フリークラス在籍の川上猛七段は前年度3月11日の時点で「17勝11敗」。順位戦復帰までマジック1となったが、残る2局を連敗し、長蛇を逸した。
かつて熊坂学五段と中尾敏之六段が、同じ状況であと1勝が届かず引退に追い込まれたが、不思議とこの1勝が遠いのだ。
しかし川上七段はチャレンジ期間がまだ3年残っている。順位戦復帰の条件には「年度18勝12敗」(2020年度の場合)のほかに、「いい所取り」がある。一例が「20勝10敗.667」で、現役を継続できる川上七段において、前年度の成績がここで生きてきた。
すなわち、前年度最初の1勝3敗を取り除くと、「16勝10敗」。今後の対局を「4連勝」で、順位戦復帰が決まるのである。
そしてこの1日に、久しぶりに対局がついた。第92期棋聖戦一次予選である。1回戦の相手は渡辺正和五段。
私は将棋連盟の携帯中継に契約していないので本局の進行は分からなかったが、ネット情報では、川上七段が勝ったようだった。あと3連勝である。
棋聖戦一次予選は持ち時間1時間なので、1日に2局行われる。2回戦の相手は高橋道雄九段で、タイトル5期の強豪である。
すぐに対局なので、川上七段はあれこれ考えず対局に臨めてよかったかもしれない。
将棋は相矢倉になり、これは高橋九段の土俵かと思われたが川上七段はよく指し、中盤から強気の指し手を連発、見事勝ち切った。これで「残り2連勝」となった。
ではあらためて、前年度中途からの成績を記しておこう。
■2019年度
6月3日 第32期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦2回戦 ○窪田義行七段
6月27日 第5期叡王戦七段戦予選1回戦 ○大石直嗣七段
6月27日 第5期叡王戦七段戦予選2回戦 ●有森浩三七段
7月1日 第32期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦3回戦 ○竹内雄悟五段
7月か8月 第28期銀河戦予選 ○室岡克彦七段
7月か8月 第28期銀河戦予選 ●野月浩貴八段
8月8日 第32期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦4回戦 ●田村康介七段
8月29日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○勝又清和六段
8月29日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○横山泰明七段
9月26日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選3回戦 ○伊藤真吾五段
10月4日 第68期王座戦一次予選1回戦 ○室岡克彦七段
10月8日 第61期王位戦予選1回戦 ○山本博志四段
10月24日 第68期王座戦一次予選2回戦 ●遠山雄亮六段
10月28日 第61期王位戦予選2回戦 ○田村康介七段
10月31日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選決勝 ●佐々木大地五段
11月25日 第61期王位戦予選3回戦 ○及川拓馬六段
12月25日 第61期王位戦予選4回戦 ●丸山忠久九段
1月7日 第33期竜王戦ランキング戦5組1回戦 ●金井恒太六段
1月17日 第46期棋王戦予選1回戦 ●室岡克彦七段
1月31日 第70期王将戦一次予選1回戦 ○及川拓馬六段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選1回戦 ○中田宏樹八段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選2回戦 ○井出隼平四段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選決勝 ○杉本和陽四段
3月10日 第33期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦1回戦 ○瀬川晶司六段
3月25日 第70期王将戦一次予選2回戦 ●中座真七段
3月30日 第33期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦2回戦 ●窪田義行七段
■2020年度
6月1日 第92期棋聖戦一次予選1回戦 ○渡辺正和五段
6月1日 第92期棋聖戦一次予選2回戦 ○高橋道雄九段
(合計18勝10敗)
そして現在確定中の対局は、
第92期棋聖戦一次予選3回戦 北島忠雄七段
第70回NHK杯将棋トーナメント戦本戦1回戦 増田康宏六段
である。
北島七段は地味だが竜王戦2組の経験がある。また増田六段は若手の実力者だが、どちらも川上七段が勝てない相手ではない。また仮にどちらかに負けたとしても、いい所取り「21勝11敗」「23勝12敗」……の目は残る。だがそこはそれ、もう、2連勝で復帰を決めてしまいたい。
