26日(金)の女流棋士スーパーサロンは、前週に引き続き上田初美女流二段の担当だった。今回は前日の午後に予約をしたが、10時のコマが空いているというので、入れてもらう。今回でスーパーサロンの参加は6回目になるが、10時のコマはいつも空きがある。私の自宅から将棋会館までは45分で着くが、地方から向かう人は、30分でも遅いほうがいいから、10時30分からのコマが先に埋まってしまうのだろう。
毎週1回将棋会館へ向かう。なんだか自分が棋士になった気分だ。
きょうの上田女流二段の装いも夏らしく涼しげだ。しかし詳細を書くと某団体からの突き上げが厳しいので、ここでは省く。
道場内にあるテレビは、きょうは将棋盤が映っていない。
「きょうはトクタイ(特別対局室)で将棋はないのかなあ」
と上田女流二段が言う。このテレビカメラは、特別対局室に設置されているということか。
戦型は上田女流二段の四間飛車に、私の▲8八玉型左美濃。珍しく居飛車穴熊を志向したが、▲2五歩を決めてないのに△3三角と上がられたので、急戦で来られるのを警戒して、▲7八銀と締めた。
ほかの対局者のひとりは、楽しそうに会話をしながら指している。私にはできない芸当である。
局面は上田女流二段の中央からの動きをうまく逆用して、金桂交換になったところでは指しやすさを感じた。しかし上田女流二段の反撃も厳しく、以下の局面を迎えた。このブログではお馴染みの、駒の配置のみを記す。
上手(平手)上田初美女流二段:1三歩、2三歩、3四歩、3九角、5二飛、5五歩、6一金、7二銀、7三桂、7四金、8二王、8四歩、9一香、9五歩 持駒:銀、桂、歩2
下手 一公:1一馬、1六歩、1九香、2五歩、2八飛、3六歩、4五歩、6五歩、6六金、7六歩、7七桂、7八金、8六歩、8七銀、8八玉、9七歩、9九香 持駒:銀、桂、香、歩2
△6六歩▲同金に△3九角、までの局面。
ここは当初、▲6七銀としっかり固める予定だった。△2八角成なら▲7五歩と突いて、これは玉頭の厚みが大差で、下手勝ち。
しかし上田女流二段がほかの将棋を見ているときに考え直してみると、貴重な銀を自陣に埋めるのが惜しくなってきた。ここは▲7五歩と金取りに突いても上手は△2八角成と飛車を取るだろうから、それなら銀を使わないだけ得だと考えたのだ。
そこで本譜は単に▲7五歩と突いたのだが、あっさり△6六角成と金を取られて、アテが外れた。さすがにプロは甘くない。
せっかくなので、終局までの手順も書いてしまおう。
(△3九角以下の指し手)▲7五歩△6六角成▲7四歩△7六歩▲7三歩成△同銀▲6七金打△7七歩成▲同金直△6七馬▲同金△7五桂▲6六金△8七桂成▲同玉△5七銀 まで、102手で上田女流二段の勝ち。
手順中、△7七歩成を▲同金直と取ったのも疑問手。当然▲同金寄と取るべきだった。疑問手連発に呆れて、戦意を喪失。最後は△5七銀と金取りに打たれたところで投了した。
上田女流二段は、
「もう少し粘れませんか?」
と気を遣ってくれたけれど、これはもう大差である。しかし最初から最後まで手も足も出なかったわけではないのが、逆にもどかしい。己の中途半端な棋力が情けない。
対局時間は、30分あまりだっただろうか。これで上田女流二段とは、4戦して3連敗になってしまった。ここはさらっと読み流されると困るので、もう一度書く。4戦して3連敗である。ちなみにこの対戦成績に、時間切れの引き分けはない。4局とも、時間内に決着がついたものである。
ところできょうはLPSA金曜サロンで、W氏と金曜リーグの大一番がある。この日は第5回リーグ戦の最終週。成績には関係のない消化試合だが、この日をふたりの決戦日として、わざと対局を消化せずにいたのだ。
スーパーサロンのあとも引き続き連盟の道場で将棋を指し続け、1時45分ごろ、新たな一般客と手合がついたので、これが終局したら駒込に向かおうと思った。
と、道場後方に設置された簡易対局場に、熊倉紫野女流初段が現れた。高校と思しき制服を着ている、おさげ髪の女の子もいる。熊倉女流初段を講師にした、レディースセミナーだろうか。日本将棋連盟および女流棋士会では、いろいろな教室をやっているので、どれがどれだかまったく分からない。
しかしそのふたりは、将棋盤を挟んで座った。私の対局位置から熊倉女流初段のお顔が正面に見え、制服の女の子はこちらに背中を向けている格好だ。どうもセミナーにしてはヘンである。しかも先ほどまで将棋を指していた棋客数人が、2列に並んだ椅子に座り、その将棋が始まるのを待っている。…あれっ? これはLADIES HOLLY CUPのリーグ戦ではないか!?
やがて駒が並べられ、振り駒をすると、ふたりが席を入れ替わった。先後で座る位置が決まっているのだろうか。制服の女の子が、今度はこちらにお顔を見せる形になった。
…あああっ!? か、彼女は!! や、や、や、や、山口恵梨子ちゃんではないか!!
