日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

西洋「かいまき毛布」が、人気?

2009-12-05 13:16:13 | トレンド
10月下旬に送られてきた通販のカタログに「へ~、こんな商品が海外では人気なのか?」と思った商品があった。
どうやらネットのショッピングサイトや東急ハンズなのでも、人気商品のようで幾つかの幾つかのショッピングサイトでは「品切れ」の表示がされていた。

それが「袖付きブランケット」と呼ばれるモノ。
商品名としては幾つかあるようだが、いずれも「袖が付いた毛布」である事には変わりない。
価格も3,000円前後~5,000円程度と、値ごろ感も良い。
昨今の「エコ生活」だとか「LOHAS」的というコトで、人気になっているのかも知れない。

ただ、この商品を見たとき「日本には、かいまき布団が昔からある!」と、思ってしまったのだ。
お若い方は「かいまき布団って???」と、思われるかも知れない。
「綿入れ半天の布団版」と、思っていただくと分りやすいかも知れない。
普通の布団と違い、肩まですっぽりと布団に包まることができるので、多少寝相が悪くても布団からはみ出るという心配も無い。
(本当のコトは、分らないが)寒い日本の住宅事情から生まれた布団と言う気がする。

個人的には、かい巻き布団の機能はとても魅力的なのだが、どうも・・・綿布団は重たく、二の足を踏んでいた。
それに、昔とは違い今の日本の住宅事情もだいぶ変わってきており、昔ながらの「かいまき布団」である必要はない、と思っていた。
そんな時、この「袖つき毛布」を見たのだった。

と同時に、以前京都国立近代美術館の「モードのジャポニズム」に掲載されていた「ヤポンセ・ロッケン」という、男性のローブがこの「袖つき毛布」の素ではないか?と、思ったのだった。
とすれば、当然のことながらこの「袖つき毛布」の素となったのは、日本の部屋着である丹前とか、半天、かいまきなどのはずだ。
なのに、日本の「かいまき布団」は注目をされず、洋風の「袖つき毛布」が人気になっているのか?と考えると、やや心境複雑なトコロがある。

一つは、話題性という点で「かいまき布団(最近は毛布もあるようだ)」には、目新しさが無いというコトだろう。
もう一つ感じることは、このような「温故知新」となるような情報の発信の少なさ、と言う気がする。
確かに、ネットで「かいまき」と入力すると、「かいまき布団」を販売している布団屋さんのサイトにアクセスすることができる。
それも、コチラがビックリするほどの数だ。
そればかりか、商品の種類もその昔私がイメージをしていたような、重たい綿布団のかい巻きだけではなく、様々な素材が使われ、軽く使いやすい工夫もされているようなのだ。
しかし、商品としての工夫だけで終わってしまっているように思えて、残念な気がするのだ。

あくまでも個人的な意見だが、今話題になっている「袖つき毛布」よりも、部屋着としてだけではなく、肩まですっぽり覆う事ができる寝具代わりにもなると言う点で、昔ながらのかいまき布団のデザインで様々な素材の「かいまき布団」のほうが、使い勝手がよいのでは?と、想像している。

この冬は、日本の布団屋さんに奮起してもらい、是非「かいまき布団(毛布)」をヒットさせてもらいたい・・・そんなコトを考えてしまう「袖つき毛布」人気だ。




生姜がトレンド?

2009-12-03 22:05:20 | トレンド
先月から、VOUGEのWEBサイトで展開されていた「冷え性対策」と言う連載記事があった。
もちろん対象は女性なのだが、最近は「隠れ冷え性男子」も多いと聞く。
と言うわけではないだろうが、最近やたらと目にするのが「生姜食品」商品だ。

「ショガ~、ショガ~、ショガ~」と軽快なリズムに乗って、生姜が踊る永谷園・生姜部のテレビCMなどがある。
他にもドラッグストアーなどに行くと、「はちみつ生姜(=はちみつ漬け生姜)」などが、比較的目のつくところに置かれていたりする。
最近では、「イロイロな料理に、生姜をつけて食べる」、「マヨラー」ならぬ「ジンジャラー」と呼ばれる人たちまで、登場するようになっているらしい。
彼女たちの目的の半分くらいは、ダイエットと言われているのだが、残り半分の女性たちは「冷え性解消」が目的だと言われている。

ところで、永谷園・生姜部のサイトを見てやや驚いている。
と言うのも、とても真剣に「生姜部」活動をしているからだ。
テレビCMなどでの印象は「生姜部」というサークル的なイメージがあり、サイトのコンテンツもユーザーとのコミュニケーションツール的位置付けかと思っていた。
ところが、商品化のために栽培から手がけているのだ。
「生姜部」という名前はサークル的な感じではなく、れっきとした「事業部門」の名前と言うことが分る。
個人的には「何故、そこまで生姜こだわるのか?」と思うのだが、もしかしたらチューブ式おろし生姜などの市場への進出を考えているのか?はたまた、「生姜食品」という新しい市場を創ることを考えているのだろうか?
それは、「女性の冷え性対策」をアピールしつつ、「隠れ冷え性男子」へのアプローチなのだろうか?

これだけ「冷え性対策」が特集されながら、世間の多くの女性のファッションは「ローライズジーンズ」や「ヒップハングのスカート」+ショート丈のシャツやジャケット。
「冷え性解消には、まずお腹を暖めることでしょう?」と、思わず突っ込みたくなるのは、私がオバサン年齢だからかも知れない・・・。

「エネループ(ブランド)」は、どうなっていくのだろう?

