これらのYouTube広告の多くは、自治体の中でも「観光」を担当している部署が中心となって、製作されているようで観光PR色が強いものとなっている。
ただ、これまでと大きく違うのは、「素の自分たちの地域」を見てもらう、という意識が強く感じられることだ。
福島の場合、東日本大震災によって引き起こされた「東京電力福島第一原子力発電所事故」の影響がまだまだあるようで、「福島の海」をテーマにしているようだ。
一方、栃木の観光PR動画は、雄大な雪景色を背景にスノーシューで、雪山を歩いてみたり、凍結した滝を歩くツアーをドローンを使って撮影している。
このような自然の豊かさをPRする映像には、ドローンが多様されているのだが、いくつもの自治体の動画を見ていると「どこか似ているな~」という、印象を持ってしまう。
おそらく、このようなPRを広告代理店が行っている、ということやドローンで撮影された映像が多様されている、などの理由で「似たような映像」になってしまっているのかもしれない。
とはいえ、今まで知らない地方自治体の姿をYouTubeで見ることができる、というのは「旅心」を誘う気がしている。
問題なのは、上述したようにドローンを多用するコトで「似た印象」に陥ってしまう、という点なのかもしれない。
とすれば、地方行政の担当者であっても、それなりの「デザイン力・構成力・発信力」といった力が、必要な時代になっている、ということなのだと思う。
そんなことを考えていたら、今日のHuffpostに同様の記事があった。
Huffpost:「よその人が言うと文句になるが、地元の人が言うと愛着に」地元クリエーターの力を生かす地域デザインファクトリーとは?
東日本大震災以降、日本で起きた様々な震災から復興を支援するFM番組を聞いていて感じる事なのだが、復興が軌道に乗っている地域と復興が進まない地域がある、と感じている。
もちろん、「東京電力福島第一原子力発電所事故」により、住民全員が避難を余儀なくされ、未だに住民の多くが戻っていない、という自治体があるのは知っている。
そのような事情がある自治体はともかく、災害復興から「自分たちの街をつくろう」という住民の気持ちが強い地域と、そうではない地域とでは復興状況に差が出ているような気がしている。
その差のようなモノには、地元出身の都市デザイナーや若い起業家たちの有無のような気がしている。
年齢ではなく、地元から一旦都市部に出て、Uターンしてきたシニアの方もいれば、「復興地だからこそ新しいチャレンジができる」と勢いこんできたIターンの若者など、経歴は様々だ。
ただ「愛着が持てる街づくり」という点では、同じ思いを持っているのでは?と、感じている。
これまでは、「工業団地をつくり、企業を誘致すれば人口が増え、活気ある街づくりができる」と思いこんでいた自治体が多かったはずだ。
しかし、YouTubeなどに動画広告を上げている自治体は、「自分たちの地域資産は何か?」ということを考え、旧来の街づくりではない賑わいを作ろうとしている。
そのためのデザイン力や構成力、何より発信力が、地方の行政に求められているように感じている。