一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

ゆんたくの時間

2010-08-21 13:31:15 | 旅行記・沖縄編
姉夫婦といっしょだった妹さんは、斎田晴子女流四段に似ていた。しかし16日(月)のゆんたく(おしゃべり)では、ヘルパーのサトコさんが「大竹しのぶに似ている」と言ったので、ここでは彼女を「シノブさん」と表記する。
そのシノブさん、私が前夜(15日)のゆんたくに参加すると、
「いい声してますねー。声が大きい!! 大きいですねー」
と私の声に感心してくれた。彼女は声に関する仕事をしているそうで、それでヒトの声が気になるらしかった。
私は、頭髪は白髪まじり、ド近眼、鼻炎、耳鳴り持ち、慢性的歯槽膿漏と、顔のパーツに関してはどれも不健康である。唯一まともな「声」を褒められたのは久しぶりで、私はちょっと照れ臭かった。
16日の昼は、シノブさんはユースでゴロゴロ。サトコさんと午後2時すぎまで、ガールズトークをしていたという。ユースに限らず宿の類は午前中にチェックアウトしなければならないが、彼女は連泊中だし、八重山の民宿では、昼間もゴロゴロする例は少なくない。
そうして夜になった。ゆんたくの時間は8時からだが、もうメンツが揃ってしまったので、誰からともなくしゃべりだす。テーブルの上には、泡盛各種と、つまみが載っている。
シノブさんは、ボイストレーナーの仕事をしていた。基本的にフリーランスで、事務所を通じて依頼があれば、全国どこでも飛んでいくという。仕事柄、芸能人の生徒も多く、いろいろウラ話を聞かせていただいた。
「ウラ話」だからここにはあまり書けないが、とか言って書くが、最近のデジタル機器の発達は凄まじいものがあるという。たとえばアイドルが歌を出す。アイドルはルックスが大事で歌唱力は二の次だが、ある程度の売り上げは見込める。しかし肝心の歌が下手ではシャレにならないから、そこをデジタルの力で修正するのだ。その辺のテクニックが私の想像を絶していて、私は「ほお~」「そうですか!」「なるほどなるほど」と、唸るばかりだった。
「SMAPの中でいちばん歌が下手なのは誰なんですか?」
と、かねてから気になっていたことを訊いてみた。するとシノブさんは
「6年前の時点では…」
と答えてくれたのだが、ああ…書けん!! これも「ええっ!?」と、俄かには信じがたい答えとエピソードが出てきて、私はあんぐりした。
サトコさんが、私のしゃべり方や声が誰かに似ているという。自ら目をつぶり、私に、何かしゃべってみて、と言う。私がしゃべると、ややあって、
「ああ、エナツだ!」
「エナツ? 江夏豊ですか? 野球の? ええー、それは言われたことがないなあ。江夏ですか、江夏。う~ん」
「エナツ? エナツじゃない…誰だっけ、ああ違う、エガワだ、エガワ!!」
「ああ、江川卓ね! なるほど。それは私も、自分でしゃべり方が似ていると思ったことはあります」
「ねえ、似てるよねえ!」
サトコさんがシノブさんに同意を求める。彼女も同意した。
「ほら、声の専門家が認めてるのよ! キャー、もう江川卓の声にしか聞こえない!! キャ~ッ!!」
まあ私も、あんな有名人の声に間違われれば、悪い気はしない。それから私は、極力江川卓の話し方をマネするようにした。
そのサトコさん、シノブさんもそうだったが愛知県在住だった。宮古島の長谷川真弓もそうだったが、今年は愛知県民によく出会う。たしか名古屋から石垣までの直行便が飛んでいたはずだが、その影響もあるのだろうか。
中井広恵女流六段の遠い親戚のようなサトコさんは、おカネを貯めては各地を旅行しているという。中でも沖縄が好きなのは、ここでヘルパーをしていることでも分かる。肌はこんがりと小麦色だ。
けっこうな年齢の彼女らは、何の悩みもないようないような、アッケラカンとした表情をしていたが、私生活を聞くといろいろあり、笑いの中にもしんみりした空気が漂った。となれば私も自分のプライバシーを多少は晒さないといけないわけで、まあ…いろいろ話してしまった。
結果的に、女性ふたりに人生相談をするカタチになったが、
「大沢さん、そんなことで悩んでるの? アナタ、それは悩みとはいいません。アナタが鈍感なだけで、それはとっくに解決しています!」
と断言された。女性と男性の心理はこんなに違うものなのか。ある局面を私は厳しい形勢、と見ていたのに対し、解説の女性陣は「大沢必勝」と結論づけたのだ。「助からないと思っていても、助かっている」らしく、私は彼女らのご宣託後も、本当にそうだろうか、と疑心暗鬼を生じたものだった。
とにかくこのときの3人の会話が爆笑モノだったのだが、さすがにそれは書くわけにはいかない。省略する。
戻って、シノブさんの話を続けて聞く。とにかく別世界の話で、意外な話の連続に、私はあんぐりするばかりだ。当たり障りのないところを書けば、黒人歌手の歌がうまいのは、骨格の構造が白人と違うからだという。演歌歌手は総じて歌がうまく、誰の歌でも音を外さず、無難に歌いこなすという。うまい歌を歌うには胸筋を鍛えるのが肝要で、ボイストレーニングの最初は、然るべき場所に筋肉をつけることから始めるという。
…などといろいろ話していると、あっという間に11時をすぎた。LPSA金曜サロンの連中とジョナサンで談笑しているときより、早く時間が過ぎた感じだ。
シノブさんはヨガもやっているので、就寝前に、左右の骨のゆがみを直す体操、骨盤を閉じたり狭めたりする体操をいっしょにした。ボイストレーニングの方法やヨガのミニ教室は、本来なら有料である。それを無料で教示していただけるのが、旅の特典だ。
旅行とは不思議なもので、昼の観光が大したことがなくても、今回のように同宿者との話が楽しければ、その旅は面白かった、という印象が残る。また同じ宿でも、同宿者やヘルパーのメンツによって、その印象もガラリと変わる。
この日は仲本海岸でシュノーケルのゴム輪っかが切れたり、楽しみにしていた喫茶店に寄ることもできずさんざんだったが、ゆんたくの時間ですべてをひっくり返した感じだ。とても楽しい時間を過ごすことができ、その日は気持ちよく就寝した。
コメント (4)
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