2009-12-02 20:56:27 | マーケティング
日経新聞のWEBの「ITプラス」に、充電池で温まる 三洋電機「エネループ」冬製品の使い心地と言う記事が、掲載されていた。

ご存知の通り「エネループ」は、三洋電機の充電式乾電池のブランドだ。
それだけではなく、記事にあるように今では様々な商品を展開している。
「エネループ」を使ったカイロなどは、既にお馴染みの冬商品となっているのではないだろうか?
以前は、東急ハンズのようなお店でしか見かけることが無かったが、最近では量販店はもちろん、家電製品を扱うスーパーでも販売されるようになった。

このような「エネループ」の積極的な商品展開を見ながら、フッと考えてしまう事がある。
それは、パナソニックの子会社化で「エネループ」というブランドは、一体どうなってしまうのか?と言うコトだ。

パナソニックはパナソニックブランドとして、「エボルタ」と言う同様の商品を発売している。
ただ「エネループ」と違い、積極的な商品展開をしているわけではない。
あくまでも「充電式乾電池」という分野でのみの、展開だ。
そして「エネループ」事業そのものは、パナソニックへ売却と言う方向が既に決まっている(紹介記事は朝日新聞)。
だが「エネループ」としての開発・販売は、続けているという。

パナソニックとしては、自社ブランドである「エボルタ」と言う充電式乾電池のブランド構築をしていきたいはずだ。
しかし、子会社となる三洋電機の「エネループ」の方がブランド力、市場での優位性などはるかに上回るものがある。
そして「充電式乾電池を使った商品開発力」という点でも、「エネループ」のほうがあるはずだ。
とすれば、パナソニックとしても「エネループ」という名前を活かしておきたいはずだ。
問題は、パナソニックの「エボルタ」と「エネループ」の共存ができるのか?と言うコトだ。

企業にとって、既に認知され評価されている「ブランド」はとても魅力的だ。
それだけではなく、ブランド構築をするための時間と労力、費用と言うコスト面でも魅力的だといえる。
とすれば、二つのブランドをどう管理、棲み分けをし、生活者からの支持を得るようにするのか?
その意味で「エネループ」というブランドは、パナソニックと三洋電機の行く末を決めるモノになるのかも知れない・・・。

予算よりも前に、使われ方が問題?

2009-12-01 21:54:00 | スポーツ
今日、夕方のニュースを見ていたら「事業仕分け」で予算を削られた、オリンピック選手たちが「削減見直し」を求める記者会見の様子が、放送されていた。
このような光景を見るのは、ノーベル賞受賞者の皆さんが会見を開いて2度目でという気がする。

ノーベル賞受賞者の皆さんは、「科学技術立国・日本が、世界から立ち遅れる」というコトとともに「これまで、科学の分野ではほぼ予算通りだった。これが科学技術立国・日本を支えた」という内容の話もされていたと記憶している。

これに対して、今回のオリンピック選手たちの内容はだいぶ違う。
「そもそも、強化費用が少ないのに、これ以上削られたら競技ができない」という内容だった(ようだ)。
日本のスポーツ振興のお寒い事情は、拙ブログでも過去何度か指摘した(と言っても、ここ1年以上書いていないが・・・)。
その背景にあるのは、日本のスポーツ振興の中心が学校と企業に支えられてきた、と言う過去に影響されている部分がある。
特に、企業支援は計り知れないモノがある。
それは「スポンサー」というだけではなく、「選手育成~選手強化」まで、まさに「負んぶに抱っこ」状態で、企業に依存してきた。
東京オリンピックで金メダルを獲得した、女子バレーなどはその典型かも知れない。
監督も選手も、ほぼ一つの企業出身者で固められいたのだから。

それが、経済状況の大きな変化により「企業丸抱えスポーツ」が、できなくなってしまった。
その結果が、企業スポーツ部の廃部だ。
花形スポーツであっても、このような状況なのだ。
オリンピックで一瞬話題になっただけのスポーツであれば、その環境はもっと厳しい状況にあると言うのは、想像ができる。

反面、スポーツ振興の名を借りたスポーツ施設の拡充振りは、目を見張るものがある。
中には、ダムや道路建設などの補助金で造られたモノも少なくないようだが、そのような施設は、1日の利用者が数名で、結局運営・維持費で赤字が発生している。

それよりも問題だと思うのは、「選手育成~強化」にお金が使われず、他で使われている可能性が高いというコトだ。
以前、あるスポーツ関係者の方から聞いた話だが、国際試合などで遠征する場合、役員がビジネスなのに選手がエコノミーと言うのが、当たり前となっている競技もあると言う。
それも選手よりも、役員の数の方が多いと言うのだ。
肝心な選手育成~強化ではなく、まったく別のトコロに強化費用などが使われている可能性が高いのが、スポーツの分野でもあるのだ。

今日のオリンピック選手の記者会見場に、スポーツ連盟の関係者の姿が無かったのは、そんなコトも理由の一つなのでは?と、勘ぐりたくなってしまった。
それに、自民党の森元総理が、日本スポーツの顔役(気取り)ではね・・・まず、そこから変えないと無理でしょう・・・。