きょう8月1日は、大庭美夏先生のお誕生日。おめでとうございます。
大庭先生は今年LPSAの理事に就任され、以前に増して忙しい毎日を送っておられます。体調管理を十分にされ、これからもLPSAの運営に尽力してください。応援しております。
「角館の美女」の誕生日である、きのう7月31日は、LPSA金曜サロンの会員を中心に、カラオケと焼き肉パーティーに行った。先日、LPSAのマドンナ的存在である方が、快挙を成し遂げた。今回はそのお祝いなのである。
私は人づきあいがわるく、友人との交流を好まないので、焼き肉パーティーだけは参加する意向だったが、W氏が午後2時からのカラオケにも参加しろ、とうるさい。
「カラオケはイヤだ」
「行こう」
「だからイイから」
「往生際がわるいよ」
「いやオレはそういうのはいいんだって」
「あんたもう詰んでるんだから、出なきゃダメだって」
7時からの焼き肉パーティーのお店は、W氏は知らないらしく、私は携帯電話を持っていないから、外出先での連絡はむずかしい。「だから2時からオレたちと歌えばいいんだよ」と押し切られる形になり、私は午後1時50分に、埼玉県の某駅前で、みんなと合流した。マドンナも含め、総勢11名。焼き肉店ではさらにY氏が合流する。Y氏は王座戦女流棋士一斉対局の解説会と、指導対局を申し込んでおり、そのための遅れである。明確な理由があれば、遅刻は認められるらしい。
駅からはクルマ2台に分けて10分ほど走り、カラオケ店に入る。私は、カラオケは滅多にしたことがなく、大むかし片想いしていた女性に振られたとき、カラオケ店で泣きながら歌いまくったことはある。しかしそれ以降となると、サラリーマンを辞める少し前(平成13年)に、営業先の社長らと歌ったのが最後だ。あのころも高音は出にくくなっていたし、今回はもう声が出ないだろう。
カラオケルームに入る。室内正面のテレビ画面を「12時」だとすると、「1時」の位置にマドンナが座る。私は「9時」。「6時」のIz氏が曲を入れ、時計回りにカラオケスタート。Iz氏の歌唱力は棋力以上だったが、次の「7時」氏の歌がそれ以上に素晴らしかった。私は最初、テレビ画面から歌手の声が聴こえているのかと勘違いしたほどだ。まったく本職のような見事な歌で、私は画面を観ながら、「いまは誰が歌ってるんだ? 分からない」と怪訝に思いつつ振り向くと、某氏であった。この某氏、将棋もしゃべりも大したことはないが、歌は間違いなく、アマ強豪級だった。彼にこんなところで劣等感を植え付けられるとは思わなかった。
私は歌う気はあまりないので、曲の予約はパス。ところが、「8時」のKun氏がチェスクロックを取り出して、ボタンを押した。な、何を持ってきてるんだ。持ち時間は3分に設定されている。この間に曲を選定しろ、というわけだ。
時間が刻々と減っていくチェスクロックを見ると、時間切れは本能的に拒絶してしまうので、曲を選ぶしかない。さんざん迷って、残り8秒の時点で予約を入れたが、歌う順番は「3時」Ka氏の次になった。
「1時」マドンナの1曲目は、中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」。さすがにマドンナ、昭和の香りのする曲の選択である。注目の歌唱力はさすがで、私は聴き惚れた。歌もうまい、将棋も強い、言うことなしである。マドンナの歌を聴けただけでも、よしとするべきか。
私は中村雅俊の「時代遅れの恋人たち」を選曲した。昭和53年放送の名作学園ドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」のテーマ曲である。この日の日本テレビ系「メレンゲの気持ち」に、同番組に出演していた小川菜摘がゲスト出演していて、この曲が想起された、ということもある。
1番はまずまず歌えたが、2番は歌詞が分からないうえ、もう息切れがして、高音が出ない。よれよれになって、フルコーラスを歌い終えた。
次は「4時」W氏である。とんねるずの曲を歌ったが、これがまた見事。ちょっとコミカルに歌いあげ、ふだんから歌い慣れているというふうだっだ。
W氏の将棋は、序中盤はともかく、終盤は「うっかり八兵衛」の連発なのだが、彼の歌もアマ高段と云える。将棋と歌唱力に因果関係はないのだ。なんだかおもしろくない。
