日々是マーケティング

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クリスマス限定CM

2009-12-24 23:27:34 | CMウォッチ
今日、何気なくテレビを見ていたらソフトバンク・SMAP×クリスマスヴァージョンCMを見た(限定配信の様なので25日以降見られなくなる可能性があります)。

これまで、クリスマス向けのテレビCMと言えば「クリスマスケーキ」とか「チキン」が定番だった。
バブルの頃話題になったCMといえば、JR東海の「クリスマス・エキスプレス」だろう。
クリスマス感を出しながら、新幹線利用を訴える内容のテレビCMは、それまでビジネスとか旅行と言った目的で使うモノと思われていた新幹線と言う乗り物を、「人に会うためのモノ」という新しい提案が、若年層に受けた。
当時としては画期的な内容のテレビCMだったし、テレビCMに影響された若者たちの姿が新幹線ホームや駅のあちらこちらで見られた。

ところが今回のソフトバンクの「SMAP×クリスマス」のテレビCMは、そのような提案があるわけではない。
淡々と、クリスマス風景の中でSMAPが、「世界に一つだけの花」を歌っているだけのテレビCMだ。
だが逆に、「モノを売る」とか何かの訴求効果を狙っていない分、どこか「ハッ」とさせられるし、どこかで心暖かくなるような感じを受ける。

もちろん楽曲の良さということもあると思うのだが、「クリスマスの時くらい、モノを売るとか、訴求効果を狙わないコト」で、人の心に何か暖かさと言うかホッと休まるモノを効果的に伝えられているような気がしたのだ。

同じ様な効果を狙っているテレビCMが、「アフラック」のクリスマスCMだろう。
このCMは先月から流れているのだが、今日に限っては「子供にも大人にもクリスマスプレゼントを」という内容とともに「メリークリスマス」というシンプルなメッセージだけが、流されていた。

おそらく、ソフトバンクの「SMAP×クリスマス」CMや「アフラック・クリスマス24日限定ヴァージョン」CMは、制作費から考えると余り効率が良いモノではないだろう。
制作費の割に、放送回数も限定されるからだ。
しかしあえて、そのようなテレビCMを流すコトで起きる効果は、直接的な売上ではなく「企業の優しさ」のようなモノとなって、伝わると言う効果を考えているのではないだろうか?

これから先、このようなテレビCMが経営環境が厳しい現在、次々と放送されるとは思えない。
ただこの「売らないCM」、「訴求効果を考えないCM」は、違うメッセージとなって企業に好印象を与える可能性はあるのではないだろうか?