音楽を中心としたエンタメサイト「Real Sound」に「こんな時代なのか?」と驚くとともに、どこか危うさを感じる記事があった。
Real Sound:”実在しない”19歳港区女子のTikTokが100万回再生 増加する「AIインフルエンサー」の危険性と課題
記事掲載をされている「神宮寺藍」の写真を見た時、ビックリした。
ビックリした理由の一つが、知人が20代初めのころならこんな感じだったのでは?という、印象を持ったこと。
もう一つは、この女子がAIが生成した架空の人物であった、という2つだ。
それほど、実在している女子と感じてしまうほどの精巧なつくりをした架空の女子だったからだ。
神宮寺藍という女子は、あくまでも架空の人物なのだが、様々なデータから「今一番人気のある顔」という考えでAIによって生成された、と考えるべきだろう。
知人女性は、とても美人な方なので似てしまうのは、仕方ないのかもしれない。
正しくは、神宮寺藍が彼女に似せて作られたAI女子、ということになるのだろう。
注目すべきは、その「精巧な美人度」であり、現実性を感じさせるAI生成美人である、という点だ。
もちろん、神宮寺藍が登場する前にもコンピューターがつくりだした美少女はいた。
世界中で人気となった「初音ミク」だ。
彼女は「ボーカロイド」というコンピューター上の歌姫でありながら、ワールドツアーまで敢行した実績を持っている。
未だに、どうやってワールドツアーを敢行することができたのか?そのステージのイメージは持てないでいるのだが、ステージ上に投影された「初音ミク」の姿に熱狂するファンが世界中にいた、という事実を考える必要があると思う。
その「初音ミク」の姿は、あくまでもアニメーションに登場する美少女のようであり、決してリアリティーのある少女ではなかった。
当然、熱狂するファンも「現実に存在していない」ということを理解した上で、ファンとしてライブ参戦をしていたはずだ。
それに対して神宮寺藍は、上述したように存在しているような印象を持っている。
これまでの世界的な美術作品や音楽作品、あるいは小説などをAIに生成させ、「〇〇風」をつくり出しているレベルではない。
となると、記事にあるように「AIインフルエンサー」として、企業が起用(というのだろうか?)するようになると、これまでのCMなどの広告各堂とは全く異質な展開となっていくのでは?という気がしている。
事実、神宮寺藍はTikTokでバズっている。
SNSの中でもTikTokのユーザーは、若い女性が中心だと言われている。
とすれば、神宮寺藍は若い女性たちにとって「一つのモデル」となり、影響を与えている、ということになる。
これまでも、SNSという媒体によって、顧客として獲得したい層に合わせ、SNSの使い分けをしてきたはずだ。
そしてAIで神宮寺藍のようなインフルエンサーが登場するコトで、企業側はタレントや数多くのフォロワーがいるSNSユーザーを起用する必要がなくなる。
むしろ、「自社で考える理想的なインフルエンサー像」をつくり上げる事ができる。
経費面でも、タレントを起用するよりも安価で、契約上の問題も発生しない。
ただ問題になるのは、あまりにも精巧過ぎて「実在しない女子」という認識がされないコトで、上述したような「生成されたAIに似た人」に迷惑をかける(あるいは事件の種を蒔く)危険性をはらんでいる、という点だろう。
AIによって生成された人物には、生身の人間と違い「対人関係」を考える必要が無い。
それが逆に問題となる可能性をはらんでいる、ということなのだ。
コンピューターがつくりだした、ボーカロイドの初音ミクは、あくまでも「アニメーションのアイドル」のような存在であるのに対して、神宮寺藍は、生身の人間に近い錯覚を起こさせる。
これから先、このようなAIによって生成された美人・美少女によって、生身の人間がトラブルに巻き込まれる、ということも想定しなくてはならない時代がやってきている、ということなのだと思う。
先週1週間、独居老人の父の介護の為お休みをさせていただきました。
今後、このようなことが増えると思われます。
介護と仕事の合間に更新するコトになりますが、よろしくお願いします。