「5時」に座っている、マドンナとひじょうに近い関係にあるU氏の歌は、「恋人も濡れる街角」。私の曲名を見たとき、「おおっ」と言ったが、それは歌手名が同じだったからだ。U氏の歌は、これまた若々しく堂々とした歌いっぷりで、私は唸った。
U氏は先日、必勝の将棋からスットコドッコイな手を連発して惨敗し、周りから呆れられたが、この歌は段位以上だった。ということは、「八段」か。
周囲から促され、私は2曲目を入れる。トワエ・モアの「虹と雪のバラード」。昭和47年に行われた札幌オリンピックのテーマ曲で、歌ったことはないが、私の好きな曲である。これはデュエット曲なので、マドンナといっしょに歌える、というメリットがある。
私の番が回ってくる。この曲はあまり高音がないので、カロリーも消費せず、歌いやすい。歌の途中に「札幌」と出るが、ここを「駒込」に変える。マドンナとのデュエットは、楽しかった。いや感激したというべきか。と、歌い終わったマドンナが
「私がヨーコちゃんじゃなくてスミマセン」
とイヤ味を言う。マドンナが何と言おうと、私はマドンナと歌っているとき、将棋ファンとして全国一の幸せ者だった。
「10時」のHo氏はふだんの口調どおりの歌唱、「11時」のR氏は将棋と同じく、力強く真っすぐな歌唱。英語ばかりの曲を歌ったときはたまげた。「2時」のKub氏は静かに歌いあげる。総じてみなさん、歌唱力は棋力以上だった。
若干歌う順番がズレてきたが、私は一向に構わない。3局目を予約したいが、富田靖子の「オレンジ色の絵葉書」はさすが登録されていない。室内は男が10人いて、男声ばかり聞いてもおもしろくない。やはり女性の声も数多く聴きたく、私はまたデュエット曲を選ぶことにした。石川優子&チャゲの「ふたりの愛ランド」。
予約時、画面上部に曲名が出てしまうので、若干味がわるいが、仕方ない。
またデュエットかよ、とW氏から呆れられたが、選曲はこちらの自由である。私は再びマドンナと歌う。またもや「全国一幸せな将棋ファン」になった、つかの間の時間だった。
(つづく)
大庭先生は今年LPSAの理事に就任され、以前に増して忙しい毎日を送っておられます。体調管理を十分にされ、これからもLPSAの運営に尽力してください。応援しております。
「角館の美女」の誕生日である、きのう7月31日は、LPSA金曜サロンの会員を中心に、カラオケと焼き肉パーティーに行った。先日、LPSAのマドンナ的存在である方が、快挙を成し遂げた。今回はそのお祝いなのである。
私は人づきあいがわるく、友人との交流を好まないので、焼き肉パーティーだけは参加する意向だったが、W氏が午後2時からのカラオケにも参加しろ、とうるさい。
「カラオケはイヤだ」
「行こう」
「だからイイから」
「往生際がわるいよ」
「いやオレはそういうのはいいんだって」
「あんたもう詰んでるんだから、出なきゃダメだって」
7時からの焼き肉パーティーのお店は、W氏は知らないらしく、私は携帯電話を持っていないから、外出先での連絡はむずかしい。「だから2時からオレたちと歌えばいいんだよ」と押し切られる形になり、私は午後1時50分に、埼玉県の某駅前で、みんなと合流した。マドンナも含め、総勢11名。焼き肉店ではさらにY氏が合流する。Y氏は王座戦女流棋士一斉対局の解説会と、指導対局を申し込んでおり、そのための遅れである。明確な理由があれば、遅刻は認められるらしい。
駅からはクルマ2台に分けて10分ほど走り、カラオケ店に入る。私は、カラオケは滅多にしたことがなく、大むかし片想いしていた女性に振られたとき、カラオケ店で泣きながら歌いまくったことはある。しかしそれ以降となると、サラリーマンを辞める少し前(平成13年)に、営業先の社長らと歌ったのが最後だ。あのころも高音は出にくくなっていたし、今回はもう声が出ないだろう。
