28日(火)は、東京・浅草「木馬亭(もくばてい)」へ、「第7回・将棋寄席」を聞きに行った。
私は落語が「嫌いではない」という程度。だからおカネを出してまで聞きには行かないが、この寄席は将棋ペンクラブの会員が出演するので、楽しみにしていた。
開場は午後5時、開演5時25分。昨年は6時開演だったから1時間早い。今年は仕事を40分早く切り上げ、浅草に向かった。自営業の強みである。昨年は徒歩で向かったが、今年はバスを利用した。某女流棋士からいただいた定期券入れを早速使わせていただき、Suica(JR東日本が販売している集積回路カード)でピッとやる。ちょっと嬉しい。
木馬亭は分かりづらいところにあり何度行っても迷うが、今年はたまたま将棋寄席のチラシを持っていたので、路上の案内板と照らし合わせ、ロスなしで着いた。
時に5時3分。昨年は小屋130席が満席、立ち見にパイプ椅子も出るという有様だったので、早めに着けたのは僥倖だった。
木戸銭(2,000円・予約1,800円)を払って小屋に入ると、ほどなくT氏やY氏が木戸をくぐってきた。おふたりには昨年もお会いしている。
開演時間が迫ってきたが、客の入りは七分程度だ。昨年に比べてかなり閑散としていて戸惑うが、いま考えれば、開演時間が1時間早まったことと関係があるのかもしれない。
こうして5時25分、第7回・将棋寄席は開演した。
…と、以下の模様を詳しく書いてもいいのだが、めんどうなので端折る。昨年は湯川博士統括幹事の、「キミ、(「将棋ペン倶楽部」に、このレポートを)書いてよ。2ページ」の一言でレポートを書く羽目になり、妙な緊張感を持って落語を聞いたから、それに比べれば今年は気楽だ。
ここで今回の演者と出し物を、一応記しておこう。
落語『浮世床(うきよどこ)』 あっち亭こっち亭ATK58
落語『平林(ひらばやし)』 湯川一葉(湯川恵子)
創作落語『椎名の手』 木村家べんご志(木村晋介)
落語『時そば』 桂扇生
(仲入り)
上の空似顔絵問答 中倉宏美女流二段、船戸陽子女流二段 バトルロイヤル風間
落語『淀五郎(よどごろう)』 仏家シャベル(湯川博士)
(お囃子・恩田えり)
この中で注目すべきはバトルロイヤル風間氏による似顔絵問答だ。従来は観客のひとり(計3人)に高座に上がってもらい、バトル氏が即興で似顔絵を描く、というものである。しかし今年は趣向を変えて、女流棋士2人が似顔絵対象である。しかもその女流棋士が中倉女流二段、船戸女流二段という、私にとっては願ってもないメンツだ。ご丁寧なことに湯川統括幹事からも、「船戸さんが出ますのでお越しください」と、書状をいただいていた。
だが今回はバトル氏が日頃語っているように、苦手な美人相手である。美人は特徴が掴みにくく、描きづらいらしいのだ。事実バトル氏の筆による将棋寄席のチラシ(第2稿)には中倉・船戸両女流二段の似顔絵が挿入されていたが、船戸女流二段のそれは、お世辞にも似ているとは思えなかった。
しかし今回はモデルがすでに決まっている。本番でバトル氏がどう修正してくるか、そこが見どころでもあった。
桂扇生師匠の名人芸を堪能した後、いよいよバトル氏の出番である。
この日は特別ゲストとして渡辺明竜王も参加した。まずは中倉女流二段の登場である。バトル氏がハーレーの話を振って、それに中倉女流二段が応えるという図式になった。
短時間でできた似顔絵は、まずまず。しかしバトル氏には、不満の残る出来だったろう。ふだんは、オオーッ、と歓声を挙げるくらい、似ているからだ。
続いては船戸女流二段の登場である。中倉女流二段は白系の服だったが、船戸女流二段は全身黒系である。しかもミニスカート。抜群のプロポーションなので、年齢のわりに違和感がない。
