今年も北海道の冬まつりに行くことになった。
とりあえず往復の飛行機だが、まず1月4日にネットから、AIR DO「スペシャル28」を使い、2月13日(月)・08時00分新千歳空港発を押さえた(11,390円)。
問題は往路だが、今年は11日(建国記念の日)が土曜日なので、平日の休みも加えたい。だが休みがもらえるかどうか…。
オヤジに切り出そうかどうか迷っていた1月10日、私は自動車事故を起こし、大変な事態になってしまった。
その騒ぎに乗じたわけではないが、2月10日(金)の休みをもらうことができたので、私はすぐに2月9日(木)のAIR DO・18時50分発を予約した(スペシャル28で10,490円!!)。
復路とどちらかにANAを利用したかったが、株主優待券を使ってもAIR DOのほうが安いんだからしょうがない。もう、大手航空会社とは縁が切れてしまった感じだ。
ともあれチケットを用意すればこっちのもの。いつもならここから旅行日まで毎日ウキウキである。が、今年は先の事故に加え、1月15日にオヤジから会社廃業のお達しがあり、そんな気分は雲散霧消した。楽しい旅行が感傷旅行に化けるとは、何たることか。
しかも、会社がなくなるんならもっと休みをもらってもよかったわけだが、飛行機は早期割引切符で購入したので、便の変更はできない。まあこれも運命と思い、当初の予定通り、この行程で行くことにした。
2月9日(木)、午後5時15分に家を出る。会社勤めになったらこの時間帯に旅行に出ることはできない。自宅務めはメリットデメリットが混在したが、メリットのほうがはるかに多かったと痛感する。
駅前の金券ショップで、浜松町までの往復と、モノレールの往復切符を買う。これで56円の節約になる。
浜松町まで行き、モノレール空港快速に乗り換える。今週は「ミスDJリクエストパレード」をリアルタイムで聴けないので、車内でリクエストメールを出した。日本全国、どこからでもリクエストができるとは、便利な世の中になったものだ。
18時09分、羽田空港第2ビル着。空港のコンビニではおにぎりの100円キャンペーンを実施中。3つ買った。
カウンターで手続きを済ませチェックインすると、修学旅行の団体に出くわした。時折見かける光景である。彼らは熊本行きか、札幌行きか。私も高校の修学旅行は北海道で、甘酸っぱい思い出がいっぱい残った。彼らもいい旅になるようにと願う。
飛行機に搭乗する。スッチーは、リーダー格の女性、藤田綾女流二段をのっぺりさせた女性、ショートボブの美人、そして村井美樹似の美人がいた。
私は一安心してうとうとする。ポン、と肩を叩かれて目を開けると、村井美樹の顔が真近にあり、私は跳び起きた。
「お休みのところすみません」
私は経験がないが、新婚生活はこんな感じなのだろうか。「お足元のお荷物を上へ乗せましょうか」
「ああ、はい」
まだ棚のスペースが空いていたので、私はリュックを載せた。
AIR DOは音楽を聴けるが、イヤホンは個別に借りなければならない。私は借りそびれてしまったが、よく考えたら今回は自分のイヤホンを持ってきていた。何かのついでに、ミスDJを聴くためである。
が、リュックはすでに棚に乗せてしまっている。それにここで使うとAIR DOのそれと混同されそうなので、結局使わないことにした。
飛行機は定刻の20時20分に、新千歳空港に着陸した。
すぐさま快速エアポート205号に乗り換える。車内は適度な混み具合で、私はデッキに立つ。
と、さっきのメールが不達で戻ってきていた。私はもう一度書き直して送信するが、大丈夫だろうか。
21時10分、札幌着。表に出ると、雪はそんなに積もっていなかった。寒さも適度で、東京より暖かいぐらいだ。実は東京の人の大多数が勘違いしているが、北海道も都市部では暖かく、東京とほとんど変わらない。
途中から地下街に下りる。札幌はすすきのまで地下通路で結ばれてから、移動がだいぶラクになった。
再び地上に出ると吉野家があったが、店内はけっこう混んでいる。そういう時は避けるのが私流だ。
札幌市電もまだ営業中。この市電も何年か前に延伸して環状化したが、だいぶ乗客が増えて、電車待ちの人が列を作っていた。こういう光景を見ると、東京都は都電を廃止し過ぎたと思う。観光路線として、主要路線を残しておくべきだった。
今夜の宿は「ニューカプセルホテルリフレ」で、予約済。かなり迷ったが何とか着いて、大風呂で1日の疲れを落とした。
