12月10日(金)のLPSA芝浦サロンは、前半(午後2時~5時)が中倉彰子女流初段、後半(午後6時~9時)が中倉宏美女流二段の担当だった。芝浦サロンになってから指導女流棋士の2人制は珍しいが、とりあえずはLPSA最強のコンビといえる。
私はこの日の予約は取らなかったのだが、2時15分ごろ入室すると、すでに4面が埋まっていた。奥にもひとり待っている。駒込・金曜サロンではこの時間にこのくらいの人がいるのは当たり前だったが、芝浦では珍しい。彰子女流初段目当てに来た人もいそうで、彰子女流初段の人気の高さを実証する形となった。
手合い係のイケメンスタッフ氏に、「1日無料入場券+指導対局券」を渡す。これはLPSAファンクラブ「Minerva」会員の特典で、今月末まで有効だから、そろそろ使いどころだ。
まずはIt氏とリーグ戦。It氏とは金曜サロンで1局指したことがあるが、休みの曜日が違うのか、ほとんど馴染みがない。
将棋は先手It氏の普通中飛車となった。私は☖5三銀(右銀)から☖7二飛と寄り、7筋の歩を切る。☖7三桂と跳ね、☖8六歩~☖8五歩と継ぎ歩で攻め、ここでは指しやすさを感じた。
しかし☗5五歩に☖同角と取ったのが疑問だったか。手順に☗5六銀~☗4五銀~☗3四銀と進出され、ちょっと気持ちわるい形になった。
桂交換になり、☗3五桂☖3一桂と打ちあい、数手後、私は☖3三歩と打つ。ここでIt氏が☗2三桂成☖同桂☗同銀成☖同玉と切り込み、☗8九飛と回ったのが思い切りのいい手順だった。私の銀得でも、先手の飛車成りが厳しい。
これがあるなら、私は☖3三歩を打つ前に☖8二飛と回っておくべきだった。
本譜は以下もむずかしいところがあったのだが、最後は大差の負け。まったくヘタクソな指し手をやったもので、この敗戦は痛かった。
こんな将棋の感想戦はやる気にならないが、数分つきあう。盤を離れたあともIt氏が話し掛けてくれたが、私は愛想がわるい。とくに負けたあとはそうだ。ここが私の矯正すべき点で、もっと愛想よく話さなければいけない。It氏には不快な思いをさせてしまったと思う。
この日は信濃わらび山荘将棋合宿でいっしょだったKaz氏も来ていて、すでに彰子女流初段との指導対局を終えていた。私との対局を申し込まれたが、私だって彰子女流初段との指導対局を控えている。それをKaz氏に言うと、
「10秒将棋でもいいからやりましょう。私は一公さんと指すために来たんですから」
と、相変らず気持ちのわるい言葉を返してくる。Kaz氏には1勝5敗で、これ以上カモにはされたくない。私は適当に言ってお茶を濁した。
2局目は彰子女流初段との指導対局。と、手合い係の席にすわっていた石橋幸緒天河に、指導対局料を請求される。またスジのわるいジョークだろうと思いきや、私が出した券は、ただの「1日無料入場券」だった。出すときに、うっかり間違えてしまったのだ。
もちろん「指導対局券」付きのものも持っているので、とりあえず交換してもらった。
彰子女流初段との指導対局が終わると、次はHa氏との角落ち戦。「駒落ちの上手は勝率9割」だから、この将棋はもらったつもりでいた。しかしHa氏の強いこと!
