一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

雲霧仁左衛門の悪手

2020-06-09 11:06:37 | 将棋雑記
この6日(土)からNHK総合で、「雲霧仁左衛門4」が始まった。これは2018年9月からNHKBSプレミアムで放送されたもので、地上波初放送である。
BS番組は地上波よりも観る機会がないので、連続ドラマは最初の1~2回を見逃してしまうことがよくある。この新シリーズもそうで、たしか最初の2回は観られなかった。今回は絶好の機会だった。
ビデオ予約録画したものを再生する。最後のところで、雲霧仁左衛門(中井貴一)のライバルである阿部式部(國村隼・銭形警部みたいなもの)が、部下とのミーティングを終え、「雲霧……その先に何を見ている」とつぶやく。
その時、隠れ家にいる雲霧は将棋の研究中。持駒の角を2二に打ち、視線を移す。そこでドラマは終わり、第2話への期待がいやがうえにも高まるのであった。
あれっ? だけど……。
私はビデオを巻き戻してみる。

この▲2二角、△1二玉と引かれて、全然寄らないじゃねぇか!
ここは▲3一角でしょう。以下△1二玉▲2二角成でピッタリ詰む。
研究では雲霧が▲2二角と打ってドヤ顔をしていたが、その意味が分からない。
そもそもこの局面がおかしい。3手詰の詰将棋なわけがないから、その前は▲1三Xだった可能性が考えられる。だがそれは△同竜と取れるのだ。
この映像が放映されるまで、多くのスタッフがこの局面を目にしていたはずだ。その間、誰も異議を申し立てなかったのだろうか。そんなに将棋を知らない人ばかりなのだろうか。

この放送のあと、たまたまビデオ録画していた「大岡越前5」(NHKBSプレミアム)を観た。そこで、雪絵の父・作左ヱ門(寺田農)と、その孫の求次郎(斎藤絢永)が将棋を指すシーンがあるのだが、何と、立派な駒台があった。
徳川吉宗のこの時代、まだ駒台はなかったはずだ。ちなみに、むかし民放の時代劇で、芹沢博文九段が江戸の名人を演じた際は、駒台の代わりに、扇を用いていた。
NHKだったら、このくらいの時代考証はしっかりしてほしかったと思う。
どちらの件も、NHKは甘かった。
コメント (6)
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