一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

長谷川真弓と本田小百合女流二段

2010-08-18 16:10:45 | 旅行記・沖縄編
14日(土)は早くも宮古島最後の夜となったが、最後の晩餐は、繁華街から少しはずれた中華料理屋に入った。ラーメンは450円だが、店名が入った「大将ラーメン」は500円である。この50円の差に興味を惹かれて、こちらを注文する。
出てきた「大将ラーメン」は、もやしがこんもりとのせられていた。これが「大将」の正体だったか。麺は内地の縮れ麺と違って、ストレート麺。やはり違和感がある。スープにはニンニクがたっぷり利かせてあり、ゴマの量がやたら多かった。総合的には美味だった。ただし内地の人間には、毎日はつらいと思う。

翌15日(日)。朝食の前に、宮古毎日新聞に目を通す。実にゆったりした1日だ。
宮古毎日新聞に限らず、地元の新聞には、当日の飛行機や船の情報が掲載されている。私がこの日乗るのは11時10分宮古発・11時40分石垣着の、JTA941便である。12,400円。もっと早い便があればもちろんそれに乗るが、石垣行きは、この941便が始発なのである。
そのあとはRAC便が2本出ているのみ。フェリーの客船扱いは廃止になったから、島から島への移動は、だいぶ値段が高くなってしまった。ただしこの日のRAC便には「特便割引1」が適用され、前日までの予約なら9,600円で乗れる。JTAにはそれがないから、2,800円も安く乗れるのは大きい。
しかし私はその差額に目をつぶってでも、宮古島ユースホステルでのゆったりした朝食を採ったのである。ケチだか気前がいいんだか、分からない。
いちおう空席情報を見てみる。14日午後5時現在のそれは、JTA941便が130席、その次のRAC831便が27席もあった。RACはプロペラ機だから、残数が27でも、やはり多い。いまの時期、もう下り便に乗る人は少ないのだ。ところがそのRAC便の時刻を何気なく見た私は、「あっ!!」と声を上げてしまった。
これ、石垣行きの最終便は17時35分発である。それは知っていた。しかしその前、つまりJTAの次のRAC831便の発時刻が、11時35分だったのだ。なんと、JTA離陸後のわずか25分後である。
ふつう、「1日3本」のダイヤだったら、誰もが朝、昼、夕に1本ずつと考える。しかしこれは11時台に2本、夕方に1本と偏ったダイヤだ。これだったら誰だって、JTA11時10分より、「特便割引1」の利くRAC11時40分発を利用する。なんでこんなダイヤにしたのだろう。
上り便を見ると、RACの2本はそのまま上りとなって宮古へ引き返す。しかしJTAにはそれがない。おそらく石垣から那覇へ行くなりするのだろうが、とにかく機材を石垣に運ぶ関係で、この時刻にムリヤリ組み込んだものと思われた。
いや~、それにしても何ということだ。私だってこの時刻を知っていたら、RACを選ぶ。しかし第2便の時刻を確認しなかったうえ、もう発便当日になっているから、「特便割引1」は利かない。けっきょく私は、JTAに乗るしかないのだった。
ああ…と思う。余計に払う形となった差額の2,800円は、ユースホステルの宿泊料に相当する。石垣空港に30分早く着くために、たいへんな散財をしてしまった。

呆然としたまま、朝食。メンバーは「長谷川真弓」母子に青年。前日と同じだ。
朝食を終えた後、雑談(ゆんたく)となった。前日にある程度話をしたから、多少は打ち解けている。当然、自分のプライバシーに関する話も出てきた。
いろいろ話すうち、長谷川真弓が、
「私、離婚してるんですけど…」
と言った。それは私たちも薄々気がついていたので、そこは驚かない(2日前の当ブログのタイトルも違うことになるが、そのままにしておく)。しかし彼女は何年か前、同じマンションに住む男性にプロポーズされ、それは断ったらしいのだが、なんと彼女はその男性の名前を忘れたと言うので、それはさすがに私たちもあんぐりした。
…そうなのか? 女性は自分が振った男性の名前を、こうも簡単に忘れてしまうものなのか? 私など、22年前に一目ぼれした女性のことを、いまだに思い続けているというのに…。
さらに話を聞くと、彼女は自分の職業を「投資家」だと言った。こんな職業がこの世に存在するなんて、私は知らなかった。彼女は続けて、
「1日で500万円稼いだこともありますよ。だから私、おカネには困ってないんです」
と言った。
1日で500万円!! マイナビ女子オープンの優勝賞金が500万円である。それを1日で得ることもあるとは、「投資家」とは、なんという職業なのか。私なんか、毎日コツコツ働いたって、女流棋士の平均年収にも満たない。長谷川真弓から見たら、私の職業なんかみすぼらしくて大笑い、というところだろう。
さらに彼女は、いま傍らにいる息子さんを、ケンブリッジ大学かハーバード大学に入学させると言ったので、私たちはまたたまげた。親は子供に対して最大限のサポートをするものであり、それを突き詰めると、世界最高学府への入学、ということらしかった。
なんだか知らないが、すごい話になってきた。ケンブリッジもハーバードも、すごい大学なのであろう。そこにハナから入学させるつもりでいるところがすごい。将棋でいえば、息子をプロ棋士にし、名人を獲らせます、と言っているようなものだ。
そしてこうした話を聞けば、前日の彼女の言葉が理解できる。9時20分のバスで1時間40分早く目的地に着けるのだから、早く出発すべき…。合理的な彼女には、それが当然の主張だった。港近くの図書館の居場所を詳しく訊いたのも、子供さんを連れて勉強に行きたかったのかもしれない。
しかし子供の能力の問題は、どうなのだろう。親が躍起になっても、子供がその期待に応えられなければ、なんにもならない。ケ大学やハ大学には、親の七光りは通用しない。これは将棋界でも同じだ。彼は見たことろ落ち着きがなかったが、目に力はあった。それらしい雰囲気は持っていた。
私は子供に、せいぜいがんばってくれ、と心の中でエールを送るのだった。
なお新城海岸でシャワーを浴びていた長谷川真弓似の女性は、やはり彼女だった。宮古島は広いが、たまたま同じ場所にいたとは珍しい。
ついでに、同宿の青年にも触れておこう。彼は現在26歳だが、まわりの友達が続々と結婚をしているので、自分も焦っているという。
人間、知らず知らずのうちにヒトの心を傷つけていることがある。先の言葉は、私への強烈な皮肉としか思えない。さらにLPSAの女流棋士である、石橋幸緒女流四段、船戸陽子女流二段、中倉宏美女流二段、大庭美樹女流初段、島井咲緒里女流初段にケンカを売っているとしか思えない。もっといえば、女流棋士会の清水市代女流王将、斎田晴子女流四段などにも…まあいい。

