きのうのテレビ東京系「モリのアサガオ」に出演した釈由美子の演技はよかった。
(きのうのつづき)
予定より1時間半遅れたが、午後6時の夕食まで、まだ時間はある。パラパラと人も集まってきた。私たちは食堂の一隅をお借りし、任意の席にすわった。
いよいよ将棋合宿の開始。まずは詰将棋トライアルである。8問出題され、それを15分で解く。問題は初級、中級、上級と分かれており、それぞれ3~5手詰、5~7手詰、7~9手詰になっている。私は当然、上級問題を選択した。
用紙が配られ、中井広恵女流六段の号令でスタート。…したのはいいが、まったく解けず、焦った。自分では多少詰将棋に自信があったのだが、こんなに解答能力が錆びついているとは思わなかった。
スタート時、中井女流六段が
「全問解けた方は手を挙げてください」
と言ったが、それどころではない。
何とか1問解くが、ほかの問題は手つかずだ。情けない。終了間際、もう1問の初手が分かった。詰将棋は不思議なもので、初手が分かればあとの数手がスラスラと解けるものがある。この設問がまさにそうだったのだが、ここでタイムアウトになった。悔しいから、初手だけ書いて提出した。
最優秀選手は夕食後に発表されたのだが、結果を先に書くと、優秀な成績で栄冠に輝いたのは、初級クラスに挑戦したHak氏だった。あとで本人から聞いたのだが、Hak氏は朝の通勤電車内で詰将棋を解くことを日課にしているという。これはなかなかできぬことで、電車に乗ると週刊誌の中吊り広告に目がいく私とはエライ違いである。Hak氏、毎日の努力が実を結んだのだ。
詰将棋トライアルに続いては、大局観問題。序、中、終盤の漠然とした局面から、自分ならこんな構想で指す、という手を一手記す。一応正解は用意しているが、これはあくまで局面の見方、考え方の講習なので、正解は複数あるとも云える。
これも15分で8問。一目スジ、という簡単なものから、皆目分からないものまで、さまざまだ。昨年5月にLPSA駒込サロンで行われた「中井塾体験コース」を思い出しながら、私は解いていった。もう少し時間が欲しかったが、自分としては納得のいく手が多く書けたと思う。
正解&解説は夕食後のお楽しみということで、ここからいよいよ実戦である。
私たちは段ボール箱から盤と駒を出す。チェスクロックも用意されている。これらのほとんどは、中井女流六段、植山悦行七段、大野八一雄七段が用意してくださった。お三方には感謝、感謝である。
盤と駒は10セットあった。中井女流六段、植山七段、大野七段が多面指しをすると、指せない人が出てきてしまう。
しかし大矢順正氏は将棋観戦が仕事なので、対局はパス。Hon氏も観戦に回るなどし、ほかに盤駒を持ってきた人もいたので、第1局目はほとんどの人が対局できたようだ。
対戦相手は、棋力別やトーナメント形式などいろいろな案が出たが、基本的には自由対局となった。
私はAkiちゃんとの対戦。中学生ながら本ブログを読んでくれている、賢いお嬢さんだ。
女の子には負けてあげたいが、私は未成年の女性相手でも容赦をしないという悪癖がある。それに、Akiちゃんにはやがて棋力を抜かれる運命にある。いまのうちに叩いておいて、数年後の自慢話にしたい。私はふだんどおり、気を引き締めて臨んだ。
私の後手で対局開始。最近私が後手番で多用しているのが、横歩取らせから☖2八歩~☖4五角だ。これは後手不利の結論が出ていてプロ間では廃れているが、将棋はそんなに懐が狭くない。アマ同士なら後手が勝つケースもあると考えている。それにAkiちゃんはこの定跡を知らないはずで、私はAkiちゃんの応手が楽しみだった。
初手から数手進み、☗3四飛☖2八歩☗同銀☖8八角成☗同銀☖4五角…。
☖2八歩と打ったとき、これが大悪手だと気づいた。Akiちゃんは素直に☗同銀と取ってくれたから事なきを得たが、ここで☗2二角成とされていたら終了だった。そういえば社団戦のときも、☗3四飛のとき☖3八歩と打とうとして、冷や汗をかいたことがある。横歩取りは☗3四飛~☗2二角成と、何かのときの☗9五角(☗1五角)は気を付けなければならない。
