一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

日レスインビテーションカップを見に行った(後編)

2009-06-12 00:41:40 | 女流棋戦
チェスクロックの残り時間を見ると、島井女流初段が18分28秒、成田女子アマ王位が19分38秒だった。
充実の成田女子アマ王位と体調不良の島井女流初段。ここは成田女子アマ王位の勝利で固いと踏んでいたが、島井女流初段を甘く見すぎていたようだ。持ち時間を半分近く残しての勝利はさすがである。勝者予想が1枠外れたが、これは仕方ないと思った。
そのまま石橋女流王位-船戸女流二段戦に移る。楽しみにしていた船戸女流二段の美貌は、対局位置の関係で拝見できなかった。しかしカッターシャツと黒のパンツといういでたちは、スッキリしていてよい。
今回の女流棋士の服装は全般的に地味だったが、考えてみればそれもそのはずで、これはファンクラブイベントではなく、優勝賞金100万円の重要な勝負である。派手めの服装を期待していた自分が甘かった。
船戸女流二段には、前年の同月同日、将棋ペンクラブの関東交流会で指導対局を受けている。あのあと私は新宿へ向かい、LPSA1周年記念パーティーにお邪魔したのだった。そのとき「第2回 日レスインビテーションカップ」の公開組み合わせ抽選が行われたが、当たり前のことながら、船戸女流二段の名前はなかった。
しかし1年後のこの日、船戸女流二段が日レスカップを指している。ちょっとホロッとする。船戸女流二段の移籍は、設立から1年が経ち、閉塞気味のLPSAに新風を巻き起こした。その功績は計り知れないものがあったが、ご本人が気付いているかどうか。もっとも彼女にそう言ったところで、「そうなんですか?」とアッケラカンと答えるだけだろう。そんなところが彼女の魅力なのだ。
将棋は石橋女流王位の快勝。両者が解説室へ移るため、立ち上がる。
サッと振り返る船戸女流二段は、男装の麗人のようだった。宝塚の男役というべきか。女子高の生徒だったら、下駄箱にファンレターが毎日舞い込んでいたに違いない。
私はふらふらとおふたりの後について解説室へ入る。石橋・船戸コンビの自戦解説は面白いが、ハッと我に返って、北尾-渡部戦を見に、対局室へ戻る。
その将棋は北尾女流初段が中盤まで押していたが、渡部ツアー女子プロも必死に喰らいつき、最後は渡部ツアー女子プロの鮮やかな寄せを見るまでとなった。
残りの将棋も終わり、今回の出場者と解説者の3人が解説室前方に勢ぞろいする。成田女子アマ王位の姿がないのは、敗退したので、ひと足先に仙台へ帰ったためと思われる。
勝者予想正解者の発表となった。私はけっきょく5名正解。10名に賞品が贈られるが、全問正解者と1問不正解者合わせてちょうど10人だったそうで、私も賞品(最高級紅茶)を頂戴した。これ、自分の名前が呼ばれるのは分かっているのだが、実際呼ばれるまでは、なにか手違いがあって自分がハジかれているのではないか、なんて考えたりして、けっこうドキドキするものなのである(実際、過去にそんなことがあった)。
今回も十分楽しめたが、たまには苦言も呈してみよう。
相手の駒を取って、自分の駒を動かす。そのとき、相手の駒を持ったまま、チェスクロックのボタンを押す棋士が多かった。1分将棋だったので、駒台に駒を置く時間も惜しかったからだろうが、綺麗な所作ではない。もっと言えば、駒を取る場合、まず駒台に駒を置いてから、盤上の駒を動かしたい。そのほうが女流らしくて、優雅でいいでしょう?
お開きとなったので、そそくさとエレベーターへ向かう。と、先ほどのソファーに、片上大輔六段の姿が見えた。奥様の応援か、と思ったが、これが重大な要件だったと知るのは、翌日のことになる。

帰宅後、念のためLPSAのホームページを見る。と、島井-成田戦は、なんと成田女子アマ王位の快勝だった。つまり私は全問正解していたのだ。じゃああの時の観客は、なんで島井女流初段に「○」を付けていたのか。…そうか! あれは、自分の勝者予想を書きこんでいたのだ。
引き続き棋譜を再生すると、島井女流初段がひどい負け方をしていた。これも体調からくるものなのか。
精神的疾患ならともかく、肉体的疾病は、周りは何もできない。もし体調不良だとしても、我々は快方に向かうのを祈ることしかできないのだ。ただ、これだけは言える。
「病は気から」という。「元気になりたい」ではなく、「元気になった」と、完了形にして、毎日を過ごしたほうがいい。そしてあの強烈な「シマイ攻め」を、また見せてほしいと思う。
あ! 最後にひとつ。今回の船戸女流二段のいでたちは、先日私が希望した「男物のワイシャツに黒のパンツ」によく似ていた。これはまったくの偶然だろうが、私の眼に狂いはなかった。素晴らしくよく似合っていた。
さすがにLPSAが誇るファッションモデルである。
コメント (5)
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