先週、メディアから様々な取り上げられ方をした、「フジロックフェスティバル」。
フェス終了の翌日か翌々日には、参加者及び観客の「新型コロナ感染者がいなかった」と、発表された。
東スポWeb:フジロック事務局が終了の報告「現時点での陽性者ゼロ」にネット上厳しい意見も
この東スポの記事が掲載された翌日、フジロックフェスティバルに行っていた人が、本当に感染していたのか判断をするには早すぎる、という指摘もされた。
Livedoor News:「感染者なし」を発表したフジロック 医学部教授は「今の段階では・・・」
確かに、無症状の「潜伏期間」を経て、発熱や味覚障害等の症状が現れる、という指摘は「新型コロナ」の感染が確認された1年以上前から指摘されているコトだ。
フジロック事務局が「陽性者ゼロ」というのは、参加したミュージシャンやスタッフ、観客の中に「PCR抗体検査」を事前に受けた人の中にはいなかった、という意味であって、フェスに参加していたミュージシャンやスタッフ、観客の中に「潜伏期間内の陽性者がいなかった」という説明にはなってはいない、ということになるだろう。
今の「新型コロナ感染拡大・第5波」という状況の中で、半ば強行された感のあった「フジロックフェスティバル」であった、ということもあり一部のメディアは、見当違いな「県外ナンバーの車が多かった」という報道をしていたが、それよりもこの「フジロック」が、経産省の「コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金」の対象となっていた、ということのほうが、一般生活者にとって興味があることなのでないだろうか?
朝日新聞:フジロック、経産省が補助金最大1.5億円支出へ
生活者の中には「子どもの運動会等のイベントが自粛になっているのに、フジロックは補助金が1億5千万も出るのが、納得がいかない」という方や「感染拡大を促進するようなイベントに税金が使われることに、疑問を感じる」という方もいらっしゃるだろう。
中には、政府の「新型コロナ対策」や「東京オリンピック・パラリンピック開催」に対して批判的だったミュージシャンが出演していたのに、政府が補助金を出すのは変ではないか?と、思う方も少なからずいらっしゃると思う。
それぞれの立場での言い分は、あるとは思うのだが、気になったのは「フジロックフェスティバルが、『コンテンツグローバル需要創出促進事業』であったのか?」という点だ。
これまで通り開催されていれば、海外からのミュージシャンが数多く出演し、そのミュージシャン目当てに来日する音楽ファンも数多くいただろう。
しかし今回は、観客を相当減らしただけではなく、海外から参加するミュージシャンもいなければ、そっらのミュージシャン目当てに来日するような海外のファンもいなかったはずだ。
とすると「コンテンツグローバル」な音楽イベントだったのか?という、疑問が出てくる。
中止となった野外音楽フェスに対する補助金などは、これからの音楽産業の中でも音楽ライブの中心である「野外音楽フェス」に対する補助金として使われるのは、納得もできる。
それが、半ば強行に開催された「野外音楽フェス」となると、公平性という点でどうなのだろう?
政府が打ち出す政策の基本は、「公平性」ではなかったか?
クラシックやジャズのような音楽ジャンルのコンサートを含め、その「公平性」という点で違和感というか疑念を感じてしまうのだ。