8月27日のLPSA金曜サロン、2部は中倉宏美女流二段の担当だった。
1部担当の大庭美夏女流1級との指導対局のあとに、飛び入りの石橋幸緒天河による大盤解説が行われた。教材は竜王戦1組の中原誠十六世名人と三浦弘行八段との一戦。後手三浦八段の三間飛車に、中原十六世名人が☗5七銀左から☗5五歩と仕掛け、全盛時を彷彿とさせる指し回しで快勝した。
中倉女流二段が持参してくれた棋譜で、これは大いに参考になった。
そんな中倉女流二段との指導対局は、奇しくもこの将棋の再現となった。角交換をして☗8八角と据えたときだったか、そばを通った石橋天河が、
「指定局面ですか」
とジョークを飛ばす。実際中倉女流二段との将棋では何局か出てきて、勝ったり負けたりしている。
ここで後手の応手は☖4二金、☖4三金、☖4二銀などがあるが、昭和51年発行の中原十六世名人著「中原の振り飛車退治」(池田書店)や、55年発行の米長邦雄永世棋聖著「米長の将棋2 居飛車対振り飛車・下」(平凡社)では、先手よしの結論になっている。
「羽生の頭脳」(日本将棋連盟)では9筋の突き合いが微妙な変化をもたらしていて、これが入っていると、☖3九角~☖8四角成となったとき☖9五歩からの端攻めがあり、これは後手有望の変化となる。
だから私は9筋の歩は自分から突きたくないのだが、後手から突かれたときが問題だ。☗9六歩と受けると前述の変化があるし、受けないで先攻すると自玉の懐が狭いうえに☖6三歩型なので、何かのときの☖6四角も警戒しなければならない。
本局では☗9六歩と端歩を受けたが、☗8八角以下☖4三金☗4七銀に☖9五歩と来られた。☖8四角成から☖9五歩だと手抜きをされる恐れもあり、それなら先に突き捨ててしまおう、というコロンブスの卵的発想だ。
それで私も手抜きをして☗5六銀と歩を払ったのだが、これは悪かった。
☗5六銀ではふつうに☗9五同歩と取り、☖9七歩なら☗7七角と我慢するべきだった。そういえば同じ中倉女流二段戦で、☗8八角では端攻めがイヤなので、過去に☗7七角と打ったことがあった。2日前のブログでも書いたが、私は昔(といっても1、2年前だが)のほうがキメ細かい読みをしていた。最近は形だけで指していて、全然読みが入っていない。これは危険な兆候である。
では終盤の一場面を掲げる。
上手が☖4七成銀と香を取ったところ。形勢は下手が悪い。ここで私は☗7三歩成と指したが、味消しでよくなかった。☖7三同銀☗7四歩☖同銀☗6四角☖7三香の進行は、上手王を固めさせただけだった。
以下は6手指して投了。感想戦で中倉女流二段は、どこかで☗3一角と打たれるのがイヤだったと述べた。また「研究をぶつけてみました」とも言った。
プロがアマとの指導対局で事前に研究してくるなんてアベコベじゃないか、と苦笑したくなるが、中倉女流二段は中原-三浦戦を私に見せることで、この局面に誘導できるとフンでいたのだろう。
私は残念な結果に終わったが、中倉女流二段の将棋愛が体感できて、満足だった。
1部担当の大庭美夏女流1級との指導対局のあとに、飛び入りの石橋幸緒天河による大盤解説が行われた。教材は竜王戦1組の中原誠十六世名人と三浦弘行八段との一戦。後手三浦八段の三間飛車に、中原十六世名人が☗5七銀左から☗5五歩と仕掛け、全盛時を彷彿とさせる指し回しで快勝した。
中倉女流二段が持参してくれた棋譜で、これは大いに参考になった。
そんな中倉女流二段との指導対局は、奇しくもこの将棋の再現となった。角交換をして☗8八角と据えたときだったか、そばを通った石橋天河が、
「指定局面ですか」
とジョークを飛ばす。実際中倉女流二段との将棋では何局か出てきて、勝ったり負けたりしている。
ここで後手の応手は☖4二金、☖4三金、☖4二銀などがあるが、昭和51年発行の中原十六世名人著「中原の振り飛車退治」(池田書店)や、55年発行の米長邦雄永世棋聖著「米長の将棋2 居飛車対振り飛車・下」(平凡社)では、先手よしの結論になっている。
「羽生の頭脳」(日本将棋連盟)では9筋の突き合いが微妙な変化をもたらしていて、これが入っていると、☖3九角~☖8四角成となったとき☖9五歩からの端攻めがあり、これは後手有望の変化となる。
だから私は9筋の歩は自分から突きたくないのだが、後手から突かれたときが問題だ。☗9六歩と受けると前述の変化があるし、受けないで先攻すると自玉の懐が狭いうえに☖6三歩型なので、何かのときの☖6四角も警戒しなければならない。
本局では☗9六歩と端歩を受けたが、☗8八角以下☖4三金☗4七銀に☖9五歩と来られた。☖8四角成から☖9五歩だと手抜きをされる恐れもあり、それなら先に突き捨ててしまおう、というコロンブスの卵的発想だ。
それで私も手抜きをして☗5六銀と歩を払ったのだが、これは悪かった。
☗5六銀ではふつうに☗9五同歩と取り、☖9七歩なら☗7七角と我慢するべきだった。そういえば同じ中倉女流二段戦で、☗8八角では端攻めがイヤなので、過去に☗7七角と打ったことがあった。2日前のブログでも書いたが、私は昔(といっても1、2年前だが)のほうがキメ細かい読みをしていた。最近は形だけで指していて、全然読みが入っていない。これは危険な兆候である。
では終盤の一場面を掲げる。
上手が☖4七成銀と香を取ったところ。形勢は下手が悪い。ここで私は☗7三歩成と指したが、味消しでよくなかった。☖7三同銀☗7四歩☖同銀☗6四角☖7三香の進行は、上手王を固めさせただけだった。
以下は6手指して投了。感想戦で中倉女流二段は、どこかで☗3一角と打たれるのがイヤだったと述べた。また「研究をぶつけてみました」とも言った。
プロがアマとの指導対局で事前に研究してくるなんてアベコベじゃないか、と苦笑したくなるが、中倉女流二段は中原-三浦戦を私に見せることで、この局面に誘導できるとフンでいたのだろう。
私は残念な結果に終わったが、中倉女流二段の将棋愛が体感できて、満足だった。