最近、Yahooに表示される広告で、随分目立つのが「自動車各社」の広告だ。
それだけ、勢いがあるのだろう。
表示される広告を見ていると、各社それぞれのカラーがあってなかなか面白い。
その中で、このところ目を引くのが、日産の広告かもしれない。
日産自動車:ブランドCM動画
目を引く大きな理由は、イメージキャラクターとして起用しているのが、矢沢永吉さんだからだろう。
矢沢さんの場合、何もしなくても圧倒的な存在感を持っている。
その矢沢さんが「やっちゃえ、NISSAN」と言っている。
矢沢さんがいう「やっちゃえ」というのは、先進技術で日本の自動車産業のイノベーションをする、という日産の思いを行動に移す、ということを指している。
考えてみれば、1960年代~1970年代にかけ、トヨタと日産は国産車メーカーとして、ライバルとしてしのぎを削ってきた。
ただしそのアプローチは、正反対だった。
トヨタは「パプリカ」の発売以来、「ファミリーカーのトヨタ」というイメージを創ってきた。
カローラにしても、「家族のクルマ」、「家族の真ん中にカローラがある」という、アプローチをしてきたように思う。
それに対して日産は「技術の日産」と、自ら言い切ってきた。
トヨタが市場優先(というべきか?)だったのに対して、日産は「先進技術を搭載した車」を選んできた、という部分がある。
その結果は、ご存じの通りである。
だからと言って、日産の自動車がトヨタよりも劣っている、というわけではない。
トヨタのほうが、市場をキャッチアップするのがうまく、それを上手にビジネスとして展開することができた、ということだと思う。
その日産が、改めて「技術の日産」ということを、打ち出した。
ハイブリッド車では、トヨタから大きく遅れを取り、市場的にも大きく引き離された感がある。
そのような状況の中で、日産が改めて「技術の日産」ということを打ち出したのには、わけがあるとおもう。
それは「クルマ」という移動ツールに求められるコトが、以前を多く変わり始めている、という点だろう。
CMを見るとよくわかるのだが、日産の見据えている市場は今ではなくおそらく数年後~十数年後だろう。
18歳で自動車免許を取り、以来クルマの生活が当たり前になっている、現在の50~60代の元気な世代が、いずれ「免許返納」を検討する前に、「今よりももっと快適で安全なドライブ」の提供、ということを念頭に置いているような気がするからだ。もちろん、現在の50~60代には矢沢さんのファンも多い。
当然、そのころ中心となるドライバーは「家族が中心」ではない。
むしろ「個人や夫婦」へと移っているだろう。
しかも主なユーザーが、高齢者になりつつあるとすれば「ファミリー」というイメージよりも、「安全・安心の技術」というイメージのほうが、社会的に受け入れられやすい。
そんな考えがあるからこそ、原点に戻った「技術の日産」ということを、打ち出しているのではないだろうか?
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