一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

川上七段の順位戦復帰の目を考えるSeason2(2)

2020-07-20 00:06:48 | 目を考える
フリークラス脱出を目指す川上猛七段は、2019年度(令和元年度)途中から「18勝10敗」である。順位戦昇級規定のひとつに「30局以上でいい所取りの勝率.650以上」があり、川上七段は「あと2勝」で復帰となる。
17日(金)には第14回朝日杯の一次予選1回戦で、上野裕和六段との対戦があった。上野六段は私が応援する棋士のひとりだが、今回ばかりは川上七段に肩入れせざるを得ない。
本局はABEMAで中継があったが、動画視聴はデータを食うので、序中盤は見なかった。
しばらくして見ると終盤戦で、上野六段が△4八歩成としたところだった。川上七段は▲2二金と打ち込む。後手陣は金銀3枚で守られているが、川上七段の自信の手つきから見て、後手玉は詰んでいると思った。
双方秒読みだが上野六段が慎重に指すのに対し、川上七段は「もう詰んでます」とばかり文字通りノータイムで指す。しかしその手つきは親指と人差し指で駒を持ち、何か焦っている感もあった。
だが、川上七段は綺麗に上野玉を詰ました。これで19勝10敗?
ところがここで問題が生じる。川上七段は19日(日)放送の第70回NHK杯で増田康宏六段と対局する。当然収録済みで、6月下旬前後に対局があったと思われる。
もしここで勝っていれば「20勝10敗」となり順位戦復帰となるのだが、上野六段戦終了後にその雰囲気はなかったし、そもそも日本将棋連盟での携帯中継がなかった。
とすると、NHK杯は負けたんじゃないか?
もしそうなら、順位戦復帰の数字は「21勝11敗」に引き上げられる。すなわち、再びあと2勝が必要となるのだ。
18日(土)に連盟のサイトを見ると、川上七段は朝日杯の2回戦で長岡裕也五段に勝っていた。とりあえずこの勝利は大きい。
そして川上七段の順位戦復帰の報もなかった。これは19日のNHK杯で川上七段が負けたことを意味する。当日放送を見ると、果たして川上七段が負けた。まあそうであろう。
では改めて、20日現在の戦績を確認しておこう。

■2019年度
6月3日 第32期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦2回戦 ○窪田義行七段
6月27日 第5期叡王戦七段戦予選1回戦 ○大石直嗣七段
6月27日 第5期叡王戦七段戦予選2回戦 ●有森浩三七段
7月1日 第32期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦3回戦 ○竹内雄悟五段
7月か8月 第28期銀河戦予選 ○室岡克彦七段
7月か8月 第28期銀河戦予選 ●野月浩貴八段
8月8日 第32期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦4回戦 ●田村康介七段
8月29日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○勝又清和六段
8月29日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○横山泰明七段
9月26日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選3回戦 ○伊藤真吾五段
10月4日 第68期王座戦一次予選1回戦 ○室岡克彦七段
10月8日 第61期王位戦予選1回戦 ○山本博志四段
10月24日 第68期王座戦一次予選2回戦 ●遠山雄亮六段
10月28日 第61期王位戦予選2回戦 ○田村康介七段
10月31日 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選決勝 ●佐々木大地五段
11月25日 第61期王位戦予選3回戦 ○及川拓馬六段
12月25日 第61期王位戦予選4回戦 ●丸山忠久九段
1月7日 第33期竜王戦ランキング戦5組1回戦 ●金井恒太六段
1月17日 第46期棋王戦予選1回戦 ●室岡克彦七段
1月31日 第70期王将戦一次予選1回戦 ○及川拓馬六段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選1回戦 ○中田宏樹八段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選2回戦 ○井出隼平四段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選決勝 ○杉本和陽四段
3月10日 第33期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦1回戦 ○瀬川晶司六段
3月25日 第70期王将戦一次予選2回戦 ●中座真七段
3月30日 第33期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦2回戦 ●窪田義行七段
■2020年度
6月1日 第92期棋聖戦一次予選1回戦 ○渡辺正和五段
6月1日 第92期棋聖戦一次予選2回戦 ○高橋道雄九段
6月or7月 第70回NHK杯トーナメント本戦1回戦 ●増田康宏六段
7月17日 第14回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○上野裕和六段
7月17日 第14回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○長岡裕也五段
(20勝11敗)

しかしなんてことだ。熊坂学五段や中尾敏之六段の時は、残り1年だったから、対局の順番はほとんど関係なかった。
だが今回は、NHK杯がもっと後に組まれていたら、川上七段の順位戦復帰が叶っていたのだ。
まあよい、次の対局で勝てばいいのだ。
現在確定の対局は、

第92期棋聖戦一次予選3回戦 北島忠雄七段
第14回朝日杯将棋オープン戦一次予選3回戦 中村太地七段or青嶋未来六段

である。順番だと次は北島七段戦が有力である。北島七段も私が応援している棋士だが、ここも川上七段を応援するしかない。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする