待合室の手前の店舗は休業中。幌加内近辺客の絶対数は少ないので、通期営業は難しいのかもしれない。
待合室には穏やかなBGMが流れていた。ここでの待ち時間も至福だが、今年は若干心が乱れている。
名寄行きのJRバスが来た。先客はおらず、同乗者もおらず、またもや貸し切りである。私はいちばん前の席に座り、ここが特等席だ。
16時16分発。バスからの車窓はもちろん素晴らしい。とくにこの先のエンジン橋周辺の景色は白眉だと思う。
バスは下り坂になり、辺りは暗くなってきた。前方はくすんだ灰色で、私には景色の違いが分からない。運転手の運転テクニックに感心するばかりである。空には綺麗な満月が上がっていた。
夜の帳が下りて、17時59分、私は名寄駅手前の西3条南6丁目で降りた。ここから徒歩5分の南広場で「なよろ雪質日本一フェスティバル」があるからで、この見物も鉄板定跡のひとつである。
会場に入ったが、様子がおかしい。例年、金曜日の初日は国際雪像彫刻大会の表彰式があるのだが、今年は何と雪像が制作中だった。
私はガックリである。旭川冬まつりの氷彫刻大会もそうだが、会期中は出来上がった作品を見たいわけで、地元の人はいいかもしれないが、旅行客は制作過程を見せられてもそれほどおもしろくない。
しかもよく見ると、正面奥に大ステージはあったが、バックの大雪像がない。
これも経費削減だろうか。今はどこも景気が悪いが、このまつりも例外ではないのだろう。
傍らでは食事処が軒を連ねていたが、営業終了をしているところも多い。私はいつも買っている店で、タイ焼き(1ヶ120円)を買う。千円札しかなかったので、気を遣って、あずきとクリームを1つずつ買った。が、食べてみると両方ともクリームだった。
雪像は制作中とはいえ、ほぼ完成しているものもある。一応カメラに収めるのだが、ライトアップはされていないので、いまひとつ気合が入らない。
フライドポテト(200円)を買う。しかしクシャミをしたら、大量に落としてしまった。
やや駆け足になったが、JRの時間が迫っているので、これにて失礼する。道すがら、さっき拾い集めたポテトを食べる。道路は雪だから汚れてないと判断した。これが晩飯の代わりである。
街の温度計を見ると、-6.5度だった。3年前に訪れてカメラを壊した時は-18.1度だったから、はるかに暖かい。もちろん指先は冷たいが、3年前は指先が痛かった。
名寄駅に着く。名寄駅舎は日本を代表する名駅のひとつだが、この宗谷本線だっていつ廃止になるか分からない。とにかく乗れるうちに乗っておくのが吉だ。
待合室の掲示板にはさまざまな広告が貼られている。その中に自衛官募集の広告があり、なぜか壇蜜がモデルをやっていた。
18時58分の宗谷本線に乗る。が、辺りは暗いので、車窓は楽しめない。列車旅は明るいうちに限る。
20時39分、旭川着。旭川は冬まつりの最中で、駅前のアプローチには、各氷像がライトアップされていた。ここの鑑賞は明日になるが、駅前のものだけ鑑賞する。馬、鳥、天使など定番の氷像が並ぶが、力作ぞろいだ。
今夜の宿は駅から徒歩15分のところにある「オスパーコート宮前」(2,900円)。ここは3年前も利用したことがあり、私にしては珍しく、1か月前に予約をしておいた。
なお前回は、「FRIDAY」付録のひし美ゆり子のグラビアポスターを、和室の部屋に大きく拡げて眠ったものだ。
チェックインすると、今回は洋室だった。
このホテルは大浴場がある。ひとっ風呂浴びて部屋に戻り、テレビを点けると「金曜ロードSHOW!・銭形警部」をやっていた。鈴木亮平主演の「ルパン三世」実写版スピンオフである。
旭川では放送されてないのかと思い、よく確認しなかった。55分のロスになってしまった。
今夜はネットカフェではないので、夜更かしをする理由がない。適当な時間に眠った。
翌11日(土・祝)。今日は一日、「旭川冬まつり」を楽しむつもりだ。
よって朝は寝坊できるのだが、チェックアウトの時間もあるし、そうもいかない。8時半ごろに起き、9時過ぎにチェックアウトした。
駅前に戻ると、常盤会場行きの道北バス・無料シャトルバスが出ていた。なければ買物公園通りの氷像群を愛でながらのんびり行くのだが、タイミングよく09時30分のバスがあったので、乗った。
満員のバスはタイム15分で常盤会場に着いた。スタッフからプログラムをいただく。ネットで調べてはいたが、現地で見た方が頭に入る。
今年の大雪像(ステージ)は「夢の動物園」。パッと見、白クマは分かるが、あとがちょっと分からない。もう少し動物の頭数を増やしてもよかったと思う。
ステージでは、女子小学生がダンスパフォーマンスをやっていた。あぁ、冬まつり会場に来たんだな、と思う。
10時からは「書の会『圓』」による「書道パフォーマンス 櫻圓」。巫女さんのような恰好をした書道部員が、大模造紙にしたためる。しかし客席からはその字が見えないのが残念だ。
書き上がった作品を、部員が掲げる。「櫻圓」と書いてあるようだ。たぶん、達筆なのだろう。
その後も彼女らは、次々と墨痕鮮やかに書き上げる。
見事なパフォーマンスだった。
傍らの広場には高所作業用のリフト車が留め置かれ、バスケットに子供たちを乗せて高々と中空に上がっている。
冬マルシェは営業中。私は朝食代わりにかけうどんを食べた。
今日はこのあと12時から、柳ジュンと浅井未歩のスノーステージがある。その間に買物公園に行くことにした。