この手を指されたらイヤだけど、まあ指してはこないだろう、と高をくくっていると、しっかりその手を指してくる。
最後はHa氏が秒読みに追われ私が辛勝したが、Ha氏は段位以上の実力があると思った。
次はサロン初来場のKo氏と。ネット対局でのレーティングを聞いたらかなりの点数だったので、勝てる気はまったくなかったが、横歩取りの乱戦に引きずり込み、最後は逃げ切ることができた。
相居飛車の将棋、とくに手将棋は考えるところが多く、指していて脳ミソを使っている気分になる。これで勝てれば自信にもなって、一石二鳥だ。
5局目は、いつもニコニコのHon氏と。変態戦法を得意とするHon氏は、本局は平凡な四間飛車。私は山田定跡の☖7五歩早仕掛けを敢行する。しかし角を換わらずに☖8六歩と突いたのがウッカリで、先手から☗2二角成と換わられ、☖2二玉の形にされたのは味がわるかった。
ところがここで先手の指し手も存外むずかしく、将棋の奥深さを改めて知る形となった。
最後は先手玉をうまく詰ませて、私の勝ち。Hon氏は惜しい一局だった。
最終6局目は宏美女流二段と。指導対局の「おかわり」は追加料金がかかるのであまり指したくはないが、後半が宏美女流二段では、指をくわえて見ているわけにはいかない。
席に座ると、右でHa氏が指していた。☗6三銀、と打った直後だったが、これは一目詰まない。実戦もHa氏の惜敗となった。
感想戦。実戦は☗6三角成☖同王☗5五桂☖7三王☗6二飛成☖同王☗6三銀と進んだのだが、☗5五桂では☗5四金(寄)と活用すれば、上手王は詰んでいた。また☗6三銀のところでも別の手を指せば、上手王は詰みと判明した。
…と、こんな符号ばかり書いていては読者に不親切なので、☗6三銀と打つ前の駒の配置を記しておく。
上手・宏美女流二段:1二香、1四歩、2三歩、3四歩、6二王、6四歩、8四歩、9一香、9四歩
下手・Ko氏:2五歩、3六歩、4四金、5五桂、5六玉、6七歩、7五歩 持駒:金、銀、桂2、歩
ここで上手王を詰ませてください。ちょっと長いです。
私も宏美女流二段との対局が終わり、放課後は「サイゼリヤ」へ行く。今回の参加は6人。みな気のおけない連中だ。将棋談議に花が咲くが、どうしても口をついて出るのは、「駒込ジョナサンは良かったね」である。
サイゼリヤも値段は安くてわるくはないが、いかんせんサロンから遠すぎる。店内も騒がしい。したがって将棋談議をするなら、各自の中継点である駒込ジョナサンが最良、ということになる。サロンを休んでジョナサンに7時ごろから入り、思う存分語り合う、という手も十分成立するのだ。
この日も11時に退店。駒込と比べると、1時間早い。参加者の中心人物の最終電車に合わせると、どうしてもその時間になってしまうのだ。
JRは前週に続いてまたも運転トラブルで、今回は京浜東北線が止まっていた。山手線(やまのてせん)車内は、終電間際の客に加え、京浜東北線の客がそっくり流れてきたので、通勤電車なみの混雑となった。
こんな状態が常態化すると、ますます芝浦への足が遠のく。「金曜・駒込ジョナサン」の定期集会を、真剣に考えてしまった。
私はこの日の予約は取らなかったのだが、2時15分ごろ入室すると、すでに4面が埋まっていた。奥にもひとり待っている。駒込・金曜サロンではこの時間にこのくらいの人がいるのは当たり前だったが、芝浦では珍しい。彰子女流初段目当てに来た人もいそうで、彰子女流初段の人気の高さを実証する形となった。
手合い係のイケメンスタッフ氏に、「1日無料入場券+指導対局券」を渡す。これはLPSAファンクラブ「Minerva」会員の特典で、今月末まで有効だから、そろそろ使いどころだ。
まずはIt氏とリーグ戦。It氏とは金曜サロンで1局指したことがあるが、休みの曜日が違うのか、ほとんど馴染みがない。
将棋は先手It氏の普通中飛車となった。私は☖5三銀(右銀)から☖7二飛と寄り、7筋の歩を切る。☖7三桂と跳ね、☖8六歩~☖8五歩と継ぎ歩で攻め、ここでは指しやすさを感じた。
しかし☗5五歩に☖同角と取ったのが疑問だったか。手順に☗5六銀~☗4五銀~☗3四銀と進出され、ちょっと気持ちわるい形になった。
桂交換になり、☗3五桂☖3一桂と打ちあい、数手後、私は☖3三歩と打つ。ここでIt氏が☗2三桂成☖同桂☗同銀成☖同玉と切り込み、☗8九飛と回ったのが思い切りのいい手順だった。私の銀得でも、先手の飛車成りが厳しい。
これがあるなら、私は☖3三歩を打つ前に☖8二飛と回っておくべきだった。
本譜は以下もむずかしいところがあったのだが、最後は大差の負け。まったくヘタクソな指し手をやったもので、この敗戦は痛かった。
こんな将棋の感想戦はやる気にならないが、数分つきあう。盤を離れたあともIt氏が話し掛けてくれたが、私は愛想がわるい。とくに負けたあとはそうだ。ここが私の矯正すべき点で、もっと愛想よく話さなければいけない。It氏には不快な思いをさせてしまったと思う。
この日は信濃わらび山荘将棋合宿でいっしょだったKaz氏も来ていて、すでに彰子女流初段との指導対局を終えていた。私との対局を申し込まれたが、私だって彰子女流初段との指導対局を控えている。それをKaz氏に言うと、
「10秒将棋でもいいからやりましょう。私は一公さんと指すために来たんですから」
と、相変らず気持ちのわるい言葉を返してくる。Kaz氏には1勝5敗で、これ以上カモにはされたくない。私は適当に言ってお茶を濁した。
2局目は彰子女流初段との指導対局。と、手合い係の席にすわっていた石橋幸緒天河に、指導対局料を請求される。またスジのわるいジョークだろうと思いきや、私が出した券は、ただの「1日無料入場券」だった。出すときに、うっかり間違えてしまったのだ。
もちろん「指導対局券」付きのものも持っているので、とりあえず交換してもらった。
彰子女流初段との指導対局が終わると、次はHa氏との角落ち戦。「駒落ちの上手は勝率9割」だから、この将棋はもらったつもりでいた。しかしHa氏の強いこと!
