16日は、第8期叡王戦挑戦者決定戦・永瀬拓矢王座VS菅井竜也八段戦が行われた。
両者の対戦成績は、ここまで永瀬王座の7勝、菅井八段の3勝。叡王戦では4回顔が合い、永瀬王座の3勝、菅井八段の1勝。うち3局は第4期の挑戦者決定三番勝負で、これに2勝1敗で勝った永瀬王座が、高見泰地叡王から4勝0敗で奪取。メモリアルな戦いとなった。
本局は永瀬王座の先手で、菅井八段のゴキゲン中飛車。永瀬王座の超速▲3七銀戦法から、お互い角を打ち合って、先手が歩得、後手が金を駒台に載せるという、見覚えのある戦いになった。最近の棋譜中継は角換わりのあの形ばかりで、いい加減食傷気味だったので、この進行がひどく新鮮かつ懐かしく思えた。
中盤、永瀬八段が飛車取りに香を打ち、逃げたところへ銀打ちの追い打ち。これが素人目に厳しく、アマ同士の戦いなら八割方先手が勝つと思われた。
しかし菅井八段は端攻めを逆用し、逆襲する。攻めるは守るなり。これが存外厳しかったようで、菅井八段も楽しみの多い形となった。そこでよく見ると、後手陣は木村美濃に銀が1枚加わってしっかりしている。というか、もうアマ同士でも、後手が勝つ確率が高いように思われた。
将棋は結局、132手まで菅井八段の勝ち。2018年の王位防衛戦以来、5年振りのタイトル戦登場となった。
いや、永瀬王座には悪いが、今回は菅井八段に出ていただいて、個人的にはうれしかった。なぜなら、居飛車党の誰もが藤井聡太叡王に勝てないいま、タイトル戦で彼に勝てるのは、もはや振り飛車党しかいない、と思うからである。
何しろ振り飛車党は、相手の意思の関係なしに、自分の指したい戦法を指せるのがよい。
むろん藤井叡王も対振り飛車の研究は怠りないだろうが、実戦のそれには敵わない。しかし藤井叡王にはその経験値が少ない。しかも菅井八段は新手の発表が多く、藤井叡王も的を絞り切れないだろう。
むろん藤井叡王も実戦において正着に辿り着くだろうが、相当な時間を使うに違いない。そして時間がなくなれば、藤井叡王でも間違える、というのは先の棋王戦第3局で実証済みだ。
両者の対戦成績は藤井叡王5勝、菅井八段3勝と、菅井八段大健闘である。ことに今期のA級順位戦の将棋は、菅井八段屈指の名局だった。
叡王戦五番勝負は、持ち時間5時間。早見え早指しの菅井八段には十分すぎる持ち時間だろう。
注目の第1局は、4月11日。両者のアツい戦いに期待したい。
両者の対戦成績は、ここまで永瀬王座の7勝、菅井八段の3勝。叡王戦では4回顔が合い、永瀬王座の3勝、菅井八段の1勝。うち3局は第4期の挑戦者決定三番勝負で、これに2勝1敗で勝った永瀬王座が、高見泰地叡王から4勝0敗で奪取。メモリアルな戦いとなった。
本局は永瀬王座の先手で、菅井八段のゴキゲン中飛車。永瀬王座の超速▲3七銀戦法から、お互い角を打ち合って、先手が歩得、後手が金を駒台に載せるという、見覚えのある戦いになった。最近の棋譜中継は角換わりのあの形ばかりで、いい加減食傷気味だったので、この進行がひどく新鮮かつ懐かしく思えた。
中盤、永瀬八段が飛車取りに香を打ち、逃げたところへ銀打ちの追い打ち。これが素人目に厳しく、アマ同士の戦いなら八割方先手が勝つと思われた。
しかし菅井八段は端攻めを逆用し、逆襲する。攻めるは守るなり。これが存外厳しかったようで、菅井八段も楽しみの多い形となった。そこでよく見ると、後手陣は木村美濃に銀が1枚加わってしっかりしている。というか、もうアマ同士でも、後手が勝つ確率が高いように思われた。
将棋は結局、132手まで菅井八段の勝ち。2018年の王位防衛戦以来、5年振りのタイトル戦登場となった。
いや、永瀬王座には悪いが、今回は菅井八段に出ていただいて、個人的にはうれしかった。なぜなら、居飛車党の誰もが藤井聡太叡王に勝てないいま、タイトル戦で彼に勝てるのは、もはや振り飛車党しかいない、と思うからである。
何しろ振り飛車党は、相手の意思の関係なしに、自分の指したい戦法を指せるのがよい。
むろん藤井叡王も対振り飛車の研究は怠りないだろうが、実戦のそれには敵わない。しかし藤井叡王にはその経験値が少ない。しかも菅井八段は新手の発表が多く、藤井叡王も的を絞り切れないだろう。
むろん藤井叡王も実戦において正着に辿り着くだろうが、相当な時間を使うに違いない。そして時間がなくなれば、藤井叡王でも間違える、というのは先の棋王戦第3局で実証済みだ。
両者の対戦成績は藤井叡王5勝、菅井八段3勝と、菅井八段大健闘である。ことに今期のA級順位戦の将棋は、菅井八段屈指の名局だった。
叡王戦五番勝負は、持ち時間5時間。早見え早指しの菅井八段には十分すぎる持ち時間だろう。
注目の第1局は、4月11日。両者のアツい戦いに期待したい。