カラオケルームに入る。室内正面のテレビ画面を「12時」だとすると、「1時」の位置にマドンナが座る。私は「9時」。「6時」のIz氏が曲を入れ、時計回りにカラオケスタート。Iz氏の歌唱力は棋力以上だったが、次の「7時」氏の歌がそれ以上に素晴らしかった。私は最初、テレビ画面から歌手の声が聴こえているのかと勘違いしたほどだ。まったく本職のような見事な歌で、私は画面を観ながら、「いまは誰が歌ってるんだ? 分からない」と怪訝に思いつつ振り向くと、某氏であった。この某氏、将棋もしゃべりも大したことはないが、歌は間違いなく、アマ強豪級だった。彼にこんなところで劣等感を植え付けられるとは思わなかった。
私は歌う気はあまりないので、曲の予約はパス。ところが、「8時」のKun氏がチェスクロックを取り出して、ボタンを押した。な、何を持ってきてるんだ。持ち時間は3分に設定されている。この間に曲を選定しろ、というわけだ。
時間が刻々と減っていくチェスクロックを見ると、時間切れは本能的に拒絶してしまうので、曲を選ぶしかない。さんざん迷って、残り8秒の時点で予約を入れたが、歌う順番は「3時」Ka氏の次になった。
「1時」マドンナの1曲目は、中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」。さすがにマドンナ、昭和の香りのする曲の選択である。注目の歌唱力はさすがで、私は聴き惚れた。歌もうまい、将棋も強い、言うことなしである。マドンナの歌を聴けただけでも、よしとするべきか。
私は中村雅俊の「時代遅れの恋人たち」を選曲した。昭和53年放送の名作学園ドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」のテーマ曲である。この日の日本テレビ系「メレンゲの気持ち」に、同番組に出演していた小川菜摘がゲスト出演していて、この曲が想起された、ということもある。
1番はまずまず歌えたが、2番は歌詞が分からないうえ、もう息切れがして、高音が出ない。よれよれになって、フルコーラスを歌い終えた。
次は「4時」W氏である。とんねるずの曲を歌ったが、これがまた見事。ちょっとコミカルに歌いあげ、ふだんから歌い慣れているというふうだっだ。
W氏の将棋は、序中盤はともかく、終盤は「うっかり八兵衛」の連発なのだが、彼の歌もアマ高段と云える。将棋と歌唱力に因果関係はないのだ。なんだかおもしろくない。
「5時」に座っている、マドンナとひじょうに近い関係にあるU氏の歌は、「恋人も濡れる街角」。私の曲名を見たとき、「おおっ」と言ったが、それは歌手名が同じだったからだ。U氏の歌は、これまた若々しく堂々とした歌いっぷりで、私は唸った。
U氏は先日、必勝の将棋からスットコドッコイな手を連発して惨敗し、周りから呆れられたが、この歌は段位以上だった。ということは、「八段」か。
周囲から促され、私は2曲目を入れる。トワエ・モアの「虹と雪のバラード」。昭和47年に行われた札幌オリンピックのテーマ曲で、歌ったことはないが、私の好きな曲である。これはデュエット曲なので、マドンナといっしょに歌える、というメリットがある。
私の番が回ってくる。この曲はあまり高音がないので、カロリーも消費せず、歌いやすい。歌の途中に「札幌」と出るが、ここを「駒込」に変える。マドンナとのデュエットは、楽しかった。いや感激したというべきか。と、歌い終わったマドンナが
「私がヨーコちゃんじゃなくてスミマセン」
とイヤ味を言う。マドンナが何と言おうと、私はマドンナと歌っているとき、将棋ファンとして全国一の幸せ者だった。
「10時」のHo氏はふだんの口調どおりの歌唱、「11時」のR氏は将棋と同じく、力強く真っすぐな歌唱。英語ばかりの曲を歌ったときはたまげた。「2時」のKub氏は静かに歌いあげる。総じてみなさん、歌唱力は棋力以上だった。
若干歌う順番がズレてきたが、私は一向に構わない。3局目を予約したいが、富田靖子の「オレンジ色の絵葉書」はさすが登録されていない。室内は男が10人いて、男声ばかり聞いてもおもしろくない。やはり女性の声も数多く聴きたく、私はまたデュエット曲を選ぶことにした。石川優子&チャゲの「ふたりの愛ランド」。
予約時、画面上部に曲名が出てしまうので、若干味がわるいが、仕方ない。
またデュエットかよ、とW氏から呆れられたが、選曲はこちらの自由である。私は再びマドンナと歌う。またもや「全国一幸せな将棋ファン」になった、つかの間の時間だった。
(つづく)