きのう24日(木)は、散歩先のTSUTAYAへ「PJ(ピーチジョン)」を買いに行った。このブログの読者なら、私が女性下着カタログ誌「PJ」の愛読者ということはご存じであろう。「PJ」は一流モデルの下着姿が満載で、それでいながら価格が250円という、貧乏人には涙が出るような雑誌である。
カムフラージュのため、いつもはこれと一緒にコミックや雑誌を買うのだが、今回はめぼしいものがない。「将棋世界」12月号が置いてあったが、3日発売のものを24日に買う気はしない。同誌を買わなくなって3ヶ月近く。その生活にも慣れてきたのに、いまさら「将棋世界」がある生活に戻りたくない。
「旅と鉄道」の復刊第2号が陳列されていた。特集は「青春18きっぷの旅」。いまさら「青春18きっぷ」もないものだが、ほかに買いたいものもなく、仕方がないので、これを「PJ」のお供にした。
しかし、「PJ」を単体で買う度胸がいまだにないとは、情けない。こんなことだから、いつまで経ってもAyakoさんをデートに誘えないのだ。まずは「PJ」だけを買えるようになること。ここをクリアしたら、Ayakoさんへのデートのお誘いである。
20日(日)は、女流最強戦1回戦・中井広恵女流六段VS渡辺弥生女流1級戦があった。同棋戦は中井女流六段の3連覇中。当然今回も出場の権利があり、中井女流六段も、気持ちよく出場できたようである。
同棋戦は全局リアルタイムでネット中継されるので、経過を見る。と、52手目渡辺女流1級が△9七とと角取りに寄ったところだった。
一目後手有利。どうしてこんな展開になったのかと最初から再生すると、後手渡辺女流1級が、「横歩取り△4五角戦法」を採用していた。
これは懐かしい戦法が出現したものである。谷川浩司九段が若手時代に連採していたもので、当時は△4五角以下の新手が日々現れていた。
それがこんにち全く見られなくなったのは、微差ながら先手有利という結論が出たからだろう。微差とはいえ後手不利の変化が出ているのに、それに飛びこむプロはいないからだ。
ただし…である。ここでいう「プロ」とは男性棋士のことであって、それが女流棋士の場合だと、ちょっと事情が変わってくる。
私は、この程度の有利不利で勝敗まで決まってしまうほど、将棋は単純ではないと思っている。先手よしの局面まで持っていくのにさまざまなハードルがあるし、先手よしの見解からでも、難しい変化はある。よって、誤解を恐れずに書けば、女流棋士同士の対局なら、後手が勝つ可能性も十分あると、私はかねてから考えていた。
ましてや本局は早指し戦である。先手が短時間で、正着を続けられるとは思えない。
そこで思い出すのが、先月のLPSA芝浦サロンで、中井女流六段が解説した中井女流六段-石高澄恵女流二段の倉敷藤花戦である。
そのときも石高女流二段が原始棒銀に出て、そこそこいい勝負になっていた。これも、正しく指せば受ける側が優勢になるのだろが、一手の緩手で形勢がひっくり返る、という緊張感があったことは否めない。
脱線ついでに書けば、初手から▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩に、先手が▲2四歩と突く手がある。定跡では先手不利だが、これを的確に咎められるアマチュアがどれだけいるだろうか。
「5手目▲2四歩」は、かつて谷川九段がどこかで研究発表していたが、後手が最善手を指しても、「けっこういい勝負になる」という結論だった。
話を戻すが、だから今回、渡辺女流1級が後手番対策として「横歩取り△4五角戦法」を採用したのは、まことに利に適っていると思った。
私はネット中継に貼りついているほど粘り強くないので、ほかに浮気をしていたが、しばらく経って中継を見ると、中井玉はなんと入玉していた。これは…どういう追い方をすれば、入玉されるのか。渡辺女流1級、ヘタをやったようだ。
最後は中井女流六段が、渡辺玉を即詰みに討ち取った。嗚呼、渡辺弥生。殊勲の星を取り逃した。
戦前の勝敗予想は、10人が10人、「中井ノリ」だったと思う。実際そのとおりになったわけだが、中井女流六段、途中は生きた心地がしなかったろう。その意味では、渡辺女流1級の作戦は図に当たったといえる。
現代の将棋界は情報戦の一面があると思う。しかし、そこに落とし穴はないか。これにて有利、の側が手順だけ鵜飲みにして研究を怠っていると、いざその将棋を指されたときに、しっぺ返しを喰う危険も孕んでいると思う。
「横歩取り△4五角」「原始棒銀」「横歩取り△8五飛に角を換わって▲9六角」「5手目▲2四歩」……。