(つづく)
待合室には穏やかなBGMが流れていた。ここでの待ち時間も至福だが、今年は若干心が乱れている。
名寄行きのJRバスが来た。先客はおらず、同乗者もおらず、またもや貸し切りである。私はいちばん前の席に座り、ここが特等席だ。
16時16分発。バスからの車窓はもちろん素晴らしい。とくにこの先のエンジン橋周辺の景色は白眉だと思う。
バスは下り坂になり、辺りは暗くなってきた。前方はくすんだ灰色で、私には景色の違いが分からない。運転手の運転テクニックに感心するばかりである。空には綺麗な満月が上がっていた。
夜の帳が下りて、17時59分、私は名寄駅手前の西3条南6丁目で降りた。ここから徒歩5分の南広場で「なよろ雪質日本一フェスティバル」があるからで、この見物も鉄板定跡のひとつである。
会場に入ったが、様子がおかしい。例年、金曜日の初日は国際雪像彫刻大会の表彰式があるのだが、今年は何と雪像が制作中だった。
私はガックリである。旭川冬まつりの氷彫刻大会もそうだが、会期中は出来上がった作品を見たいわけで、地元の人はいいかもしれないが、旅行客は制作過程を見せられてもそれほどおもしろくない。
しかもよく見ると、正面奥に大ステージはあったが、バックの大雪像がない。
これも経費削減だろうか。今はどこも景気が悪いが、このまつりも例外ではないのだろう。
傍らでは食事処が軒を連ねていたが、営業終了をしているところも多い。私はいつも買っている店で、タイ焼き(1ヶ120円)を買う。千円札しかなかったので、気を遣って、あずきとクリームを1つずつ買った。が、食べてみると両方ともクリームだった。
雪像は制作中とはいえ、ほぼ完成しているものもある。一応カメラに収めるのだが、ライトアップはされていないので、いまひとつ気合が入らない。
フライドポテト(200円)を買う。しかしクシャミをしたら、大量に落としてしまった。
やや駆け足になったが、JRの時間が迫っているので、これにて失礼する。道すがら、さっき拾い集めたポテトを食べる。道路は雪だから汚れてないと判断した。これが晩飯の代わりである。
街の温度計を見ると、-6.5度だった。3年前に訪れてカメラを壊した時は-18.1度だったから、はるかに暖かい。もちろん指先は冷たいが、3年前は指先が痛かった。
名寄駅に着く。名寄駅舎は日本を代表する名駅のひとつだが、この宗谷本線だっていつ廃止になるか分からない。とにかく乗れるうちに乗っておくのが吉だ。
待合室の掲示板にはさまざまな広告が貼られている。その中に自衛官募集の広告があり、なぜか壇蜜がモデルをやっていた。
18時58分の宗谷本線に乗る。が、辺りは暗いので、車窓は楽しめない。列車旅は明るいうちに限る。
20時39分、旭川着。旭川は冬まつりの最中で、駅前のアプローチには、各氷像がライトアップされていた。ここの鑑賞は明日になるが、駅前のものだけ鑑賞する。馬、鳥、天使など定番の氷像が並ぶが、力作ぞろいだ。
今夜の宿は駅から徒歩15分のところにある「オスパーコート宮前」(2,900円)。ここは3年前も利用したことがあり、私にしては珍しく、1か月前に予約をしておいた。
なお前回は、「FRIDAY」付録のひし美ゆり子のグラビアポスターを、和室の部屋に大きく拡げて眠ったものだ。
チェックインすると、今回は洋室だった。
このホテルは大浴場がある。ひとっ風呂浴びて部屋に戻り、テレビを点けると「金曜ロードSHOW!・銭形警部」をやっていた。鈴木亮平主演の「ルパン三世」実写版スピンオフである。
旭川では放送されてないのかと思い、よく確認しなかった。55分のロスになってしまった。
今夜はネットカフェではないので、夜更かしをする理由がない。適当な時間に眠った。
翌11日(土・祝)。今日は一日、「旭川冬まつり」を楽しむつもりだ。
よって朝は寝坊できるのだが、チェックアウトの時間もあるし、そうもいかない。8時半ごろに起き、9時過ぎにチェックアウトした。
駅前に戻ると、常盤会場行きの道北バス・無料シャトルバスが出ていた。なければ買物公園通りの氷像群を愛でながらのんびり行くのだが、タイミングよく09時30分のバスがあったので、乗った。
満員のバスはタイム15分で常盤会場に着いた。スタッフからプログラムをいただく。ネットで調べてはいたが、現地で見た方が頭に入る。
今年の大雪像(ステージ)は「夢の動物園」。パッと見、白クマは分かるが、あとがちょっと分からない。もう少し動物の頭数を増やしてもよかったと思う。
ステージでは、女子小学生がダンスパフォーマンスをやっていた。あぁ、冬まつり会場に来たんだな、と思う。
10時からは「書の会『圓』」による「書道パフォーマンス 櫻圓」。巫女さんのような恰好をした書道部員が、大模造紙にしたためる。しかし客席からはその字が見えないのが残念だ。
書き上がった作品を、部員が掲げる。「櫻圓」と書いてあるようだ。たぶん、達筆なのだろう。
その後も彼女らは、次々と墨痕鮮やかに書き上げる。
見事なパフォーマンスだった。
傍らの広場には高所作業用のリフト車が留め置かれ、バスケットに子供たちを乗せて高々と中空に上がっている。
冬マルシェは営業中。私は朝食代わりにかけうどんを食べた。
今日はこのあと12時から、柳ジュンと浅井未歩のスノーステージがある。その間に買物公園に行くことにした。
(つづく)