日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

チョッと元気になる、静かなCM

2009-12-26 22:21:29 | CMウォッチ
来週の月曜日で、仕事納めと言う方も多いのではないだろうか?
来週には、「新年」を迎える。

今年は、明るい話題よりも暗い話題の方が多かったように思う。
この傾向は、何も今年に限った事ではないが、年々「暗い話題」が多くなってきた様なきがするのは、私だけだろうか?

そんな中で、素敵なメッセージを発信しているCMがある。
でもそのCMは、これまでのような「元気なテレビCM」ではない。
むしろ、今疲れ果てた日々を過ごしている人たちへ、さり気ないメッセージだ。
何気なくご覧になっている方も、多いのではないだろうか?
それが、サントリーの「ボス・シルキーブラック」(音声が出るので注意してください)だ。

サントリーの「ボス」という缶コーヒーには、イロイロな種類があり、その種類に合わせたテレビCMを製作している。
人気のあるCMとしては、レインボーマウンテンの「宇宙人・ジョーンズ」だろう。
つい先日までは「クリスマス・ヴァージョン」で、(クリスマス)ケーキを売るサンタに扮していた。
このCMのシリーズは、とてもコミカルでチョッとシニカルな内容だ。

それに比べると、「シルキーブラック」のCMは、出演者の豪華さに比べるとズッと静かで、大人向けのCMだ。
今回のCMでは、おもちゃを売る営業マンがおもちゃ屋の主人から「こんな物、(今時)売れるものか!」といわれ、おもちゃと共に突っ返されるところから始まる。
今のような経済状況の中で、同じ様な辛い経験をされてきている営業マンは多いのでは?
その意味で、共感性を呼ぶ内容だろう。
そして最後に「君が生きるといいね」というメッセージが、さり気なく差し込まれるのだ。

「『君が生きる場所』は、きっとあるはずだよ」と言うだけではなく、「見つける勇気」を一緒に与えているように気がするのだ。
このオーケストラメンバー全員は、どこか一癖二癖ありそうなのに、不器用でどこか寂しげで人恋しそうだ。
だから、自分が生きる場所を求めて集まったメンバーなのかも?と、思わせる。

今は辛いことが多いけれど、人それぞれがイキイキとする場所は必ずある!と、静かに伝えるCMは、今疲れている大人へのメッセージかも知れない。
そんな気がするCMだ。