一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

日レスインビテーションカップ・鹿野圭生女流初段

2009-06-13 15:37:49 | LPSAイベント
日本女子プロ将棋協会(LPSA)で、関西唯一の所属なのが、鹿野圭生女流初段である。鹿野圭生は「カノタマオ」と読む。先日の「ツアーライセンス取得テスト」で、「脇息」「天野宗歩」「雁木」の読みを問う問題が出たが(脇息は、将棋を趣味にしていれば簡単に読めるが、実は漢字検定1級の読み問題にも出た難問である)、鹿野女流初段の読みも難しい。
鹿野女流初段の場合、その表記はふりがなではなく、カタカナにしたい。「かのたまお」では雰囲気が出ない。「カノタマオ」がいいのである。「スガシカオ」「カクチカコ」と同じ理屈である。
というわけで、鹿野女流初段は「カノタマ」の愛称で親しまれ、その気さくな性格と関西流の話術で、人気を博している。
鹿野女流初段も年女。関西の姉御・カノタマが48歳ということは考えられないから、今年の11月1日で36歳、ということになる。私は毎回こんなことを書かなければいけないのだろうか。
鹿野女流初段はいまでももちろん美しいが、昔の「将棋年鑑」の棋士写真を見ると、韓国の人気女優を思わせる、モデル級の美人であった。
日レスインビテーションカップでは、午後から指導対局があった。指導棋士は、1回戦で敗退した女流棋士4名と、中倉宏美女流二段である。
空きがあったので、申し込む。誰に当たるかは抽選である。受付に置いてある名刺大のカードをめくると、裏に対局者の名前が書いてある。私は鹿野女流初段に当たった。
対局場である7階の一室に入ると、正面に藤森奈津子女流三段、神田真由美女流二段の姿が見える。「あれっ?」と驚かれる。
私が「指導対局を受けに来ました。鹿野先生に当たりました。エッヘッヘ」
と言うと、「あらあー、良かったですねぇ」
と喜んでくれる。
藤森女流三段や神田女流二段には何局も将棋を教わっているが、関西在住の鹿野女流初段とは初めて。そのへんの事情もおふたりはご存じで、先の言葉が出たのである。
ついにLPSA棋士15人目との指導対局となった。最初は私ひとりだけだったのでドキドキしたが、すぐあとに別の対局者が見えて、とりあえずは2面指し。
将棋は両方とも平手、鹿野女流初段得意の四間飛車となった。途中、鹿野女流初段が両方の将棋をキョロキョロ見比べる。見ると、同一局面になっていたのだ。
しかしもうひと方の次の指し手は▲7七銀、私は▲5七銀左で、同型に別れを告げた。
その後▲2四歩△同歩▲3四歩△同銀▲3八飛と進んだが、ここで△4五歩でも△2二角でもなく、△4三金の力強い金上がりがカノタマ流。
以下、なすところなく完敗となった。もうひとりの方は先に終わり退室していたので、私には珍しく、たっぷり感想戦をしていただく。
しかしどの変化も、下手が悪い。これは悪い、これも悪い、となって、どんどん局面が前に戻されていく。結局、△2二角△3二飛のとき、焦点に▲3三歩と打つ手が正着、とされた。このときは3人目の対局者との将棋も始まっていたので、なんでこの手を指さなかったんだろう、ということで感想戦はお開きになった。しかし、帰宅後あらためてこの将棋を検討してみると、何で打たなかったんだろう、と思った「▲3三歩」は、歩切れで打てないのだった。もう、どの変化も負けていたのだ。
カノタマ、強し。
LPSAの関東と関西の拠点を結ぶ、鹿野女流初段の存在は大きい。これからも対局と普及に、全力を尽くしてほしいと思う。
コメント (13)
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