これらはすべて、どちらも「指せる」。事実「△4五角」や「▲9六角」は私の得意戦法で、勝ったことも何回かある。
「温故知新」。結論が出た戦法や変化でも、まだまだ勝利に結びつく鉱脈はあるのだ。
カムフラージュのため、いつもはこれと一緒にコミックや雑誌を買うのだが、今回はめぼしいものがない。「将棋世界」12月号が置いてあったが、3日発売のものを24日に買う気はしない。同誌を買わなくなって3ヶ月近く。その生活にも慣れてきたのに、いまさら「将棋世界」がある生活に戻りたくない。
「旅と鉄道」の復刊第2号が陳列されていた。特集は「青春18きっぷの旅」。いまさら「青春18きっぷ」もないものだが、ほかに買いたいものもなく、仕方がないので、これを「PJ」のお供にした。
しかし、「PJ」を単体で買う度胸がいまだにないとは、情けない。こんなことだから、いつまで経ってもAyakoさんをデートに誘えないのだ。まずは「PJ」だけを買えるようになること。ここをクリアしたら、Ayakoさんへのデートのお誘いである。
20日(日)は、女流最強戦1回戦・中井広恵女流六段VS渡辺弥生女流1級戦があった。同棋戦は中井女流六段の3連覇中。当然今回も出場の権利があり、中井女流六段も、気持ちよく出場できたようである。
同棋戦は全局リアルタイムでネット中継されるので、経過を見る。と、52手目渡辺女流1級が△9七とと角取りに寄ったところだった。
一目後手有利。どうしてこんな展開になったのかと最初から再生すると、後手渡辺女流1級が、「横歩取り△4五角戦法」を採用していた。
これは懐かしい戦法が出現したものである。谷川浩司九段が若手時代に連採していたもので、当時は△4五角以下の新手が日々現れていた。
それがこんにち全く見られなくなったのは、微差ながら先手有利という結論が出たからだろう。微差とはいえ後手不利の変化が出ているのに、それに飛びこむプロはいないからだ。
ただし…である。ここでいう「プロ」とは男性棋士のことであって、それが女流棋士の場合だと、ちょっと事情が変わってくる。
私は、この程度の有利不利で勝敗まで決まってしまうほど、将棋は単純ではないと思っている。先手よしの局面まで持っていくのにさまざまなハードルがあるし、先手よしの見解からでも、難しい変化はある。よって、誤解を恐れずに書けば、女流棋士同士の対局なら、後手が勝つ可能性も十分あると、私はかねてから考えていた。
ましてや本局は早指し戦である。先手が短時間で、正着を続けられるとは思えない。
そこで思い出すのが、先月のLPSA芝浦サロンで、中井女流六段が解説した中井女流六段-石高澄恵女流二段の倉敷藤花戦である。
そのときも石高女流二段が原始棒銀に出て、そこそこいい勝負になっていた。これも、正しく指せば受ける側が優勢になるのだろが、一手の緩手で形勢がひっくり返る、という緊張感があったことは否めない。
脱線ついでに書けば、初手から▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩に、先手が▲2四歩と突く手がある。定跡では先手不利だが、これを的確に咎められるアマチュアがどれだけいるだろうか。
「5手目▲2四歩」は、かつて谷川九段がどこかで研究発表していたが、後手が最善手を指しても、「けっこういい勝負になる」という結論だった。
話を戻すが、だから今回、渡辺女流1級が後手番対策として「横歩取り△4五角戦法」を採用したのは、まことに利に適っていると思った。
私はネット中継に貼りついているほど粘り強くないので、ほかに浮気をしていたが、しばらく経って中継を見ると、中井玉はなんと入玉していた。これは…どういう追い方をすれば、入玉されるのか。渡辺女流1級、ヘタをやったようだ。
最後は中井女流六段が、渡辺玉を即詰みに討ち取った。嗚呼、渡辺弥生。殊勲の星を取り逃した。
戦前の勝敗予想は、10人が10人、「中井ノリ」だったと思う。実際そのとおりになったわけだが、中井女流六段、途中は生きた心地がしなかったろう。その意味では、渡辺女流1級の作戦は図に当たったといえる。
現代の将棋界は情報戦の一面があると思う。しかし、そこに落とし穴はないか。これにて有利、の側が手順だけ鵜飲みにして研究を怠っていると、いざその将棋を指されたときに、しっぺ返しを喰う危険も孕んでいると思う。
「横歩取り△4五角」「原始棒銀」「横歩取り△8五飛に角を換わって▲9六角」「5手目▲2四歩」……。
これらはすべて、どちらも「指せる」。事実「△4五角」や「▲9六角」は私の得意戦法で、勝ったことも何回かある。
「温故知新」。結論が出た戦法や変化でも、まだまだ勝利に結びつく鉱脈はあるのだ。