翌10日(金)。今日の行程は、「札幌→(JR)→新十津川→(バス)→深川→(バス)→名寄」である。今まで何回も行ってきたもので、私の代表的な1日である。しかも同じ行程を辿っている人はいそうでいない。つまり私だけがこの楽しみを味わっているわけだ。
まずは札沼線(学園都市線)の乗りつぶしである。札沼線といえば昨年、私が時刻表を見間違えて、終点新十津川行きのダイヤが3本から1本になったと勘違いしたことがあった。
まさに悪夢だったが、その後のダイヤ改正でそれが現実になり、札沼線の新十津川は午前の1本発着だけになってしまったのだ。
従来の行程から何の支障もないのは不幸中の幸いだったが、列車が1日1本って、これはもはや正常のダイヤではない。
それでなくてもJR北海道は不採算路線を廃止したくてウズウズしているのだ。この分では浦臼―新十津川間がいつ廃止になってもおかしくない。鉄道マニアとしても、乗れるうちに乗っておくべきである。
10日は早起きし、まず吉野家に入って牛丼を食らう。
札幌駅に着き、券売機で新十津川までの切符を購入する。1,640円。
入場して、道内時刻表(514円)も購入した。いまや列車時刻はスマホで調べられるが、ダイヤを俯瞰して見る場合に、やはり時刻表は必要である。それに、記念に購入している意味もある。
06時58分の石狩当別行きに乗った。
車内はロングシート。旅行にこの形は適さないが、向かいに美人が座った。ロングシートの恩恵はこんなところにある。
このあたりは高架が続いて、旅情は味わえない。07時38分、石狩当別着。ここで新十津川行きに乗り換える。列車は1両だが平日だから旅行客は少ないと思いきや、けっこういる。この1つ先に北海道医療大学があり、そこの学生が多く乗っているのだろう。
私はまたもデッキに追いやられたが、まさか新十津川まで混むことはあるまいな。昨今の秘境駅ブームと本数削減で、札沼線も脚光を浴びつつある。急造鉄道マニアが湧いてきたら面倒なことになると思った。
北海道医療大学で多くの乗客が降りたが、まだ適度に混んでいる。6つ先の石狩月形でまとまった客が降り、ここで私はやっと、ボックス席に座ることができた。
(つづく)
とりあえず往復の飛行機だが、まず1月4日にネットから、AIR DO「スペシャル28」を使い、2月13日(月)・08時00分新千歳空港発を押さえた(11,390円)。
問題は往路だが、今年は11日(建国記念の日)が土曜日なので、平日の休みも加えたい。だが休みがもらえるかどうか…。
オヤジに切り出そうかどうか迷っていた1月10日、私は自動車事故を起こし、大変な事態になってしまった。
その騒ぎに乗じたわけではないが、2月10日(金)の休みをもらうことができたので、私はすぐに2月9日(木)のAIR DO・18時50分発を予約した(スペシャル28で10,490円!!)。
復路とどちらかにANAを利用したかったが、株主優待券を使ってもAIR DOのほうが安いんだからしょうがない。もう、大手航空会社とは縁が切れてしまった感じだ。
ともあれチケットを用意すればこっちのもの。いつもならここから旅行日まで毎日ウキウキである。が、今年は先の事故に加え、1月15日にオヤジから会社廃業のお達しがあり、そんな気分は雲散霧消した。楽しい旅行が感傷旅行に化けるとは、何たることか。
しかも、会社がなくなるんならもっと休みをもらってもよかったわけだが、飛行機は早期割引切符で購入したので、便の変更はできない。まあこれも運命と思い、当初の予定通り、この行程で行くことにした。
2月9日(木)、午後5時15分に家を出る。会社勤めになったらこの時間帯に旅行に出ることはできない。自宅務めはメリットデメリットが混在したが、メリットのほうがはるかに多かったと痛感する。
駅前の金券ショップで、浜松町までの往復と、モノレールの往復切符を買う。これで56円の節約になる。
浜松町まで行き、モノレール空港快速に乗り換える。今週は「ミスDJリクエストパレード」をリアルタイムで聴けないので、車内でリクエストメールを出した。日本全国、どこからでもリクエストができるとは、便利な世の中になったものだ。
18時09分、羽田空港第2ビル着。空港のコンビニではおにぎりの100円キャンペーンを実施中。3つ買った。
