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愛知万博が残したもの-賞味期限偽装と建築偽装-

2008-03-12 22:41:18 | アラカルト
愛知万博が開催されてから3年近くの年月が経った。
そしてその愛知万博がらみの事件が、立て続けに2件起きた。
一つは全国ニュースでも取り上げられた、JR東海の子会社の「駅弁期限偽装」だ。
もう一つは、東海3県くらいでニュースになっている「名古屋港イタリア村建築偽装」だ。

全国的にはまったくマイナーだと思われる、「名古屋港イタリア村」
イタリアのベネチアをテーマにした、ショッピングモールやレストラン街、アミューズメント施設、結婚式場まである観光商業施設だ。
開業当時は、入場整理券代1000円が必要なほどの人気施設だったのだが、年々入場者数は減っているという状況が続いている。

そのイタリア村は、愛知万博開催に合わせ開業した。
愛知万博で来名する観光客を当てこんで、造られた施設でもある。
そのため工期が極端に短くなり、本来であれば鉄筋コンクリート造でなくてはいけないのに、木造で造っていたのが分かったのだ。
見た目は立派でも、本当のところは張りぼてだったのだ。
第3セクターが経営し、営業不振が続くテーマパークよりも、安っぽい造りの商業施設だともいえそうだ。
入場者数の減少は、そんな安っぽさを、来場者は鋭く感じ取っていたのもしれない。
何より今は、イタリアに行くこと(=海外旅行)は身近なレジャーとなっているのだ。
そんな生活者に張りぼてのイタリアでは、イタリアの魅力もなにもあったものではないだろう。

もう一つのJR東海子会社が起こした「賞味期限偽装駅弁」も、愛知万博で来名した観光客に対応するためだったとしている。
「健康被害が、報告されていない」と言うが、その感覚こそ問題だろう。

この2つの事件のニュースを見るたびに、「愛知万博って、何だったのだろう?」と考えてしまう。
愛知万博で、名古屋の人がエコロジー的生活観に変わったとは思えない。
まして、この2つの事件の共通点は「上っ面は立派、中身に問題あり」と言うコトだ。
「環境」をテーマとする前に、「自然にも人にも誠実である」と言うテーマを掲げたほうが良かったのではないか?と、今更感じるのである。


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