宮古空港には歩いていく。途中、間に合わないかと思ったが、なんとかチェックインすることができた。しかし搭乗待合室は閑散としている。
4つあるテレビモニターのひとつに、NHK杯将棋トーナメントが映っていた。解説は木村一基八段。先日の日レス杯で解説は、少ししか拝聴できなかったが、爆笑モノだった。
いまここでテレビに見入ってしまうと、自宅に戻ってからビデオを再生する楽しみがなくなる。見たいのをグッと堪えて、搭乗する。
注目の乗客数は、やはり少ない。ジェット機だからかなりの人数が乗れるはずだが、20人にも満たない。なのにスッチーは3人もいる。…あれっ? 本田小百合女流二段!? なんで本田女流二段が、スッチーで搭乗しているのだ!? あ、いや、よく見たら別人だった。
座席数は横が3+3の6席。それが約25列あるから、ざっと150人乗りだ。12,400円も出しているだけあって、ずいぶん贅沢な移動である。私の前は、子供が6人、横に並んでいる。
本田女流二段が来て、子供たちの年齢を聞く。それぞれ6歳か7歳とか答えている。
やがて本田女流二段が再びやってきて、記念品の類を渡し、
「ぼくたち、偉いねー」
と子供たちを褒めた。まるで幼稚園の保母さんのようだ。ということは、本物の本田女流二段も、幼稚園の保母さんが似合うということだ。老人ホームの介護ヘルパーもいいかもしれない。とにかく本田女流二段は、誰かを手助けする職業が似合うと思う。そんな彼女が、実際は勝負の世界に生きている。世の中分からないものだ。

飛行機は定刻に石垣空港に到着。いよいよメインの石垣島である。
まずは空港バスで石垣港に向かう。港に着いた。たしか2年前に完成した石垣港ターミナル構内は、冷房が利いて快適だ。…あれっ? 船戸陽子女流二段!? …ああ、別人か。たしか沖縄本島では、上田初美女流二段に似た人を見た。船戸女流二段は八重山系、上田女流二段は沖縄本島系のオキナワ顔である。
私はとりあえず竹富島へ向かう。半日の持ち時間なら、竹富島くらいがちょうどいい。
島へ着くと、乗合バスでコンドイビーチへ向かう。ここは水着のおねーちゃん度が各段に高い。
果てしない遠浅の海、サンゴないからカラダを傷つけない、よってウェットスーツやライフジャケットを装着する必要がない、白い砂、石垣島から近い、バスで行ける、シャワー室がある、更衣室がある、名前が全国的に知れ渡っている…など、女性が水着…ビキニファッションを誇示する条件がそろっているのである。
私も彼女らを鑑賞したいが、この真夏の太陽が照りつけるなか、じーっとしているのは苦痛だ。さりとてこの浅い海では海水浴も長時間楽しめず、私は小1時間ほどで海を上がった。そのあとは集落に近いカキ氷屋でふんわりふわふわの氷ぜんざいを食べて一休み。さらに「なごみの塔」の上って島内を一望し、石垣島へ戻った。
この日の宿は八洲旅館ユースホステル。明日(16日)は、辺銀(ペンギン)食堂で石垣島ラー油を買うぞ…と意気込んでいると、その日の夜、同宿者の男性から意外な情報を聞かされ、私はまたも唖然とすることになった。
コメント (2)
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