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イーロン・マスク氏の「X」、課金制でどうなるのか?

2023-09-19 15:28:28 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに「X(旧Twitter)を課金制にする」というニュースがピックアップされていた。
BBC:マスク氏、「X」をすべて課金制にする可能性を示す 

マスク氏は、Twitter社を買収した頃から「課金制」について、話していたような気がする。
その為「課金制」の可能性を示唆したことに関しては、特段の驚きはない。

BBCの記事を読むと、「本音と建て前」のようなモノを感じるのだ。
その理由は「課金制にするのは、bot対策」と話しているからだ。
「bot」というのは、「特定のタイミングや行動に対して自動的にツイートするアカウント」のコトを指すようだ。
何となくだが、地震や台風等の自然災害が起きた時、広く情報を集める、等の場合には有効なのでは?と、感じている。

確かに「X」の「おすすめ」に表示される中には「bot」アカウントのツイートは時々見かける。
見かけるのだが、「bot」に限らず自分と関係のないような内容については、「スルー」もしくは「削除」をしてしまっている。
「bot」アカウントだからと言って、マスク氏が問題にするほど「X」内に氾濫しているのだろうか?というのが、私の個人的印象だ。
私の場合、フォローもフォロワーさんも100人もないので、「bot」アカウントそのものの表示が少ないのかもしれないが、おそらく多くの「X」ユーザーはそのような感じなのではないだろうか?

とすれば、マスク氏の目的は別にある、と考えるべきだろう。
というのも、上述した通りマスク氏は「Twitter社を買収した頃から課金制」を言っていたからだ。
「課金制」を言い始めた時にあげた理由が、「収益性」だったと記憶している。
確かにTwitter社は、収益的に厳しい状況が続いていた。
だからこそ、マスク氏は大企業を含め膨大なユーザーがいるTwitter社を買収し、「企業用向け・個人向けの有料化」を目指したのではないだろうか?
残念ながら、この話が出た時企業を含めたユーザーからの反発があり、結局「承認マーク」の有料化になった。
それまでのある一定のフォロワー数を持っているアカウントに対してつけられていた「青マーク」を、フォロワー数とは関係なくお金を払えば「承認マークを付ける」という戦略に変更したのだ。

その後、新たに発表されたのが「金融を含めた総合的プラットフォーム化」だった。
「X」のアカウント一つで、「X」関連の金融取引(おそらく仮想通貨を想定していたのでは?と考える)等の構想だった。
この発表後、具体的に進んでいるような印象はないのだが、元々ユーザー数の多い「X」側としては、ユーザーアカウントを管理している、という時点で、それなりの個人情報を得ている、と考えてもよいだろう。
それはSNSを運営している企業であれば当然で、何か社会的問題をユーザーが起こした時の対応策でもあり、SNSとしての社会的信頼を得る一つの方法でもあるからだ。

このようなマスク氏の「X」の動きの中で、Meta社はTwitterに代わる長文投稿が可能な「Threads」を発表。
発表直後の1週間で、登録者数は1億を超えたという報道もあったが、実際の利用はまだまだという状況になっている。
もちろん、マスク氏に追われたジャック・ドーシーの分散型SNS「Bluesky」は、招待制ということもあってか?登録者数が飛躍的に伸びている、という状況ではない。

「X」が課金制を打ち出せる理由を考えると、それはフォロー数やフォロワー数の多いユーザーにとって、他社のSNSに乗り換える時にかかる手間の多さだろう。
乗り換えを機に、フォロワー数が減ってしまう可能性は高く、インフルエンサーのような活動をしている人達にとって、フォロワー数の減少は、手痛い。
インフルエンサーでなくても、そのような手間はユーザーであれば同じかもしれない。

そう考えると、今の「X」のユーザーの中には「乗り換えの手間が大変だから」という消極的な理由で利用している、というユーザーが多いのではないだろうか?
逆にマスク氏が強気なのは、ユーザー数の多さを背景にこのようなことが言えるのでは?という気がしている。





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