日々是マーケティング

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「エネループ(ブランド)」は、どうなっていくのだろう?

2009-12-02 20:56:27 | マーケティング
日経新聞のWEBの「ITプラス」に、充電池で温まる 三洋電機「エネループ」冬製品の使い心地と言う記事が、掲載されていた。

ご存知の通り「エネループ」は、三洋電機の充電式乾電池のブランドだ。
それだけではなく、記事にあるように今では様々な商品を展開している。
「エネループ」を使ったカイロなどは、既にお馴染みの冬商品となっているのではないだろうか?
以前は、東急ハンズのようなお店でしか見かけることが無かったが、最近では量販店はもちろん、家電製品を扱うスーパーでも販売されるようになった。

このような「エネループ」の積極的な商品展開を見ながら、フッと考えてしまう事がある。
それは、パナソニックの子会社化で「エネループ」というブランドは、一体どうなってしまうのか?と言うコトだ。

パナソニックはパナソニックブランドとして、「エボルタ」と言う同様の商品を発売している。
ただ「エネループ」と違い、積極的な商品展開をしているわけではない。
あくまでも「充電式乾電池」という分野でのみの、展開だ。
そして「エネループ」事業そのものは、パナソニックへ売却と言う方向が既に決まっている(紹介記事は朝日新聞)。
だが「エネループ」としての開発・販売は、続けているという。

パナソニックとしては、自社ブランドである「エボルタ」と言う充電式乾電池のブランド構築をしていきたいはずだ。
しかし、子会社となる三洋電機の「エネループ」の方がブランド力、市場での優位性などはるかに上回るものがある。
そして「充電式乾電池を使った商品開発力」という点でも、「エネループ」のほうがあるはずだ。
とすれば、パナソニックとしても「エネループ」という名前を活かしておきたいはずだ。
問題は、パナソニックの「エボルタ」と「エネループ」の共存ができるのか?と言うコトだ。

企業にとって、既に認知され評価されている「ブランド」はとても魅力的だ。
それだけではなく、ブランド構築をするための時間と労力、費用と言うコスト面でも魅力的だといえる。
とすれば、二つのブランドをどう管理、棲み分けをし、生活者からの支持を得るようにするのか?
その意味で「エネループ」というブランドは、パナソニックと三洋電機の行く末を決めるモノになるのかも知れない・・・。