日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

モノを買う意味

2009-12-30 20:49:15 | ビジネス
昨夜、テレビのニュースバラエティー番組を見ていたら、「的を得ているな~」というコトバにであった。
テレビに出演されていたのは、「こどもニュース」でもお馴染みに池上彰さん。
池上さんのニュース解説は、わかりやすいことでも有名だが、それだけではなく平易で的確な表現もまた、魅力だと改めて感じさせられたのだった。

特に「買い物は、企業への投票行動」というコトバには、「ハッ」とさせられた。
マーケティングと言う仕事をしていると「トレンド」を創り、新しい市場創造と言うコトに気がいってしまう時がある。
場合によっては「何となく社会の雰囲気を作る」というコトも、あるのは事実だろう。
「時代(=流行)に遅れてしまいますよ~」という、一種の焦燥感を煽ることもある。
子供の「だって、(クラスの)みんなが持っているんだもん」という「口説き文句」は、まさにコレだ。
それは商品に限ったことではなく、「消費心理」を作り出すというコトも含まれている。

これらはあくまでも、「企業側から見た」事であって、「生活者側から見ている」というわけではない。
まして「買い物をする=投票活動」などとは、考えてもいなかった。
そして、企業側は「どんな選挙活動をしているのだろうか?」とも思ってしまったのだ。
少なくとも今は「投票活動の促進」というトコロで、立ち止まってしまっているような着がする。
それも「価格=安さ」だけが、促進策となってしまっているのではないだろうか?

「企業への投票活動」という点で言えば、ここ数年話題になってきている「フェア・トレード」などは、「買い物で、社会活動を促進」という、明確なメッセージがある。
そのことに共感した人たちが、積極的に「フェア・トレード商品」を価格では無い(=安さではない)理由で、買っている。

もう一つ思ったことは、「投資もある種の投票活動なのでは?」ということだった。
もちろん「(その企業に)投資すれば、儲かる」という理由も、投資のプロと呼ばれる人たちの中にはあると思う。
ただ、投資家と呼ばれるほどではない株主さんたちの中には「この企業を応援したい」という気持ちでいる方もいらっしゃるのではないだろうか?

「デフレでモノが売れない」と嘆いてばかりでは、ますます閉塞していってしまうだろう。
「買いモノ=企業への投票行動」と考えれば、どれだけ「選挙運動」となる戦略を立て、公約となる社会へのメッセージを伝える努力をしているのだろうか?
来年は、そんな視点も含めたマーケティングのあり方と言うコトも、大切に考えていきたい。