本局は練習試合だから待ったは利いただろうが、いいオトナが中学生の女の子に待ったすること自体が恥ずべき行為で、まったくあぶないところだった。
局面に戻るが、二昔は前に流行った将棋なのに、Akiちゃんの指し手にはよどみがない。☖6七成銀・☖8九竜のラインを狙ってAkiちゃんが☗4五角と打ったのが攻防の名角。チェスクロックは使用していたがさして時間も使っておらず、Akiちゃんのセンスの良さにうなった。
ただ数手後の☗6三角成に、私の☖5二金打が弱気。ここは強く☖5二金と上がり、金2枚を残しておくべきだった。
本譜は金を1枚投入してしまったため指し切り模様になり、以下はAkiちゃんに巧妙に受けられて、私は投了を余儀なくされた。
何だか2度負かされた感じだ。あまりおもしろくない感想戦に入るが、驚いたのは、Akiちゃんはこの「古典」定跡を知っていたという。確かに横歩取り☖4五角が収録されている「羽生の頭脳」は文庫化されているし、Akiちゃんにとっては☖4五角も立派な研究対象だったのかもしれない。
時刻は5時15分である。信濃わらび山荘の入浴時間は午後5時から9時まで。途中に夕食時間が入るから、意外に短い。いいタイミングなので、風呂に入ることにした。
小雨が降る中、風呂場へ向かう。中に入ると、湯船は十分広く、洗い場は4人分あった。己の下半身を見ると、キ○タマ袋が縮こまっている。この寒さからキン○マを守るため、皮膚が収縮して厚くなったのだ。いまさらながら、人間の体はよくできていると思う。このカンジ、女性には分かるまい。
十分かけ湯をして湯船に浸かる。しかし外気との温度差が激しいので、お湯が熱く感じる。きっと血圧も上昇しているんだろうな、と思う。こんなところで気を失って溺れ死んだら、本当に探偵小説の世界になってしまう。
私は湯船から出ると、わりと短時間でコトを済ませ、湯ざめしないうちに、再び食堂へ向かった。
(つづく)
(きのうのつづき)
予定より1時間半遅れたが、午後6時の夕食まで、まだ時間はある。パラパラと人も集まってきた。私たちは食堂の一隅をお借りし、任意の席にすわった。
いよいよ将棋合宿の開始。まずは詰将棋トライアルである。8問出題され、それを15分で解く。問題は初級、中級、上級と分かれており、それぞれ3~5手詰、5~7手詰、7~9手詰になっている。私は当然、上級問題を選択した。
用紙が配られ、中井広恵女流六段の号令でスタート。…したのはいいが、まったく解けず、焦った。自分では多少詰将棋に自信があったのだが、こんなに解答能力が錆びついているとは思わなかった。
スタート時、中井女流六段が
「全問解けた方は手を挙げてください」
と言ったが、それどころではない。
何とか1問解くが、ほかの問題は手つかずだ。情けない。終了間際、もう1問の初手が分かった。詰将棋は不思議なもので、初手が分かればあとの数手がスラスラと解けるものがある。この設問がまさにそうだったのだが、ここでタイムアウトになった。悔しいから、初手だけ書いて提出した。
最優秀選手は夕食後に発表されたのだが、結果を先に書くと、優秀な成績で栄冠に輝いたのは、初級クラスに挑戦したHak氏だった。あとで本人から聞いたのだが、Hak氏は朝の通勤電車内で詰将棋を解くことを日課にしているという。これはなかなかできぬことで、電車に乗ると週刊誌の中吊り広告に目がいく私とはエライ違いである。Hak氏、毎日の努力が実を結んだのだ。
詰将棋トライアルに続いては、大局観問題。序、中、終盤の漠然とした局面から、自分ならこんな構想で指す、という手を一手記す。一応正解は用意しているが、これはあくまで局面の見方、考え方の講習なので、正解は複数あるとも云える。
これも15分で8問。一目スジ、という簡単なものから、皆目分からないものまで、さまざまだ。昨年5月にLPSA駒込サロンで行われた「中井塾体験コース」を思い出しながら、私は解いていった。もう少し時間が欲しかったが、自分としては納得のいく手が多く書けたと思う。
