朝日新聞のWebサイトに、「新型コロナ」に関する緩和策を提案した専門家原案を、厚労省が削除していた、という記事があった。
朝日新聞:「隔離は不要」の緩和策、専門家の原案から消えた 厚労省から難色
有料会員向けの記事なので、全文を読むことはできないのだが、見出しだけを読んでも何となく想像ができる内容だ。
5月のGWの頃、旅行等の人の移動の制限がほぼ解除されたことで、随分観光地や故郷に帰省された方がいらっしゃった、と記憶している。
そしてその状況を見て、「GWが終わった2週間後、爆発的な感染者数が出るのでは?」という、懸念がされていた。
確かに、一時期的に前の週を上回ったことがあったと思うのだが、それでも昨年の今頃に比べると、随分感染者数は減少している、という印象があったように思う。
その後も、増えたり減ったりを繰り返しながら、徐々に感染者数そのものは減ってきている。
それだけではなく、国内での3回目のワクチン接種も進んだはずだ。
若年層での接種が進んでいない、と言われているが、そもそも積極的なワクチン接種が必要な人達というのは、①高齢者、②年齢を問わず基礎疾患を持っている人、という2点くらいだったように思う。
この①、②に該当しない、中高齢者のワクチン接種が進んだことも、感染者数の減少(や死亡者の減少)につながっているとすれば、そろそろ「新型コロナ」に対する政策転換をする時期にきている、ということなのでは?
実際、死亡者の内訳をみると、80%以上が70歳以上だとすれば、行動的な現役世代以下の世代が感染したとしても、これまでのような「隔離措置」が必要なのか?という議論があってもおかしくはないだろう。
専門家といわれる人たちが「隔離措置の緩和」と提言したのも、現状から考えれば「今現在行われているような隔離措置」は必要ない、という判断があったからだろう。
にもかかわらず、厚労省がこの提言を盛り込まなかったのは、何故なのか?
あくまでも想像だが「社会から批判されるのが怖い」ということのような気がしている。
「隔離措置を緩和したから、マスクを外しても問題ないと言ったから、再び感染者が増えた」と、批判されるのが怖いのでは?ということなのだ。
その一方で、今月10日から海外からの旅行者を受け入れる、と発表している。
日本よりも感染者数が多い国であっても、渡航に問題がないと政府が判断した国々からの観光客を受け入れる、というのは、何となくチグハグな印象を持つ生活者は多いのでは?
この一貫性の無さというか、整合性の無さよりも、新型コロナ対策の緩和措置によって、感染者数が増えたと、言われることを恐れているような感じを受けるのだ。
もし、自分たちの保身のために「隔離措置」を続けるというのであれば、それは生活者に不便を与えるだけではなく、経済活動にも大きく影響を及ぼす問題である、という認識を持っていないということになるのでは、無いだろうか?