当ブログでは今年度も、川上七段の迷惑にならない程度に、注目して見ていきたい。
かつて熊坂学五段と中尾敏之六段が、同じ状況であと1勝が届かず引退に追い込まれたが、不思議とこの1勝が遠いのだ。
しかし川上七段はチャレンジ期間がまだ3年残っている。順位戦復帰の条件には「年度18勝12敗」(2020年度の場合)のほかに、「いい所取り」がある。一例が「20勝10敗.667」で、現役を継続できる川上七段において、前年度の成績がここで生きてきた。
すなわち、前年度最初の1勝3敗を取り除くと、「16勝10敗」。今後の対局を「4連勝」で、順位戦復帰が決まるのである。
そしてこの1日に、久しぶりに対局がついた。第92期棋聖戦一次予選である。1回戦の相手は渡辺正和五段。
私は将棋連盟の携帯中継に契約していないので本局の進行は分からなかったが、ネット情報では、川上七段が勝ったようだった。あと3連勝である。
棋聖戦一次予選は持ち時間1時間なので、1日に2局行われる。2回戦の相手は高橋道雄九段で、タイトル5期の強豪である。
すぐに対局なので、川上七段はあれこれ考えず対局に臨めてよかったかもしれない。
将棋は相矢倉になり、これは高橋九段の土俵かと思われたが川上七段はよく指し、中盤から強気の指し手を連発、見事勝ち切った。これで「残り2連勝」となった。
ではあらためて、前年度中途からの成績を記しておこう。
■2019年度
6月3日 第32期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦2回戦 ○窪田義行七段
6月27日 第5期叡王戦七段戦予選1回戦 ○大石直嗣七段
6月27日 第5期叡王戦七段戦予選2回戦 ●有森浩三七段
7月1日 第32期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦3回戦 ○竹内雄悟五段
7月か8月 第28期銀河戦予選 ○室岡克彦七段
7月か8月 第28期銀河戦予選 ●野月浩貴八段
8月8日 第32期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦4回戦 ●田村康介七段
8月29日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○勝又清和六段
8月29日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○横山泰明七段
9月26日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選3回戦 ○伊藤真吾五段
10月4日 第68期王座戦一次予選1回戦 ○室岡克彦七段
10月8日 第61期王位戦予選1回戦 ○山本博志四段
10月24日 第68期王座戦一次予選2回戦 ●遠山雄亮六段
10月28日 第61期王位戦予選2回戦 ○田村康介七段
10月31日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選決勝 ●佐々木大地五段
11月25日 第61期王位戦予選3回戦 ○及川拓馬六段
12月25日 第61期王位戦予選4回戦 ●丸山忠久九段
1月7日 第33期竜王戦ランキング戦5組1回戦 ●金井恒太六段
1月17日 第46期棋王戦予選1回戦 ●室岡克彦七段
1月31日 第70期王将戦一次予選1回戦 ○及川拓馬六段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選1回戦 ○中田宏樹八段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選2回戦 ○井出隼平四段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選決勝 ○杉本和陽四段
3月10日 第33期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦1回戦 ○瀬川晶司六段
3月25日 第70期王将戦一次予選2回戦 ●中座真七段
3月30日 第33期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦2回戦 ●窪田義行七段
■2020年度
6月1日 第92期棋聖戦一次予選1回戦 ○渡辺正和五段
6月1日 第92期棋聖戦一次予選2回戦 ○高橋道雄九段
(合計18勝10敗)
そして現在確定中の対局は、
第92期棋聖戦一次予選3回戦 北島忠雄七段
第70回NHK杯将棋トーナメント戦本戦1回戦 増田康宏六段
である。
北島七段は地味だが竜王戦2組の経験がある。また増田六段は若手の実力者だが、どちらも川上七段が勝てない相手ではない。また仮にどちらかに負けたとしても、いい所取り「21勝11敗」「23勝12敗」……の目は残る。だがそこはそれ、もう、2連勝で復帰を決めてしまいたい。
当ブログでは今年度も、川上七段の迷惑にならない程度に、注目して見ていきたい。