日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

社会とWIN-WINな関係を築くことが、ブランド価値を上げる

2023-06-27 19:43:38 | マーケティング

Yahoo!のトピックスを見ていたら、「企業のブランド価値を上げる」参考例となりそうな記事があった。
Jcast News:介助必要な子の親から、感謝の声が…ユニクロが「160㎝サイズの子ども用ボディスーツを作ったきっかけ 

記事では「ボディスーツ」となっているが、商品名としては「ロンパース」になっている。
子育て中の方ならご存じだと思うのだが、活動が活発になり始めた赤ちゃんが着る普段着のようなモノで、上下一体となっている。
上下一体となっている為、活動が活発になった赤ちゃんでもお腹が出ないだけではなく、おむつなどを替えるのもしやすく、高い洗濯頻度にもある程度耐えうる、素材とデザインのものが多い。
もちろん、赤ちゃんの肌に直接触れるものなので、肌触りや吸水性なども素材選びとしては重要なポイントになっている。
いうなれば、「機能美」が優先されるデザインのベビー服の一つ、だと考えれば良いのかもしれない。

そのロンパースに違う市場があった、というのが今回の話だ。
上述したように、ロンパースそのものは赤ちゃんの時期に着るものなのだが、視点を変えたことで160㎝サイズという大人サイズのロンパースが、製造・販売されることになった、というのが記事の内容になる。

おそらく「160㎝サイズのロンパース」そのもの市場は、決して大きなものではないと思う。
何故なら、「ロンパース」を着るのは乳幼児だからだ。
いくら大きな赤ちゃんであっても、160㎝という体格で生まれるわけではない。
160㎝と言えば、日本女性の平均身長よりもやや高いくらいなのではないだろうか?
そう考えれば、「160㎝サイズのロンパース」そのものは、最初から新生児~1歳くらいの乳幼児を対象として、つくられてはいない、ということが分かる。

元々、ユニクロ側にこのような視点があったわけではなく、「140㎝サイズのロンパース」を利用していた障害児の親ごさんのTwitterが、拡散されたことによるもののようだ。
「SNSの力が企業を動かした」という、好例だともいえる。
まいどなニュース:売れないからって「廃番にしないで」→投稿理由を知ったユニクロが英断「声って届くんだ」「なくてはならない商品だった」と感動の声

よく言われる「お客様の声をきく」という活動の中にSNSを活用した、ということになるのだが、注目すべきは「自社の商品やサービスが、困っている人の助けになる」という視点だろう。
このような生活者と社会の問題解決を行うことで、企業のブランド価値は上がる。
ブランド価値が上がれば、当然企業価値は上がる。
結果として、社会と企業がWin=Winな関係ができ、より生活者からの信頼を勝ち取ることができる、という好例だと思う。




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