正解&解説は夕食後のお楽しみということで、ここからいよいよ実戦である。
私たちは段ボール箱から盤と駒を出す。チェスクロックも用意されている。これらのほとんどは、中井女流六段、植山悦行七段、大野八一雄七段が用意してくださった。お三方には感謝、感謝である。
盤と駒は10セットあった。中井女流六段、植山七段、大野七段が多面指しをすると、指せない人が出てきてしまう。
しかし大矢順正氏は将棋観戦が仕事なので、対局はパス。Hon氏も観戦に回るなどし、ほかに盤駒を持ってきた人もいたので、第1局目はほとんどの人が対局できたようだ。
対戦相手は、棋力別やトーナメント形式などいろいろな案が出たが、基本的には自由対局となった。
私はAkiちゃんとの対戦。中学生ながら本ブログを読んでくれている、賢いお嬢さんだ。
女の子には負けてあげたいが、私は未成年の女性相手でも容赦をしないという悪癖がある。それに、Akiちゃんにはやがて棋力を抜かれる運命にある。いまのうちに叩いておいて、数年後の自慢話にしたい。私はふだんどおり、気を引き締めて臨んだ。
私の後手で対局開始。最近私が後手番で多用しているのが、横歩取らせから☖2八歩~☖4五角だ。これは後手不利の結論が出ていてプロ間では廃れているが、将棋はそんなに懐が狭くない。アマ同士なら後手が勝つケースもあると考えている。それにAkiちゃんはこの定跡を知らないはずで、私はAkiちゃんの応手が楽しみだった。
初手から数手進み、☗3四飛☖2八歩☗同銀☖8八角成☗同銀☖4五角…。
☖2八歩と打ったとき、これが大悪手だと気づいた。Akiちゃんは素直に☗同銀と取ってくれたから事なきを得たが、ここで☗2二角成とされていたら終了だった。そういえば社団戦のときも、☗3四飛のとき☖3八歩と打とうとして、冷や汗をかいたことがある。横歩取りは☗3四飛~☗2二角成と、何かのときの☗9五角(☗1五角)は気を付けなければならない。
本局は練習試合だから待ったは利いただろうが、いいオトナが中学生の女の子に待ったすること自体が恥ずべき行為で、まったくあぶないところだった。
局面に戻るが、二昔は前に流行った将棋なのに、Akiちゃんの指し手にはよどみがない。☖6七成銀・☖8九竜のラインを狙ってAkiちゃんが☗4五角と打ったのが攻防の名角。チェスクロックは使用していたがさして時間も使っておらず、Akiちゃんのセンスの良さにうなった。
ただ数手後の☗6三角成に、私の☖5二金打が弱気。ここは強く☖5二金と上がり、金2枚を残しておくべきだった。
本譜は金を1枚投入してしまったため指し切り模様になり、以下はAkiちゃんに巧妙に受けられて、私は投了を余儀なくされた。
何だか2度負かされた感じだ。あまりおもしろくない感想戦に入るが、驚いたのは、Akiちゃんはこの「古典」定跡を知っていたという。確かに横歩取り☖4五角が収録されている「羽生の頭脳」は文庫化されているし、Akiちゃんにとっては☖4五角も立派な研究対象だったのかもしれない。
時刻は5時15分である。信濃わらび山荘の入浴時間は午後5時から9時まで。途中に夕食時間が入るから、意外に短い。いいタイミングなので、風呂に入ることにした。
小雨が降る中、風呂場へ向かう。中に入ると、湯船は十分広く、洗い場は4人分あった。己の下半身を見ると、キ○タマ袋が縮こまっている。この寒さからキン○マを守るため、皮膚が収縮して厚くなったのだ。いまさらながら、人間の体はよくできていると思う。このカンジ、女性には分かるまい。
十分かけ湯をして湯船に浸かる。しかし外気との温度差が激しいので、お湯が熱く感じる。きっと血圧も上昇しているんだろうな、と思う。こんなところで気を失って溺れ死んだら、本当に探偵小説の世界になってしまう。
私は湯船から出ると、わりと短時間でコトを済ませ、湯ざめしないうちに、再び食堂へ向かった。
(つづく)