日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

今だから「審美眼」を磨こう

2009-12-23 22:13:06 | ライフスタイル
厳しい経済状況が続いている。
「ボーナスが出ただけマシ」というコトバも、あながちウソではない。
これだけ厳しい経済状況になってしまうと「買い物をしたい気分」も、大きく減退してしまうのも仕方ないことだろう。

このところ元気な企業として取り上げられるのは、いわゆる「ファストファッション」の「ユニクロ」だとか先日話題になった「アバクロ」や、「マクドナルド」だろう。
デフレ価格の象徴と言われる「牛丼」業界だが、決して「元気」という感じではなく、むしろ「消耗戦」のような感じになってきている。
それは、大手スーパーも同じだろうし、大手スーパーの「消耗戦」に巻き込まれた「地元中小スーパー」も、その「消耗戦」に参戦せざる得ない状況になっている。

だが「何でも安ければ良い」のだろうか?
むしろ今のような時だからこそ、「様々な審美眼を磨く」必要があるのではないだろうか?
「審美眼」の中でも、「生活を豊かにするエッセンス」となるモノの「見る目を磨く」コトが大切だと思うのだ。

例えば「ファッション」は、単に衣類ではない。
「ファストファッション」も悪いわけではないが、その「ファストファッション」がお手本としているはずの「トレンドを作り出しているモノ」も知ることで「自分なりのファッションセンス」が磨かれると思うのだ。

私がパンフレットやカタログと言った仕事を始めた頃、ある方から「ファッション誌ならVOUGEなどを見なさい。普通の会社員が買えるような価格でもないし、着て行く先も無いのだから、何も海外の有名ファッションブランド品を買う必要はないけど、それらを実際見る機会を自分で作りなさい。美術についても自分が興味のあるモノ、ないモノ問わず、見に行く努力をしなさい」と、言われたコトがあった。
と同時に「それらを『目で食べる』という感覚で、イロイロなモノ・コトを自分で吸収しなさい」とも言われた。

その方は、おそらく「自分で買えなくても、本物をキチンと知りなさい。モノの本質を見る力を身に付けなさい」というコトを、話していたのだと思う。
それを実感できるようになったのは、しばらく経ってからだった。

最近思うコトは、「安ければ、安いほど良い」というコトばかりが取り上げられ、逆に「適正価格」というコトが忘れ去られているような気がするのだ。
キチンとした手仕事には、大量生産品とは違うモノがある。
ところがその「手仕事」を、「大量生産品」と同じように見てはいないだろうか?
「今は、大量生産品でも良いけど、いつかは本物を手に入れる」という感覚がなくなりつつあるように感じるのだ。

その背景にあるのは「とりあえず・・・」と言う感覚で、モノを見て・買うコトが当たり前になった生活者がいて、その生活者が作ってきた市場があるように思うのだ。

だからこそ、今審美眼を磨くコトが大切なのでは?と、思うのである。