この手を指されたらイヤだけど、まあ指してはこないだろう、と高をくくっていると、しっかりその手を指してくる。
最後はHa氏が秒読みに追われ私が辛勝したが、Ha氏は段位以上の実力があると思った。
次はサロン初来場のKo氏と。ネット対局でのレーティングを聞いたらかなりの点数だったので、勝てる気はまったくなかったが、横歩取りの乱戦に引きずり込み、最後は逃げ切ることができた。
相居飛車の将棋、とくに手将棋は考えるところが多く、指していて脳ミソを使っている気分になる。これで勝てれば自信にもなって、一石二鳥だ。
5局目は、いつもニコニコのHon氏と。変態戦法を得意とするHon氏は、本局は平凡な四間飛車。私は山田定跡の☖7五歩早仕掛けを敢行する。しかし角を換わらずに☖8六歩と突いたのがウッカリで、先手から☗2二角成と換わられ、☖2二玉の形にされたのは味がわるかった。
ところがここで先手の指し手も存外むずかしく、将棋の奥深さを改めて知る形となった。
最後は先手玉をうまく詰ませて、私の勝ち。Hon氏は惜しい一局だった。
最終6局目は宏美女流二段と。指導対局の「おかわり」は追加料金がかかるのであまり指したくはないが、後半が宏美女流二段では、指をくわえて見ているわけにはいかない。
席に座ると、右でHa氏が指していた。☗6三銀、と打った直後だったが、これは一目詰まない。実戦もHa氏の惜敗となった。
感想戦。実戦は☗6三角成☖同王☗5五桂☖7三王☗6二飛成☖同王☗6三銀と進んだのだが、☗5五桂では☗5四金(寄)と活用すれば、上手王は詰んでいた。また☗6三銀のところでも別の手を指せば、上手王は詰みと判明した。
…と、こんな符号ばかり書いていては読者に不親切なので、☗6三銀と打つ前の駒の配置を記しておく。
上手・宏美女流二段:1二香、1四歩、2三歩、3四歩、6二王、6四歩、8四歩、9一香、9四歩
下手・Ko氏:2五歩、3六歩、4四金、5五桂、5六玉、6七歩、7五歩 持駒:金、銀、桂2、歩
ここで上手王を詰ませてください。ちょっと長いです。
私も宏美女流二段との対局が終わり、放課後は「サイゼリヤ」へ行く。今回の参加は6人。みな気のおけない連中だ。将棋談議に花が咲くが、どうしても口をついて出るのは、「駒込ジョナサンは良かったね」である。
サイゼリヤも値段は安くてわるくはないが、いかんせんサロンから遠すぎる。店内も騒がしい。したがって将棋談議をするなら、各自の中継点である駒込ジョナサンが最良、ということになる。サロンを休んでジョナサンに7時ごろから入り、思う存分語り合う、という手も十分成立するのだ。
この日も11時に退店。駒込と比べると、1時間早い。参加者の中心人物の最終電車に合わせると、どうしてもその時間になってしまうのだ。
JRは前週に続いてまたも運転トラブルで、今回は京浜東北線が止まっていた。山手線(やまのてせん)車内は、終電間際の客に加え、京浜東北線の客がそっくり流れてきたので、通勤電車なみの混雑となった。
こんな状態が常態化すると、ますます芝浦への足が遠のく。「金曜・駒込ジョナサン」の定期集会を、真剣に考えてしまった。