一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

辺銀食堂で食事をする

2010-08-24 00:59:59 | 旅行記・沖縄編
18日(水)の朝が来た。きょうが泣いても笑っても、沖縄旅行の最終日である。
7時前に起きて、軽い朝食を摂ったあと、三たび辺銀食堂へ向かう。整理券をもらったあと、今度は石垣港ターミナルへ足を伸ばした。実は前夜サトコさんから、石垣港の売店でもペンギンラー油が1,800円で売られている、との情報を得ていたからだ。タイム・イズ・マネー。昼に辺銀食堂へ行って2本目のラー油を買うくらいなら、だいぶ値段は高くなるものの、港でそれを買って、昼の時間を観光に回したほうがいいのでは、というサトコさんのアドバイスであった。
港の売店をさりげなく窺うと、前日に200円で弁当を買った店に、石垣島ラー油が1,800円で売られていた。定価は800円だから、かなり高い。ヒトの足元を見る、とはこのことだ。5、6本置いてあったが、おカネを出しても買いたい人は、買う値段だ。
私も一瞬躊躇したが、買う。石垣島での3日間の夕食は、290円ののり弁当、650円のカツ丼セット、200円の弁当だった。このラー油はその3日分を合計しても、さらに660円高い。自分でも、何をやってるんだろう、と思う。
宿に戻って一休み。この日は9時35分に石垣バスターミナルを発車する川平リゾート線に乗り、川平湾を一瞥。そして昼のバスで戻り、辺銀食堂で昼食を摂るのだ。もちろん「5本目」のラー油を手に入れるためだが、食堂の味も期待大なのはいうまでもない。
清水さんは、私が買った石垣島ラー油を見て、「やっぱりボクも…」と、港まで買いに行った。彼も話題性には勝てなかったようだ。あとで後悔しなければいいがと思う。
「旅の一言ノート」に、書き込みをする。自分でも赤面するような、かなり大胆な内容のものを書いた。私を知る者には、絶対に見せられない文章である。私が宿を離れたあと、サトコさんが返事を書いてくれることになっているが、彼女はそれを読んで、どう思うだろう。大笑いしたあと、ホロッと泣くかもしれない。
サトコさんが、
「もう、この宿でヘルパーになっちゃえば?」
とありがたい申し出をしてくれるが、私は20日(金)に東京で、船戸陽子女流二段と島井咲緒里女流初段に将棋の指導を受けるのだ。宿でのヘルパーは、またの機会とする。
いよいよお別れの時間だ。サトコさんと清水さんに見送られる。宿泊客を見送るのと、見送られるのと、どちらがつらいか。見送られるほうが、はるかにつらい。八洲旅館ユースホステルでの丸3日間は、とても楽しかった。ありがとう。
石垣バスターミナルから、川平へ向かう。10時20分、川平公園前着。いま通ってきた道をちょっと戻り、まずは「川平郵便局」で貯金をする。818円。
とって返して、川平公園を散策。石垣市の職員と思しき男性(2人)が、てっぺんを切られた大木を見ている。
「これは…どうしたんですか」
「『でいご』だよ。害虫、ヒメコバチにやられて、枯れてしまった」
「これ、でいごなんですか」
THE BOOM「島唄」の冒頭に「でいごの花が咲き…」と出てくるが、こんな大きな木だとは思わなかった。ハイビスカスのような、そのへんの庭に咲く草花だと思っていた。
「ヒメコバチはでいごだけ枯らすんだよ」
辺りを見渡すと、木の皮が剥がれ、枯死している大木があっちこっちにある。かなり幹が太く、樹齢もありそうだが、これ全部、害虫にやられたのか!? これは重大な問題ではないのか!? そのうちの1本を見てみる。幹に無数の穴が開いている。害虫がここから入り、木を食らう白アリのように、中を食いつぶしたのだろうか。
ちょっと気が滅入ったまま、川平湾を見渡せる展望台へ行く。ついこの前のテレビ東京系の番組で、どこかの観光地のベスト1に、この川平湾が選ばれていた。きょうは空が曇っているが、それでも見事な景観だ。しかしこの景色は何度も見たし、大した有難味はない。午前中は昼に辺銀食堂へ寄るための時間潰しみたいなもので、こんなことならサトコさんの言うように、1日を観光に回したほうがよかったかもしれないが、自分の決めたことだから後悔はない。
帰りのバスまで時間がある。シャレた土産物屋の中に食堂があったので、そこに入り、八重山そばを注文する。昼食は辺銀食堂で摂る予定だが、東京の人気ラーメン店のように、何十人も並んでいたら、私は食事を諦める。用心のためにも、腹に何か入れておいたほうがよい。