カウンターで手続きを済ませチェックインすると、修学旅行の団体に出くわした。時折見かける光景である。彼らは熊本行きか、札幌行きか。私も高校の修学旅行は北海道で、甘酸っぱい思い出がいっぱい残った。彼らもいい旅になるようにと願う。
飛行機に搭乗する。スッチーは、リーダー格の女性、藤田綾女流二段をのっぺりさせた女性、ショートボブの美人、そして村井美樹似の美人がいた。
私は一安心してうとうとする。ポン、と肩を叩かれて目を開けると、村井美樹の顔が真近にあり、私は跳び起きた。
「お休みのところすみません」
私は経験がないが、新婚生活はこんな感じなのだろうか。「お足元のお荷物を上へ乗せましょうか」
「ああ、はい」
まだ棚のスペースが空いていたので、私はリュックを載せた。
AIR DOは音楽を聴けるが、イヤホンは個別に借りなければならない。私は借りそびれてしまったが、よく考えたら今回は自分のイヤホンを持ってきていた。何かのついでに、ミスDJを聴くためである。
が、リュックはすでに棚に乗せてしまっている。それにここで使うとAIR DOのそれと混同されそうなので、結局使わないことにした。
飛行機は定刻の20時20分に、新千歳空港に着陸した。
すぐさま快速エアポート205号に乗り換える。車内は適度な混み具合で、私はデッキに立つ。
と、さっきのメールが不達で戻ってきていた。私はもう一度書き直して送信するが、大丈夫だろうか。
21時10分、札幌着。表に出ると、雪はそんなに積もっていなかった。寒さも適度で、東京より暖かいぐらいだ。実は東京の人の大多数が勘違いしているが、北海道も都市部では暖かく、東京とほとんど変わらない。
途中から地下街に下りる。札幌はすすきのまで地下通路で結ばれてから、移動がだいぶラクになった。
再び地上に出ると吉野家があったが、店内はけっこう混んでいる。そういう時は避けるのが私流だ。
札幌市電もまだ営業中。この市電も何年か前に延伸して環状化したが、だいぶ乗客が増えて、電車待ちの人が列を作っていた。こういう光景を見ると、東京都は都電を廃止し過ぎたと思う。観光路線として、主要路線を残しておくべきだった。
今夜の宿は「ニューカプセルホテルリフレ」で、予約済。かなり迷ったが何とか着いて、大風呂で1日の疲れを落とした。
翌10日(金)。今日の行程は、「札幌→(JR)→新十津川→(バス)→深川→(バス)→名寄」である。今まで何回も行ってきたもので、私の代表的な1日である。しかも同じ行程を辿っている人はいそうでいない。つまり私だけがこの楽しみを味わっているわけだ。
まずは札沼線(学園都市線)の乗りつぶしである。札沼線といえば昨年、私が時刻表を見間違えて、終点新十津川行きのダイヤが3本から1本になったと勘違いしたことがあった。
まさに悪夢だったが、その後のダイヤ改正でそれが現実になり、札沼線の新十津川は午前の1本発着だけになってしまったのだ。
従来の行程から何の支障もないのは不幸中の幸いだったが、列車が1日1本って、これはもはや正常のダイヤではない。
それでなくてもJR北海道は不採算路線を廃止したくてウズウズしているのだ。この分では浦臼―新十津川間がいつ廃止になってもおかしくない。鉄道マニアとしても、乗れるうちに乗っておくべきである。
10日は早起きし、まず吉野家に入って牛丼を食らう。
札幌駅に着き、券売機で新十津川までの切符を購入する。1,640円。
入場して、道内時刻表(514円)も購入した。いまや列車時刻はスマホで調べられるが、ダイヤを俯瞰して見る場合に、やはり時刻表は必要である。それに、記念に購入している意味もある。
06時58分の石狩当別行きに乗った。
車内はロングシート。旅行にこの形は適さないが、向かいに美人が座った。ロングシートの恩恵はこんなところにある。
このあたりは高架が続いて、旅情は味わえない。07時38分、石狩当別着。ここで新十津川行きに乗り換える。列車は1両だが平日だから旅行客は少ないと思いきや、けっこういる。この1つ先に北海道医療大学があり、そこの学生が多く乗っているのだろう。
私はまたもデッキに追いやられたが、まさか新十津川まで混むことはあるまいな。昨今の秘境駅ブームと本数削減で、札沼線も脚光を浴びつつある。急造鉄道マニアが湧いてきたら面倒なことになると思った。
北海道医療大学で多くの乗客が降りたが、まだ適度に混んでいる。6つ先の石狩月形でまとまった客が降り、ここで私はやっと、ボックス席に座ることができた。
(つづく)