一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2つの落とし物

2010-08-17 09:20:54 | 旅行記・沖縄編
というわけで14日(土)は、9時少し前に平良営業所へ向かった。この日は同じ宿に泊まるから荷物も軽くしていいのだが、手提げ袋ひとつにまとめると、泳いでいるときに金品を盗まれるかも分からない。余分な着替えだけを部屋に置き、旅行カバンを肩から提げていった。
9時10分すぎ、平良営業所に着く。同所はバスの発着所であり、事務所も構えているが、それにしては目立たないところにあって、うっかり素通りしてしまうこともある。
さて、海に入るには日焼け止めクリームが必須だ。沖縄の日差しは凄まじいもので、何も対策を施さずに1日太陽の陽を浴びていると、軽いやけど状態になってしまう。中倉宏美女流二段などは肌が白いので、赤く腫れてしまうだろう。まあそれはそれで、妙にセクシーだが…。
とりあえず日焼け止めクリームを出す。いや、出そうとした。しかしカバンの中を探したが、どこにもない。前日にどこかで落としたのだろうか。吉野海岸の浜に忘れてきたのだろうか。人間だもの、忘れ物は仕方ないが、まだ1日しか使っていない。それが誰かに拾われ、使われているのかと思うと不愉快である。
なんだかモヤモヤしたままバスに乗る。長年宮古島を訪れていながら、9時20分発のバスに乗るのは初めてとなる。日焼け止めクリームの紛失も含め、自分の馬鹿さ加減にあらためて呆れてしまう。その時、もしやと思い、カバンの隅にあるポケットの中を見てみた。ああ…クリームがあった…! 落とさないように、いつでも取り出せるようにと、わざわざここに仕舞ったのを、すっかり忘れていたのだ。どんな安物でも、失くし物が出てくると嬉しいものである。
よし、これで水着のおね…サンゴの鑑賞に専念できる、と私は気分を新たにした。
9時20分、バスは平良営業所を出発。9時50分、保良に到着した。すぐさま折り返し、52分、吉野を通過。55分(正確には2分遅れ)で新城バス停に着いた。まさかこんなに早い時間に、このバス停に立てるとは思わなかった。やはり長谷川真弓似の女性の言にしたがって、よかったと思う。
30分近く歩いて、新城海岸に着く。この海岸は、海の家の経営者が建てたものだと思うが、浜の左右に屋根つきの無料休憩所がある。しかし左と右では業者が違う。だから海水浴客の争奪が熾烈だ。なぜおならそのお客に、あとで軽食を摂ってもらうことを期待しているからだ。
人間の心は弱い。無料で休憩所を提供されれば、なにかお返しを、と考える。私なんか自由な一人旅だから、浜の木陰に荷物を置くだけで構わないのだが、日除けの屋根があってベンチがあれば、やはりそちらを選ぶ。けっきょくこの日は、そこの海の家が提供する宮古そば(500円)と、氷いちご(200円)を食べた。
さて肝心の水着のおねーちゃんだが、いやサンゴとサカナだが、サンゴは吉野海岸に劣らず多かった。ただ、沖のやや先にあるのが難点だ。サカナの数は少ない。しかし吉野海岸の観光地化された景色に比べると、まだこちらのほうがのんびり泳げる。
14時ごろにあがって15時00分のバスに乗ることも考えたが、それでは泳ぐ時間が去年までと変わらないので、15時すぎまで泳ぐ。
浜にあがり、囲いのない無料のシャワーを浴びていると、長谷川真弓似の若妻がシャワーを浴びているのが見えた。バカな。彼女がここにいるわけがない。
着替えを済ませてバス停に戻るが、まだ時間があるので、新城公民館の軒先を借り、日除けをする。この貧乏臭さが私流である。
16時30分までもうすぐである。新城バス停へ戻る。この日の朝、営業所でいただいた時刻表を見ると、新城発は「16時40分」となっていた。これは?…あっ、そうだった!! 宮古協栄バスでは平成18年9月にバスダイヤの改正を行っており、そのとき上記の平良行き最終バスが、10分遅くなったのだ。4年前の旧時刻表をいまだにバス停に貼っているバス会社もバス会社だが、それに文句を垂れない地元の人もおおらかだ。これが沖縄人の持ち味といえよう。
さらにこれで氷解した疑問がある。前日の運転手のオジサンは、私のためにバスを遅らせてくれたのではなかった。私の存在など関係なく、ほぼ正確な通過時刻で走っていたのだ。考えてみれば当然で、一旅行者の行動を気遣い、バスの時刻をズラすわけがない。これは私の自意識過剰だった。
前日と同じく下地鮮魚店前で降り、「ブルーメ」に入る。この日は時間を気にしなくていので、アイスコーヒーとブルーベリーケーキのセットをオーダーする。ゆったりした、至福の時間であった。
再びユースに戻り、シャワーを浴びるべくカバンを開けると、バスタオルがないことに気づいた。海岸で着替えることきに腰に巻いた記憶はあるが、そのあとの記憶が飛んでいる。まさかあそこに落としたのだろうか? 道理で帰り道のカバンが軽いと感じたわけだ。
それにしても…あのバスタオルは何度か私と行動を共にした、戦友である。あれを置き忘れてくるとは…。どうしようか。翌日は一番の飛行機で石垣島へ向かうが、午前中に新城海岸を訪れ、海の家の従業員に聞いてきようか。しかしそれだと飛行機会社に電話をして、便変更の手続きをしなければならない。これは搭乗の前日だから可能だと思うが、めんどうだ。それにたかだかバスタオル1枚だけで、そんな行動をするのはどうなんだろう。
どうしようどうしよう、と考えたまま、とりあえずシャワーを浴び、あがってから、再度カバンの中を点検してみた。うん…? ビーチサンダルを入れていた柄物の袋が膨らんでいる。中をのぞくと、バスタオルが丸められてあった。そうだ…バスタオルが湿ったので、袋の中に仕舞ったことを、すっかり忘れていたのだ。
日焼け止めクリームといい、バスタオルといい、なくさないように、カバンの中を湿らせないようにと用心した結果、ひとりで騒いでひとりでホッとする独り相撲を演じてしまったというわけだ。
ともかく、これで翌日の飛行機は変更せずにすんだ。しかし当日の朝、やはり私は飛行機の便を変更するのだったと、後悔することになる。
コメント (2)
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