突然現れた女流棋士会屈指の美少女を目にして、私は心臓の鼓動が速くなるのを感じた。
(つづく)
毎週1回将棋会館へ向かう。なんだか自分が棋士になった気分だ。
きょうの上田女流二段の装いも夏らしく涼しげだ。しかし詳細を書くと某団体からの突き上げが厳しいので、ここでは省く。
道場内にあるテレビは、きょうは将棋盤が映っていない。
「きょうはトクタイ(特別対局室)で将棋はないのかなあ」
と上田女流二段が言う。このテレビカメラは、特別対局室に設置されているということか。
戦型は上田女流二段の四間飛車に、私の▲8八玉型左美濃。珍しく居飛車穴熊を志向したが、▲2五歩を決めてないのに△3三角と上がられたので、急戦で来られるのを警戒して、▲7八銀と締めた。
ほかの対局者のひとりは、楽しそうに会話をしながら指している。私にはできない芸当である。
局面は上田女流二段の中央からの動きをうまく逆用して、金桂交換になったところでは指しやすさを感じた。しかし上田女流二段の反撃も厳しく、以下の局面を迎えた。このブログではお馴染みの、駒の配置のみを記す。
上手(平手)上田初美女流二段:1三歩、2三歩、3四歩、3九角、5二飛、5五歩、6一金、7二銀、7三桂、7四金、8二王、8四歩、9一香、9五歩 持駒:銀、桂、歩2
下手 一公:1一馬、1六歩、1九香、2五歩、2八飛、3六歩、4五歩、6五歩、6六金、7六歩、7七桂、7八金、8六歩、8七銀、8八玉、9七歩、9九香 持駒:銀、桂、香、歩2
△6六歩▲同金に△3九角、までの局面。
ここは当初、▲6七銀としっかり固める予定だった。△2八角成なら▲7五歩と突いて、これは玉頭の厚みが大差で、下手勝ち。
しかし上田女流二段がほかの将棋を見ているときに考え直してみると、貴重な銀を自陣に埋めるのが惜しくなってきた。ここは▲7五歩と金取りに突いても上手は△2八角成と飛車を取るだろうから、それなら銀を使わないだけ得だと考えたのだ。
そこで本譜は単に▲7五歩と突いたのだが、あっさり△6六角成と金を取られて、アテが外れた。さすがにプロは甘くない。
せっかくなので、終局までの手順も書いてしまおう。
(△3九角以下の指し手)▲7五歩△6六角成▲7四歩△7六歩▲7三歩成△同銀▲6七金打△7七歩成▲同金直△6七馬▲同金△7五桂▲6六金△8七桂成▲同玉△5七銀 まで、102手で上田女流二段の勝ち。
手順中、△7七歩成を▲同金直と取ったのも疑問手。当然▲同金寄と取るべきだった。疑問手連発に呆れて、戦意を喪失。最後は△5七銀と金取りに打たれたところで投了した。
上田女流二段は、
「もう少し粘れませんか?」
と気を遣ってくれたけれど、これはもう大差である。しかし最初から最後まで手も足も出なかったわけではないのが、逆にもどかしい。己の中途半端な棋力が情けない。
対局時間は、30分あまりだっただろうか。これで上田女流二段とは、4戦して3連敗になってしまった。ここはさらっと読み流されると困るので、もう一度書く。4戦して3連敗である。ちなみにこの対戦成績に、時間切れの引き分けはない。4局とも、時間内に決着がついたものである。
ところできょうはLPSA金曜サロンで、W氏と金曜リーグの大一番がある。この日は第5回リーグ戦の最終週。成績には関係のない消化試合だが、この日をふたりの決戦日として、わざと対局を消化せずにいたのだ。
スーパーサロンのあとも引き続き連盟の道場で将棋を指し続け、1時45分ごろ、新たな一般客と手合がついたので、これが終局したら駒込に向かおうと思った。
と、道場後方に設置された簡易対局場に、熊倉紫野女流初段が現れた。高校と思しき制服を着ている、おさげ髪の女の子もいる。熊倉女流初段を講師にした、レディースセミナーだろうか。日本将棋連盟および女流棋士会では、いろいろな教室をやっているので、どれがどれだかまったく分からない。
しかしそのふたりは、将棋盤を挟んで座った。私の対局位置から熊倉女流初段のお顔が正面に見え、制服の女の子はこちらに背中を向けている格好だ。どうもセミナーにしてはヘンである。しかも先ほどまで将棋を指していた棋客数人が、2列に並んだ椅子に座り、その将棋が始まるのを待っている。…あれっ? これはLADIES HOLLY CUPのリーグ戦ではないか!?
やがて駒が並べられ、振り駒をすると、ふたりが席を入れ替わった。先後で座る位置が決まっているのだろうか。制服の女の子が、今度はこちらにお顔を見せる形になった。
…あああっ!? か、彼女は!! や、や、や、や、山口恵梨子ちゃんではないか!!
突然現れた女流棋士会屈指の美少女を目にして、私は心臓の鼓動が速くなるのを感じた。
(つづく)