食後、公園に戻る。でいごの1本が、大きく切られていた。中を覗くと、空洞(うろ)になっている。ヒメコバチはここまででいごを食いつぶしたのだ。これではでいごが枯れてしまうわけだ。害虫の恐ろしさを目の当たりにして、私は思わず、唾を飲み込んだ。
先ほどの職員らが、枯れた木を切る順番を検討している。きょう1日で、枯死したでいごをすべて伐採するらしい。樹齢数十年の木を切る職員の気持ちを思うと、こちらもやりきれない。
しかしこの被害は、私が考えているより深刻なようだ。でいごは沖縄県の県花である。県はでいごの保護を最優先に、予算を遣うべきである。
帰りのバスは、川平リゾート線12時05分発・バスターミナル12時50分着と、米原ヤシ林経由の米原キャンプ場線11時30分発・バスターミナル13時10分着がある。米原キャンプ場線のほうが行きと違うルートを通るので楽しいが、バスターミナルに戻るのが20分遅い。
昼の20分は貴重である。私は迷った末、川平リゾート線で、行きと同じルートで帰ることにした。
12時05分発のバスは、女性の運転手だった。この運行は東(あずま)バスだが、だいぶ昔、イチローそっくりの運転手がいた。彼はいまも勤務しているのだろうか。
定刻の12時50分、石垣バスターミナル着。すぐに私は辺銀食堂に向かう。店の前には何人か並んでいて、数えてみると14人いた。壁際にはベンチが置かれ、うちわが数本挿してある。給水機も置かれている。お店の方も、お客に気を遣っているのだ。まあ儲かっているのだから、そのくらいの用意をしてもバチは当たるまい。
待っている人が3人まで減った。しかし私のうしろには誰もつかない。時間は午後1時10分を回った。これなら米原ヤシ林周りのバスを利用してもよかったが、それは結果論であろう。そのうち、私のうしろに4人ついた。そうきてくれないと、私も並んだ甲斐がない。
いよいよ私の番になって、入店。中はカウンターが約10席と、テーブル席のみだった。メニューの最初の頁に「お昼セット」と書かれている。5種類のギョーザやジャージャーメンなどがついて、1,000円。これをオーダーする。
最初は島豆腐が出てきた。これにラー油をかけて食べるらしい。船戸女流二段なら喜んでドバドバかけるところだが、私は少量である。まあ、美味かった。
続いて5種類のギョーザが各1個と、スープが出てきた。ギョーザは皮と中の具がそれぞれ違い、プリプリしていて、いずれも美味だった。
最後はジャージャーメン(小)。これもラー油をかけて食べる。麺にコシがあり、食べ応えがあった。ラー油はそんなにかけなくてもいいと思う。川平公園の食堂で八重山そばを食べたことを少し後悔した。
以上、けっこう品数があったし、これで1,000円なら、まずまずであろう。辺銀食堂の味についてはいろいろ聞いていたが、思ったより美味かった、というのが実感である。
整理券をもらって2階に上がり、本日3本目、都合5本目の石垣島ラー油(これは登録商標である)を手に入れる。絶対にやってることがおかしいと思うが、これも船戸女流二段の喜ぶ顔を見たいがためである。
帰りの飛行機は、株主優待券の関係で、いずれもANAである。石垣発18時05分、18時55分に那覇に着き、そこから20時50分発の東京行き最終便に乗る予定である。
まだ時間がたっぷりあるので、あやぱにモールをぶらぶらする。朝、ユースできょう1日の行程を話すと、それなら荷物を置いて、後で取りに来れば? とサトコさんに提案されたが、それを実行してしまうと、宿を離れ難くなる。感謝の言葉のみを、述べておいた。本当にサトコさんには、お世話になった。
ちょこちょこお土産を買って、石垣空港へ向かう。17時40分ごろ、チェックイン。長いような短いような石垣島での4日間だったが、ついにお別れだ。
機内に入ると、スッチーは3人いた。離陸前、シートベルトやライフジャケット装着の実演をするが、私の近くにいたスッチーが、松坂慶子と樋口可南子、それに深田恭子を足して3で割ったようなモノスゴイ美人で、私は思わず見とれてしまった。あんな美女を目の当たりにすると、経営難とはいえ、やっぱりスッチーは花形職業なんだなと思う。
18時55分、那覇空港着。何しろ待ち時間はたっぷりある。いったんゲートを出て買い物をしたあと、再び荷物検査をして搭乗口付近で待つ。そのとき、予想もしていなかった放送が流れた。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする