一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

沖縄旅行延長戦・運命の一日(後編)

2011-08-26 22:27:00 | 旅行記・沖縄編
しかし…と思う。たかだかLPSAの電話番号を調べるために、100円も遣うのは、少し費用対効果がわるくないか? わるいと思う。それに、仮に番号を調べてLPSAに掛けたとしても、もう遅いのだ。ワインサロンの代わりの受講者が、補充されるわけではないからだ。
私が約束をすっぽかすことで、主宰の船戸陽子女流二段は、肩すかしを喰うことになるが、その件は次回のワインサロンで謝ればいい。
いままで節約に節約を重ねて、今回の旅行を続けてきた。ここで最後の節約をしようと思った。私は硬貨を放し、ポケットから手を出した。
空席待ちカウンターに戻る。その頭上の掲示板には、「種別B」の数字が「15」で止まったままだ。
ときに18時40分。18時55分発の第8便の空席待ち番号が呼ばれた。
相変わらず、種別Aが優先的に呼ばれる。これはダメだとその場を離れようとしたが、まだ係の人がごちゃごちゃやっている。私は歩を止める。案内嬢が、マイクを手に取った。
「空席待ち番号のお知らせをいたします。種別Bの15番から18番のお客様――」
や…やった…!! ついに、ついに東京に帰れることになった…!! もう…もう東京には一生帰れないかと思った。ホッとした。心から、ホッとした。
カウンターで、改めてチケットを発券してもらう。振り返ると、例のモデル美人と目が合った。自分が先に脱出してしまい、自分だけが幸せになってしまい、申し訳ない…。
でも私だってきょうは朝早く起きて、それなりの努力をしたから、今回空席を得ることができたのだ。
しかし取り損ねた人は、そうは思わない。私の幸福をねたむ。
ただ、ここにいるみんなとは、朝から空席待ちをしていた、「戦友」でもある。
彼らが、この便を含めたきょうの残り3便に乗って東京・羽田に行けるよう、私は心から祈った。
私は黙って彼女の横をすり抜けた。
私の席は2階席の78H。非常口扉の列だ。なにしろ空席待ちの身だから、席もヘンなところしか残っていない。しかし1階より2階のほうが機内からの眺めがよさそうで、私は2階席は好きである。ここは前の席からの距離があるので、脚も長く伸ばせる。スッチーがこちらを向けて座ってくれるのがちょっと恥ずかしいが、けっこういい席といえた。
大バッグはカウンターへ預けたが、酒類は預けられない。ちょっと離れた前の席の下へ、それらを入れる。旅先で酒を買うと、かようにめんどうである。大量に購入した場合は、割高でも配送したほうがよい。
出発に時間を要したので、定刻より約20分遅れて、ジャンボジェットは離陸した。
2階席の担当スッチーは2人。いや3人だったか。うちひとりは小沢真珠と中越典子を足して2で割ったような美人だ。彼女がスッチーの主任格のようで、ほかのスッチーにあれこれ指示を出していた。ちょっと、堪らない感じである。
無料の飲み物をいただいて、あとは寝るだけなのだが、スッチーの動きが気になって、眠ることができない。
帰りはちょっと優雅に、アイスクリームを買ってみる。いままで節約に節約を重ねてきたのに、こういうところで散財する。スッチーの点を稼ぎたいからだが、やってることがバカみたいだ。
「ハーゲンダッツ・バニラ」300円。高い。ただ、高級アイスは、内地を旅行して特急列車に乗ったときなど、よく食す。ささやかな贅沢である。
しかしいつも思うのだが、このアイスは固い。ピッ!
「あっ!」
アイスのカケラが、宙を飛んだ。
たまたま近くにいた、中越典子似のスッチーも驚いた。
「いま、飛びましたねえ」
とこれは私。
「固いですから」
とスッチー。ちょっと場の空気がなごむ。
続いて、機内販売の商品を買う。これは親戚の子供用だ。また、あのスッチーが相手をしてくれた。
つい、多めに商品を買ってしまう。3点で8,100円。
これで、機内でやることはすべて終えた。音楽を聴く。KARA「GO GO サマー!」が耳に心地よい。ただし、これは行きにも聴いている。事情が許せば、行きと帰りは違う航空会社にしたい。音楽も機内誌も、違うものを楽しめる。
ちなみにこれが陸路なら、行きと帰りは違うルートにしたほうがよい。例えば東京-名古屋を往復するなら、行きは中央本線、帰りは東海道本線という按配だ。これで旅の楽しさに幅が出る。
羽田着定刻21時15分、から数分遅れて、飛行機は羽田空港に到着した。
早速出口に向かうが、荷物を預けているので、まだモノレールに乗るわけにはいかない。
乗客のひとりが、「今回の旅行は、すべてが長い!」と嘆いていたが、そのとおりだと思う。
乗客が預けた荷物が多く、ベルトコンベアーがなかなか回らない。ようやくコンベアーが動き、自分のカバンを見つけた私は、すぐさまモノレールへ向かった。
船戸女流二段からいただいたパスケースに入っているSuicaは、もう残高不足だ。
現金で、「モノレール&山手線内割引きっぷ」を買う。モノレールと山手線内の電車に乗れて500円という、お得な切符だ。
浜松町に着き、京浜東北線に乗り換える。長かった沖縄旅行の、最終ランナーだ。31本目の公共交通機関である。
ようやっと家に着いたときは、午後11時近くになっていた。
旅先から戻ると、同じ家なのに、違う世界に紛れこんだように錯覚する。一夜が明けてから、いつもの日常に戻る感じだ。
ああう…急激に疲れが出てきた。旅は気を張るのだ。もう、すぐにでも眠りたいが、まだやることがある。ブログのコメントチェックだ。私のブログは「変態ブログ」の異名があるが、コメントは良心的なものばかりで、とても元気づけられる。これがブログ執筆の活力源になっているといっても過言ではない。
今回はさらにLPSAのホームページも開き、電話番号を確認する必要があろう。
船戸女流二段の笑顔が脳裏に浮かぶ。きょう、彼女にお土産は渡せなかったが、それはいつでも渡せる。ああ、次はいつ、会えるのだろう。
私は嬉々として、ノートパソコンのフタを開けた。
(完)
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沖縄旅行延長戦・運命の一日(中編)

2011-08-25 17:48:57 | 旅行記・沖縄編
ピピピピピピピ!!
アラームのけたたましい音で目が覚めた。時刻は午前6時。ふだんならまだ夢の中である。心臓がバクバクいっている。左右の手首の血管がパッ、パッ、と活動を始めたのが分かる。なんだか息苦しい。前日の就寝は深夜2時半。明らかな寝不足だ。加えて5日間の疲労も蓄積している。
私の旅行は旅先でのんびり、というものではなく、ほぼ1日中観光だ。沖縄の日光は、浴びているだけでも疲れがたまる。食事だって、必ずしも十分に摂っていなかった。そこへもってきて、民宿まるだい・ご主人逝去と、島井咲緒里女流初段の結婚のニュースだ。これ以上ショッキングなニュースはないと思うが、もしあったときに、我が肉体にどんな変化が起こるのか、想像するだに恐ろしい。
無料の朝食を断って、ゆいレール牧志駅に向かう。またこの駅を利用するとは思わなかった。
今回は1日乗車券・600円を買う。那覇空港駅までは290円だが、きょうの展開次第では、ゆいレールを何度も利用する可能性がある。空港に行って、すぐに東京行きの空席が取れれば、差額の310円を捨てても惜しくはない。ここは先行投資の形を採った。
6時26分、牧志発。16分で那覇空港に着いた。すぐさまANAの空港カウンターに向かい、空席待ちチケットを発券してもらった。私の番号は「種別B・15」だ。15人目は、多い方なのか、少ない方なのか。
出発口ゲートBを通って、空席待ちカウンターに行く。ここで該当者の番号が呼ばれるのだ。きょうのANA東京行きは10本。この10本で私の番号が呼ばれなければ、沖縄本島に再度1泊ということになる。
いただいたチケットには、15時40分発までの飛行機の時間と、カウンターへの集合時間が記されている。番号の放送時刻は、出発の15分前だ。
まだ時間があるので、いったん搭乗口を出て、土産物売り場へ行く。用が済んだら、めんどうでも再び出発口ゲートを通り、再度空席待ちカウンターに行くのだ。
まず、宮古島モンテドールのバナナケーキを手に取る。これは以前、船戸陽子女流二段からリクエストがあったものだ。いまはそんなことはなくなったが、私が旅行に行く時は、船戸女流二段にお土産のリクエストをいただき、その商品を求めたものだった。
ときには入手困難な商品もあったが、船戸女流二段のためにそれを探すことがうれしくて、ちっとも苦にならなかった。
「シーサーしょうぎ」なるものがあったので、これも手に取る。「ルール考案・女流棋士 北尾まどか」とある。「どうぶつしょうぎ」の沖縄版といったところか。これはLPSAへのお土産とする。
親戚あての和菓子も買って、とりあえず清算。私はANAのクレジットカードを持っており、その直営店で買えば一律10%引きだ。
今回もその店で買ったつもりだったのだが、店を間違えてしまい、全然割引が利かなかった。朝が早いので、頭もボケており、こうしたウッカリが出る。
別の店に「White Tiger」を買いに行く。種類は4つで、3年、5年、7年、10年モノがある。当然10年モノがいちばん美味いのだろうが、いきなりこれを買うのは抵抗を覚える。
7年モノを買って、もし評判がよかったら、来年10年モノを買えばよい。私は7年モノを購入した。船戸女流二段のよろこぶ姿が目に浮かぶ。
1本目は8時00分発。いよいよ1回目の放送だ。
種別Bの、1から3まで呼ばれた。まあ、そうであろう。1本目で帰れるとは私も思っていない。
次の便は11時30分発なので、いったん空港を出る。ゆいレールに乗り、県庁北駅で下車。朝の国際通りを歩く。しかし通りは、やっと活動を始めたところだ。
牧志駅の近くまで進むと、郵便局が見えてきた。「牧志郵便局」。1日滞在が延びたので、貯金をすることができた。きょうは8月18日だから、818円の貯金だ。
再び牧志駅を越え、さらに進むと、牛丼と沖縄そばの専門店が見えてきた。6日前に入ったところだ。24時間営業なのがありがたい。ここで牛丼の朝食を摂る。
まだ時間があるので、ネットカフェで時間をつぶす。いろいろな将棋サイトを見たかったが、パソコンの画面が暗くなってきたのと、時間が押してきたので、後ろ髪を引かれつつも、店を出た。
再び空港に戻る。次は11時30分発の第2便だ。種別B・4~13まで呼ばれた。
おおっ!! これはかなり数字を稼いだ。次の飛行機は、12時45分発。これに乗って帰れる!! この東京・羽田着が15時10分。羽田空港から自宅まで1時間だから、きょうの仕事はあらかた終わってしまうが、仕方ない。
私は自宅に電話を入れた。テレホンカードの度数がまたたく間に消えていく。
私はケータイを持たない主義だが、こういうときは、通信料の心配がいらないケータイが重宝だと思う。
第3便・空席待ちの放送があった。ごちゃごちゃあったあと、やっと、という感じで、種別B・14が呼ばれた。これで第3便の空席待ちは終了。惜しい!! う~、こんなことなら、もっと早い時間に空席待ちチケットをもらっておくのだった!! ま、まあいい。これでいよいよ、次の便で帰れることが確定したのだ。
私は昼食を摂るべくゆいレールに乗り、2つ先の小禄(おろく)駅で降りた。
駅の近くにシャレたラーメン屋があったので、入る。空港の食事は高いので、摂らない。
ここはとんこつラーメンと餃子自慢の店だったので、オススメのとんこつ黒ラーメンと、餃子をオーダーする。
「お待ちの間にどうぞ」
とミニミニミニラーメンが供された。一口サイズの冷やし中華だった。こういうサービスはうれしい。
出されたラーメンは、とんこつ臭さがなく、美味。餃子はシューマイの形をしていて、それほどニンニクも利いてなく、食べやすかった。これで計590円はお値打ちだろう。本当に沖縄の食事代は、安くあがる。
女性店員もキビキビ動いて、好感の持てる店だった。
那覇空港にあるANAの売店で、液状唐辛子と、シークワーサー胡椒を買う。辛いもの好きの船戸女流二段へのお土産の追加だ。現在船戸女流二段は、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」の暫定2位に昇格している。1位の室谷由紀ちゃんにお土産を買えないので、船戸女流二段へのお土産が充実するわけだ。
いよいよ第4便、14時35分発空席待ちの発表だ。ここまで来ると、空席待ちカウンターに集まる顔ぶれが分かってきた。ちょっと歳の離れた母娘、本土に遊びに行きそうなおじい、モデルかと見紛うような美人。みな、なにかの都合でチケットを用意できなかった人ばかりだ。
モデル美人には、ちょっと惹かれる。私は長身の女性に弱い。船戸陽子、月見栞、山口恵梨子、道端ジェシカ、篠田麻里子。彼女らはみな、身長170センチはある美人である。
この便の東京着は16時55分。船戸女流二段主宰の「木曜ワインサロン」は19時00分からだから、自宅に帰るより、早めの晩飯を摂って、サロンに直接入ったほうがよい。
その場合、船戸女流二段には私の旅行スタイルを見られてしまうが、それもよい。
案内嬢がマイクを持った。「種別B――」
私だ!!
「11」
はああーーー??
なんで、11に戻るんだよっ!!
この空席待ちは、番号を飛ばされたら、無効となるはずだ。よく分からないが、何かの都合で、11番が後回しにされたのだろう。あとひとりなのに、何をグズグズしてるんだ。
私は焦りを覚えた。
第5便は15時40分発。この便に乗れないと、ワインサロンには間に合わない。
種別A、は呼ばれたが、Bは呼ばれなかった。みんな、ガッカリしてその場を離れていく。この種別Aというのが曲者である。私のようにふつうのANAクレジットカードを所有している人は、種別Bとなる。しかし頻繁に飛行機を利用し、然るべきカードを所有している人は、グレードアップされたクレジットカードとなり、Aとなる。
Aのメリットは数々あるが、空席待ちのとき、BやCよりも優先的に席を用意してもらえるというメリットがある。
私のように朝から待たなくても、席が空けば優先的に乗れるのだから、かなりの優遇だ。この調子でAが呼ばれ続けたら、私はきょう中に東京へ帰れない。
第6便、16時40分発。またも、Bは呼ばれなかった。一体、どうなっているのか。
第7便(臨時便)、17時10分発。前便からたった30分後なのに、これも満席。どこから人が集まってくるのか。
この飛行機は19時30分羽田着。ワインサロンは21時までだから、これに乗らないと、サロンもアウトとなる。いやサロンに間に合っても、ほとんど時間がない。そうなったら、船戸女流二段を飲みに誘っちゃおうか。何しろこちらは「White Tiger」を持っているのだ。さすがの船戸女流二段も、泡盛を目の前にチラつかせられては、首をタテに振らざるを得ないのではなかろうか。
…と、いろいろ妄想したが、種別Bは呼ばれなかった。とにかく全便満席で、空席待ちの乗客が入る隙がないのだ。こんなに沖縄を旅行している人が多かったのか、と思う。
どうせやることもないので、混雑の理由をいくつか考えてみる。

①今年は沖縄の旧盆が12日~14日で本土のそれと重なっており、ウミンチューの沖縄行きが増えた。
②JALが上場廃止したので、株主優待券を発行しているANAに、乗客が集中した。
③東日本大震災で東北旅行を予定していた人が、沖縄行きに振り替えた。
④前の週の台風で沖縄に行けなかった人が、旅程を1週間ズラした。
⑤静かな沖縄人気。

というところか。しかし沖縄の満員を分析したところで、何になろう。
第8便は18時55分発。羽田着は21時15分。これできょうのワインサロンは事実上欠席となった。
ただ、私はワインサロンの常連なので、私が連絡を入れない限り、「サロンは出席」となっている。
私はワインに詳しくないし、酒も飲めないのだが、それでも船戸女流二段主宰のサロンに出席しているのは、少しでも彼女とお近づきになり、あわよくば…という歪んだ下心があるからだ。
よって、もし船戸女流二段が結婚してしまったら、私がワインサロンに参加する意味は雲散霧消する。私は卑屈な男だ。ほかのファンはどうか知らぬが、人妻になった船戸女流二段を前にして平静でいられるなんて、私にはとてもできない。
…と、こんなバカなことを考えるのも、島井女流初段の結婚が相当尾を引いているからだろう。船戸女流二段が結婚するわけないじゃないか。
18時55分発だから、時間に余裕がある。
私は空港を出て、三度ゆいレールに乗った。皮肉だが、もう完全に、1日乗車券のモトは取った。
今度はひとつ先の赤嶺で降りる。BOOK OFFに入って時間をつぶしたあと、通りを挟んだ向かいのスーパーに入り、2リットルのスポーツドリンクを買う。137円。空港を出ると何やかやと買ってしまう。
那覇空港に戻り、またゲートをくぐる。きょう1日で、一体何回、くぐったろうか。
さて船戸女流二段に欠席の連絡を入れなければならない。しかしLPSAの電話番号が分からない。おぼろげな記憶があるのだが、自信がない。もしケータイを持っていたらLPSAの電話番号も記憶させていたに違いなく、ケータイの必要性を改めて感じた。
と、待合室の一隅に、ノートパソコンが置いてあった。10分間100円で、インターネットが使えるというものだ。
これだ! これでLPSAのサイトを検索し、電話番号を調べればよい。また、10分あれば、新着ニュースを確認することも十分可能だ。
私はショートパンツのポケットにある、小銭をまさぐった。
(つづく)
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沖縄旅行延長戦・運命の一日(前編)

2011-08-24 00:34:37 | 旅行記・沖縄編
現在、那覇から東京行きのチケットは、予約すらしていない状況だ。私は案内嬢の指示に従って、まずは東京行きのオープンチケットを購入した。
明朝18日(木)は手荷物検査場を通り、空席待ちカウンターの近くで、空席番号を読み上げられるのを待つことになる。
ひょんなことから沖縄にもう1泊となったが、とりあえず、那覇市内で宿泊だ。
空港を出る前に、空港内にあるワイン専門店で、パイナップルワインを買う。これは中倉宏美女流二段へのお土産だ。
空港から路線バスに乗り、国際通りの入口で降りた。バス代は220円。去年は200円だったから、ゆいレールだけでなく、バス料金も値上げしたことになる。
沖縄で好きな観光地のひとつが、国際通りのぶらぶら歩きだ。何をするわけではないが、土産物屋を覗き、店先で美味い物を食べる。なにより、こうやって琉球の空気を吸うのが楽しい。
土産物屋に入り、泡盛を物色する。船戸陽子女流二段に差し上げたい泡盛は「White Tiger」という名前だったが、店には「請福」やら「瑞泉」やら「おもろ」やら、お馴染みの銘柄ばかりだ。これでは彼女を満足させられない。
牧志のアーケード街に入る。時刻は午後8時近く。どこの土産物屋も呼び込みがあるので、落ち着いて泡盛を見られない。
と、通りの奥に、泡盛専門店があった。店には洋楽が流れており、ちょび髭の主人が番をしている。しかし私が店先に立っても、何の反応もない。
全然商売ッ気がなく、私はこの店が気に入った。
中で泡盛を物色するが、わずかにほかの店より、値段が安いようにも思える。しかし「White Tiger」はない。シャレた形のシークワーサーリキュールが売られていたので、それを買うことにする。これは船戸女流二段以外の女流棋士に差し上げるものだ。
店の主人は素っ気なかったが、おつりと一緒に、アメ玉を2コくれた。なかなかやるぞ、と思った。このアメ玉だけで、私はこの店に好印象を持つし、次にこの近くに来た時、またここで泡盛を買おうと思うではないか。通りの奥に構えているので、こうした地道な努力が必要なのだ。
ともあれ、やはり私の選択眼は確かだった、とひとりほくそ笑んで、私は店を出た。
しばし歩くと、「つけめん大王」が見えてきた。ここは歳を召した夫婦と、そこの息子さんが経営している中華料理店だ。息子さんは私と同じくらいの歳だが、まだ独り者だ。どちらが先に結婚するか、勝手に競争しているのだが、今年はどうか。
中年の女性が3人入るところで、私もあとに続く。彼女らは台湾人だったようだ。去年も台湾人のグループが店にいたが、やはり沖縄に来ても、中華料理を食べてしまうのだろうか。
息子さんは、まだ独りだったようである。今年もドローだったが、来年は分からない。もっとも、私のほうは結婚の「け」の字もないが。
ここでいつも頼むのはチャーハン。本土と違ってビチャビチャしているのだが、野菜がいっぱい入っていて、1回食べるとクセになる美味しさだ。
ゆいレール牧志駅を過ぎる。ここまで来ると土産物屋はない。安里川のほとりに、新築のマンションができている。その3階までは商業施設で、全体営業は9月からながら、商店は先行開業していた。
1階にあるのはシャレた喫茶店だ。「Café Tartes」という、タルトとコーヒーの専門店である。どうも若い女性の御用達の気がするが、今回の旅行では、まだ「ケーキセット」を食べていない。
ちょっと逡巡したが、入る。「赤いベリータルト」390円に、セットのドリンクが300円。タルトは美味、アイスコーヒーはシャレたグラスに入っていて、とても沖縄にいるとは思えぬ、優雅なひとときを楽しむことができた。
さらに進んで、本日の宿泊場所、「カプセルイン沖縄」に旅装を解く。早い話、12日と同じ宿?だ。
明日の朝は早い。少しでも早く寝て、空席待ちチケットを貰わなければいけないのだが、ネットで調べなければならない情報が山ほどある。ついでにブログも書かなければならない。寝ているヒマはないのだ。
インターネットコーナーへ行く。往生際がわるいと思いながら、島井咲緒里女流初段の結婚の真偽を再度確かめる。やはりこの事実は覆しようがなかった。
島井ちゃんは結婚したんだと自分に言い聞かせ、大風呂に入った。
まさかとは思うが、船戸女流二段はどうなのだろう。あれは6月だったか、船戸女流二段が、
「私が結婚したらどうする?」
と私にいたずらっぽく聞いたことがある。
そのときは
「どうぞどうぞ。私は何ともありませんから」
と強がったが、そのあと彼女が
「私も37だし…」
とつぶやいたのが、妙に気になった。
船戸女流二段には、昨年のクリスマスイブで、ツーショットでの飲み会を断られて以来、どうも関係がギクシャクしている。少なくとも、船戸女流二段の心からの笑顔を見た記憶がない。
今回のお土産で、以前のようにフランクに話せたらと思う。そのためにも、「White Tiger」の購入は欠かせない。お土産攻勢で関心を惹かせる、というのは志が低いが、悲しいかな、私にはほかの手段が思いつかないのだ。
18日は船戸女流二段主催の「木曜ワインサロン」がある。何としても明るいうちに帰京して、彼女にお土産を渡さなければならない。
結局午前2時半までバタバタし、就寝となった。
(つづく)
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まさかの結末

2011-08-23 00:24:37 | 旅行記・沖縄編
島井咲緒里女流初段が横山泰明五段と付き合っている、と聞いたことはある。しかしその後ふたりは別れたとも聞いて、島井女流初段は現在フリーだと思っていた。では今回、ふたりのヨリは戻っていたということなのか。男女の仲は本当に分からない。
今回の結婚が分かっていれば、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」の1位に彼女を選ぶこともなかった。これじゃあ発表した私がバカみたいではないか。思えば7月の社団戦の打ち上げの席で、私は石橋幸緒女流四段から、「ファンランキングで島井さんを1位に上げるのはやめたほうがいい」と釘を刺されていた。あれはこのことを指していたのだ。
いやしかし、参ったなあ…。前日は民宿まるだい・ご主人の逝去を知り、きょうは応援している女流棋士の結婚を知る。なんだか、頭がおかしくなりそうだった。
「私をファンランキングの3位に落としたからよ」
という船戸陽子女流二段の声が聞こえる。やっぱり、彼女を1位にして応援する運命なのか…。そうだ…やっぱりオレには、船戸陽子しかいないんだ。
あれから3日しか経っていないが、早くもランキング順位が変動した。
しかしちょっともう、心身ともに疲れた。
続いてANAのサイトを見る。きょうの那覇→羽田行きのキャンセル待ちを確認するためだ。しかし席は空いておらず、さらに翌18日の席も、終日予約不可になっていた。これは…きょう中に家に帰れるのだろうか。
なんだかいろいろあるが、私は気持ちを新たにして、黒島行きの高速船・サザンクロス5号に乗り込んだ。
黒島へは25分で着く。つまり13時25分着。
港の反対にある仲本海岸へ、以前は乗合バスが出ていたが、昨年夏の時点では廃止されていた。海岸近くに民宿が固まっており、宿泊者は宿のクルマが無料送迎してくれるし、島内はレンタサイクルで回るほうが便利、ということもある。レンタサイクルは人手もいらない。島の営業から乗合バスが消えたのもやむを得なかった。
私は自転車を借りた。1時間200円は私にとって高い金額で、本来なら徒歩で海岸まで行きたいところ。しかし時間がない。
ママチャリで海岸まで向かう。その途中に「パームツリー」という軽食喫茶がある。海から出たあと、ここでケーキセットを食べるのが定跡なのだが、とにかく今年は時間がない。2日前、竹富島観光を先にしたことが、いまさらながら悔やまれた。
約15分で仲本海岸に着く。ここの海も浜から近いところにサンゴが群生している。魚もいっぱい泳いでおり、八重山諸島では私が最も好きな海だ。
早速海に飛び込む。帰りの高速船は16時00分だから、正味2時間ちょっとしか滞在時間がない。どこかの会長ではないが、とにかく忙しい。
男性的なサンゴ礁のまわりで、大小さまざまの魚が泳いでいる。種類の豊富さでは、宮古島の吉野海岸や新庄海岸に負けていない。海も真っ青で綺麗だ。沖縄の海は世界一だ。
ところで仲本海岸では数年前、泳いでいる魚に右足の中指の爪を食いちぎられたことがある。履いていたビーチサンダルは飛ばされ、剥がれた爪の痕からは、血が吹き出てきた。それから私は、ビーサンは指を覆うものを履いている。
うわっ! でっけー魚!! いまは魚にもすっかり慣れて、よほどのことでは驚かなくなったが、それでも巨大な魚を目にして、マスク越しに声が出てしまうことがある。
どんなに魚が大きくても私の方が強いのだが、なぜか逃げ腰になってしまう。あの魚の目が恐い。
海は干潮にはなっておらず、まだ泳ぎやすいが、そろそろ上がる時間である。楽しい時間は本当に早い。
これで黒島を去るが、本当は1泊して、夜は真っ暗な島内をぶらぶら歩きたい。これが離島の必勝定跡である。離島は、夜も楽しいのだ。
港の近くで自転車を返し、16時の高速船で港へ戻った。
ユーグレナモールへ向かう。島井女流初段が結婚(入籍)してしまったことで、島井女流初段へのお土産を買う意欲が失せた。島井女流初段にはわるいが、リラックマはミニぬいぐるみのみで勘弁していただく。あとは旦那様に買ってもらうがよい。
あとは船戸女流二段のお土産か。船戸女流二段には買っていきたい泡盛がある。行きの那覇空港内に、しゃれたデザインの泡盛が売られていた。「復刻版泡盛」と銘打っていたから、銘酒なのだろう。15日にユーグレナモールを散策したときも探したのだが、見つからなかった。最悪、那覇空港で買えばいいのだが、どんなハプニングが起こるかも分からない。これは買えるところで買っておいたほうがよい。
しかしなんだか、買いたいお土産がない。小1時間ほどモール内をぷらぷらしたが、親戚とAyakoさんにTシャツを買ったのみ。私はそのまま空港連絡バスに乗って、石垣空港に向かった。
17時38分、空港着。那覇行きの乗客は多かった。今回の旅行で感じたのは、どこへ行っても人が多かったということだ。中には空いている観光地もあったが、ほとんどの地で人の多さに圧倒された。
チェックインを済ませ、18時30分、石垣発。19時20分、那覇着。ここからANAの発券カウンターに向かう。チケット購入の可否を聞くためだ。
案内嬢の回答は、17日から18日いっぱいまで、チケット購入はもちろん、予約も不可、とのことだった。全便満席で、席が空く可能性はほとんどないという。19日ぶんの予約は受け付けるから、それをどうぞという雰囲気だった。
いや驚いた。那覇からの帰りは、いつもこんなに混んでいたろうか。もちろん夏休みということはあろうが、こうまでひどくなかった気がする。
むろん昨年までは帰りの予約も取れたわけだが、けっこう間際になっても席が取れた気がする。
いま案内嬢に説明されて、要領のいい人なら帰りを諦め、18日は1日沖縄を観光するのだろうが、こんな私でも翌日からは仕事が待っているのだ。絶対きょう中に、帰らなければならない。
実際、まだ東京行きのANAは2本残っている。当日ぶん有効の、空席待ちの予約もできないのだろうか。
私は案内嬢に食い下がる。しかし彼女は
「現在67名の空席待ちの方がいらっしゃいます」
といった。残り2本で67名…!! これはさすがにダメである。きょう17日、私の乗るべき席はない。
この瞬間、まさかの沖縄滞在延長が決定した。
(つづく)
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暗転

2011-08-22 18:31:55 | 旅行記・沖縄編
夕食後は、同宿のご家族と青年氏とでくつろいだ。門を入ったところにあるサンゴの石垣が、「瑠璃の島」の撮影のために作ったレプリカであることを説明すると、みんなは興味津々で、その「セット」を見た。
その裏側、つまり庭に置かれてあるテーブルセットにみんなが座って、ゆんたく。宿泊のご家族の構成は、ご両親に高校1年の娘さん。まるだいには昨年泊まり、島の美しさとおじちゃんの人柄に惚れ、今年も鳩間島に来るのを楽しみにしていたという。
もうひとりの青年氏は阿久津主税七段に似た雰囲気の美男子で、カメラマンを生業としていた。昔某所でカメラマンと同宿したことがあり、そのときに写真をうまく撮る方法を聞いたが、教えてくれなかった。棋士と同宿して、将棋に強くなる方法を教えてくれ、と聞いても、無料では教えてくれないだろう。
だから私も、今回は撮影の上達法は聞かなかった。
ご家族はなかなかアクティブで、ここに来る前、西表島でカヌーを楽しんだという。これは家族やカップルだから出来ることで、ひとり旅でカヌーは乗りづらい。ひとりでキャッキャッ騒いでも虚しいだけだからだ。
奥さんは気さくで、ケラケラとよく笑うひとだった。青森県にある酸ヶ湯温泉に家族で入ったときのこと。酸ヶ湯は混浴なのだが、ふつう混浴といえば、中で湯船が別れていることが多い。
ところが酸ヶ湯は、入口こそ男女別々だったものの、湯船は文字どおりいっしょだったらしい。
四角の湯船の上がりぶちには男性客がズラッと座っていた。ギラギラした視線を感じ、奥さんと娘さんは引いてしまったという。
「この中を湯船に入っていくの…?」
ふたりの困惑も知らず、反対側では旦那さんが、
「おーい、こっちこっち」
とノーテンキに手を振っている。
湯船の向こう側が客席、こちら側がステージ。まるでストリップショーのごとくだったが、奥さんは逃げ出したかったが、温泉は白濁として、いかにも体によさそうだ。
と、左側の一角に女性客が入っている場所があり、そこに奥さんはおずおずと入っていったのだという。
「もーう、イヤだったわよオ」
と奥さんはいう。娘さんも、
「男の人、キライって思いました」
と心情を吐露した。それを私たちは、ケラケラ笑って聞いていた。
午後10時すぎ、集落を散歩する。きょうは満月で、月明かりが綺麗だ。一般的に、沖縄の夏は暑いというイメージがあり、それは正しいが、東京に比べれば暑さがストレートなだけに、却ってラクだ。夜になるとそれは顕著で、涼しい風が吹いて、東京より過ごし易い。
鳩間の港に寝転んで、空を見上げる。これが天然のプラネタリウムだ。ぼーっとしていると、イヤでも自分の半生、これからの人生を考えてしまう。そして、過去の自分に嫌気がさし、未来の自分にも自信が持てなくて、絶望的な気分に陥る。オレはこんなことをしていていいのか。もっと変わらなければいけないんじゃないのか。こうやって刹那的に生きていたら、将来必ず、そのツケが回ってくる。私は自分に言い聞かせる。
それを承知しながら、是正しようとしない。努力しない。結局私はダメ人間なのだ。人間のクズなんだ、と自嘲する。
民宿まるだいでは就寝時、戸を閉めない。蚊取り線香をたき、扇風機を回しっ放しにして眠るだけだ。これだと夜中にトイレに行きたくなった場合、女子の部屋も丸見えになってしまうが、そういう細かいところは気にしないのだ。これが本来の、人間らしい生活と思える。

明けて17日(水)。いよいよ沖縄旅行の最終日となった。
朝食は洋食。おじちゃんが生きていたらあり得なかった献立で、ここでもおじちゃんの死を再認識させられる。
おじちゃんはスタッフのみんなに、自分がいなくなって宿が混乱することがあっても、島を愛して来る人のために、絶対に予約を断ってはいけない、と常々口にしていたという。
「そういえば、ご主人の命日、昔の『海の日』だったんですね」
私はおばちゃんに話しかけた。おじちゃんは昔、船乗りだった。7月20日、海の日。いかにもおじちゃんらしい命日ではないか。
「そうねえ。皆さんに命日を忘れられないように思ったのかしらねえ」
おばちゃんはしみじみと言った。

私は10時45分の高速船で石垣島に戻る。ご家族は鳩間島にもう一泊。カメラマン氏はもう1本あとの高速船で西表島へ行くという。
宿を出る前に、みんなで記念写真を撮ることになった。私は自分の容貌を醜いと思っているので写真を撮られることが大嫌いだが、こういった状況では自分も入るしかない。
お互いのカメラで撮りあったあと、ご家族と宿の娘さんで改めて1枚。撮影者はカメラマン氏だ。
最近のカメラは性能がいいから、プロのカメラマンが撮る写真に注目していた。
彼は被写体に細かい指示を出し、1枚撮った。
デジカメでは画像が確認できる。早速みんなで覗いてみると、画面の右側にお父さんと高1の娘さんが1歩前に出た形、左側に奥さんと宿の娘さんが1歩引っこんだ形で、すこぶる味わい深いカットになっていた。
「うまい!」
みなが声を揃えた。うまい写真を撮るコツとは、構図なのだ、と教えられた。今年の11月には「第3回・信濃わらび山荘将棋合宿」があるが、そのときの集合記念写真は、私に撮影役を任せてもらえまいか。みなが満足する写真を撮ってご覧にいれましょう。
西表島を経由した高速船が着岸した。港の前は、去る人と見送る人でいっぱいになった。こうした光景に私は弱い。
ゆんたくの時間でときどき話題に上るのが、旅人を見送る側がいいか、見送られる側がいいかということだ。
私は見送る側がいい。見送られるのは、つらい。
私は高速船に乗り、船内には入らず、外のベンチに座る。ここなら見送りの人々が見える。ご家族とカメラマン氏が手を振ってくれる。なんでか知らぬが、また目頭が熱くなってきた。離島の別れはこれだからイヤだ。
高速船は定刻に出発。大勢の人々が大きく手を振る。私たち乗客も、負けずに手を振った。しかしその手はどこかさびしげだ。
だんだん、見送りの人の姿が小さくなる。来年も必ず、この鳩間島に来ようと思った。
11時25分、石垣港着。最後の離島探訪は黒島だ。しかし「やえかん」の黒島行きは13時00分。ふつうならここで昼食を摂るところだが、私は港ターミナル内にある「とぅもーるネットセンター」でインターネットをやる。
1年365日、ブログをアップするのは私の日課だ。私は貧乏なのでケータイもなく、画像を使わぬテキストのみのエッセイ形式なので、こうしたネットセンターは貴重だ。
自分のブログを開き、書き込みをしていく。自宅と違って時間勝負だから、さして考えずにキーを叩いていく。しかししばらく経つと疲れてしまい、将棋関連のサイトを覗いた。
横山泰明五段の結婚相手というのが気になる。米長邦雄会長(永世棋聖)のブログでは「美人女流棋士」とのことだったが、米長会長がLPSAの女流棋士を「美人」と表現するはずがないから、対象は女流棋士会のそれだろう。
中村桃子女流1級が結婚した、という噂もある。彼女でないことを祈るのみだが、もし彼女なら、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」の9位から圏外に去ることになる。
私のランキングでは基本的に、独身女流棋士が結婚すると、その時点で5ランクダウンする。幸せいっぱいの新妻を応援するほど、私の度量は広くないからだ。
むろん5ランクダウンはそれは私と面識がない場合で、交流の度合いやショッキング度を換算して、もっと順位を落とす場合もある。
いろいろサイトを調べてみる。ウン…? これは中倉宏美女流二段のつぶやきか。ウン…ウン? エッ!? エエッ!? エエエエエエエーーーーーーーーーーッ!?!?!?
こっ、こっ、これは!! し、しま、島井ちゃんが、結婚相手だったのかーーーーーーーっっっっ!?!?!?
――私の目の前が、一瞬にして、暗くなった。
(つづく)
コメント (4)
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