話術に長けている船戸女流二段、ふつうにインタビューは受けないだろうなと思ったら案の定で、船戸女流二段がマイクを持つと、バトル氏に質問を投げかけた。
いつもと勝手が違って冷や汗をかくバトル氏。しかしここから先は書くのが憚られる。
結果から書くと、船戸女流二段の「3勝0敗」だった。バトル氏はサラッと似顔絵を描いたものの、「描き直させてください」と、2枚目に取りかかったのだ。
私はバトル氏の似顔絵問答をいままでに3回拝見しているが、こんな展開は初めてである。その2枚目もうまくいかず、何と3枚目に入った。しかしそれも本人は納得がいかず、ついにバトル氏のギブアップとなった。
これはある意味、すごい展開である。即興で似顔絵を描くバトル氏の技術は、世界でも通用すると私は信じている。そのバトル氏に満足いく似顔を描かせなかったのだから、これは船戸女流二段が自慢していいと思う。
渡辺竜王の似顔絵はそっくりだったが、バトル氏は船戸女流二段の件が尾を引いてか、打ちひしがれた様子だった。
8時すぎからは「魚民」で打ち上げ(3,500円)。定員は25人。仲入りのときに挙手して申し込むが、私も何とか定員内に入れたようだ。
魚民に入る途次、船戸女流二段、中倉女流二段に、「やっぱりおふたりは綺麗ですよねえ」と、本当のことを言う。
打ち上げ会場は地下2階で、ワンフロアすべて貸し切りだ。中テーブルが4つに大テーブルが1つだから、25人は余裕で入れる。
ここでは女流棋士と同じテーブルになるのが最上なのだろうが、私は「席運」が悪いので、それはハナから諦めている。適当な中テーブルに、一番手に座った。グラスが5つあるから、それが定員なのだろう。
左にT氏が座る。将棋ペンクラブ交流会の2次会や将棋大会後の飲み会など、不思議とT氏と隣合わせになることが多い。T氏は仲入りのときの抽選会で、湯川統括幹事の著書が当たった。いつもながら強運だ。対して最近の私は、運気が落ちている。
向かいの席はまだ空いている。さて、そこに誰が座ったか。
(つづく)
私は落語が「嫌いではない」という程度。だからおカネを出してまで聞きには行かないが、この寄席は将棋ペンクラブの会員が出演するので、楽しみにしていた。
開場は午後5時、開演5時25分。昨年は6時開演だったから1時間早い。今年は仕事を40分早く切り上げ、浅草に向かった。自営業の強みである。昨年は徒歩で向かったが、今年はバスを利用した。某女流棋士からいただいた定期券入れを早速使わせていただき、Suica(JR東日本が販売している集積回路カード)でピッとやる。ちょっと嬉しい。
木馬亭は分かりづらいところにあり何度行っても迷うが、今年はたまたま将棋寄席のチラシを持っていたので、路上の案内板と照らし合わせ、ロスなしで着いた。
時に5時3分。昨年は小屋130席が満席、立ち見にパイプ椅子も出るという有様だったので、早めに着けたのは僥倖だった。
木戸銭(2,000円・予約1,800円)を払って小屋に入ると、ほどなくT氏やY氏が木戸をくぐってきた。おふたりには昨年もお会いしている。
開演時間が迫ってきたが、客の入りは七分程度だ。昨年に比べてかなり閑散としていて戸惑うが、いま考えれば、開演時間が1時間早まったことと関係があるのかもしれない。
こうして5時25分、第7回・将棋寄席は開演した。
…と、以下の模様を詳しく書いてもいいのだが、めんどうなので端折る。昨年は湯川博士統括幹事の、「キミ、(「将棋ペン倶楽部」に、このレポートを)書いてよ。2ページ」の一言でレポートを書く羽目になり、妙な緊張感を持って落語を聞いたから、それに比べれば今年は気楽だ。
ここで今回の演者と出し物を、一応記しておこう。
落語『浮世床(うきよどこ)』 あっち亭こっち亭ATK58
落語『平林(ひらばやし)』 湯川一葉(湯川恵子)
創作落語『椎名の手』 木村家べんご志(木村晋介)
落語『時そば』 桂扇生
(仲入り)
上の空似顔絵問答 中倉宏美女流二段、船戸陽子女流二段 バトルロイヤル風間
落語『淀五郎(よどごろう)』 仏家シャベル(湯川博士)
(お囃子・恩田えり)
この中で注目すべきはバトルロイヤル風間氏による似顔絵問答だ。従来は観客のひとり(計3人)に高座に上がってもらい、バトル氏が即興で似顔絵を描く、というものである。しかし今年は趣向を変えて、女流棋士2人が似顔絵対象である。しかもその女流棋士が中倉女流二段、船戸女流二段という、私にとっては願ってもないメンツだ。ご丁寧なことに湯川統括幹事からも、「船戸さんが出ますのでお越しください」と、書状をいただいていた。
だが今回はバトル氏が日頃語っているように、苦手な美人相手である。美人は特徴が掴みにくく、描きづらいらしいのだ。事実バトル氏の筆による将棋寄席のチラシ(第2稿)には中倉・船戸両女流二段の似顔絵が挿入されていたが、船戸女流二段のそれは、お世辞にも似ているとは思えなかった。
しかし今回はモデルがすでに決まっている。本番でバトル氏がどう修正してくるか、そこが見どころでもあった。
桂扇生師匠の名人芸を堪能した後、いよいよバトル氏の出番である。
この日は特別ゲストとして渡辺明竜王も参加した。まずは中倉女流二段の登場である。バトル氏がハーレーの話を振って、それに中倉女流二段が応えるという図式になった。
短時間でできた似顔絵は、まずまず。しかしバトル氏には、不満の残る出来だったろう。ふだんは、オオーッ、と歓声を挙げるくらい、似ているからだ。
続いては船戸女流二段の登場である。中倉女流二段は白系の服だったが、船戸女流二段は全身黒系である。しかもミニスカート。抜群のプロポーションなので、年齢のわりに違和感がない。
話術に長けている船戸女流二段、ふつうにインタビューは受けないだろうなと思ったら案の定で、船戸女流二段がマイクを持つと、バトル氏に質問を投げかけた。
いつもと勝手が違って冷や汗をかくバトル氏。しかしここから先は書くのが憚られる。
結果から書くと、船戸女流二段の「3勝0敗」だった。バトル氏はサラッと似顔絵を描いたものの、「描き直させてください」と、2枚目に取りかかったのだ。
私はバトル氏の似顔絵問答をいままでに3回拝見しているが、こんな展開は初めてである。その2枚目もうまくいかず、何と3枚目に入った。しかしそれも本人は納得がいかず、ついにバトル氏のギブアップとなった。
これはある意味、すごい展開である。即興で似顔絵を描くバトル氏の技術は、世界でも通用すると私は信じている。そのバトル氏に満足いく似顔を描かせなかったのだから、これは船戸女流二段が自慢していいと思う。
渡辺竜王の似顔絵はそっくりだったが、バトル氏は船戸女流二段の件が尾を引いてか、打ちひしがれた様子だった。
8時すぎからは「魚民」で打ち上げ(3,500円)。定員は25人。仲入りのときに挙手して申し込むが、私も何とか定員内に入れたようだ。
魚民に入る途次、船戸女流二段、中倉女流二段に、「やっぱりおふたりは綺麗ですよねえ」と、本当のことを言う。
打ち上げ会場は地下2階で、ワンフロアすべて貸し切りだ。中テーブルが4つに大テーブルが1つだから、25人は余裕で入れる。
ここでは女流棋士と同じテーブルになるのが最上なのだろうが、私は「席運」が悪いので、それはハナから諦めている。適当な中テーブルに、一番手に座った。グラスが5つあるから、それが定員なのだろう。
左にT氏が座る。将棋ペンクラブ交流会の2次会や将棋大会後の飲み会など、不思議とT氏と隣合わせになることが多い。T氏は仲入りのときの抽選会で、湯川統括幹事の著書が当たった。いつもながら強運だ。対して最近の私は、運気が落ちている。
向かいの席はまだ空いている。さて、そこに誰が座ったか。
(つづく)