一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

郷秀樹、ウルトラの星になる

2023-03-26 12:45:06 | プライベート
俳優の団時朗が、22日、逝去した。享年74歳。
団時朗はモデルを経て、1968年映画デビュー。一大転機になったのは、1971年、特撮ドラマ「帰ってきたウルトラマン」(TBS)で、郷秀樹役で主役を務めたことだ。
ウルトラセブンの放映終了から約2年半、ウルトラマンの帰還に、当時の子供たちは熱狂をもって郷秀樹を迎えた。
私が初めて特撮ドラマを見たのも、この「帰マン」だ。1971年11月、上野近くの食事処だった。そのとき私たち家族は食事を終えていたが、据え付けのテレビに映っている怪獣ものが面白く、私はそのまま見続けた。
この11月の放映は傑作ぞろいで、「11月の傑作群」と呼ばれる。私は一発目に、一番面白いドラマを観たのだ。
「帰マン」の話を続ければ、ハヤタ隊員やモロボシ・ダンが冷静沈着、チームの中心だったのに対し、郷秀樹は、MATジャイロの操縦を間違えたり、ロケットの発射を間違えたりと、いささか頼りなかった。しかしそこに人間味があり、私たちは満足したのである。
ちなみに「郷秀樹」の役名は、郷ひろみと西城秀樹の合わせ技と思われそうだが、どちらのアイドルも1972年のデビューで、郷秀樹が先である。
郷秀樹(団時朗=団次郎)は1975年、「少年探偵団BD7」(日本テレビ)に、怪人二十面相役で出演する。しかし怪人二十面相は謎の人であったため、クレジットに「団次郎」の役名は表されなかった。この手法は、最近まで放映されていた「大病院占拠」(日本テレビ)にも踏襲されている。
その後団時朗は舞台に活躍の場を移したようで、テレビではあまり見なかった。ただ、時折ゲストで見かけると「郷秀樹だ」と心躍ったものである。ああ私にとってヒーロー俳優は、役名そのものである。藤岡弘、は本郷猛であり、森次晃嗣はモロボシ・ダンなのだ。
昭和仮面ライダーシリーズでは、ライダーマンの山口豪久、仮面ライダーストロンガーの荒木しげる、仮面ライダータックルの岡田京子がすでに亡くなっているが、ウルトラマンシリーズでは初の悲劇となってしまった。ヒトは誰でもいずれ逝く。だけど人生100年時代、もっともっと生きていてもらいたかった。
いま、郷秀樹の心はM78星雲に帰っているだろうか。日本の特撮史に名を刻んだ名優に、合掌。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藤井竜王を倒すのは誰か

2023-03-25 23:49:58 | 将棋雑記
藤井聡太竜王を倒すのは誰か。ここでいう「倒す」とは、予選やリーグ戦での勝敗ではなく、竜王戦や名人戦などのタイトル戦(番勝負)で、互角以上に渡り合う棋士のことをいう。
と定義すると、現将棋界には該当棋士がひとりもいないことになる。
となれば、打倒藤井の先鋒は、現奨励会員か、これから生まれる赤ちゃん、ということになる。
かつて大山康晴十五世名人は、奨励会員の中原誠君を指し、「私はあの子に名人を取られるような気がします」と言ったという。
また、1982年の小学生名人戦で羽生善治君が優勝した際は、解説の谷川浩司八段を横目に「谷川さんを負かすのは羽生君のような気がします」と語った。
そのいずれもが現実となり、その慧眼に私などは唸ってしまうのだがそれはともかく、現奨励会員にスポットを当てると、なかなか有望な少年がいる。
山下数毅三段は14歳(森信雄七段門下)で、今回三段リーグに初参加した。成績は9勝9敗だったが、前途有望に変わりはない。
二段陣に目を転じると、高坂直矢二段が14歳(木村一基九段門下)。19日の例会で2連勝し、12勝4敗で三段に昇段した。これはとてつもなく大きく、4月からの三段リーグに滑り込みで参加できることになった。
ほかは祝井優希二段も14歳(中座真七段門下)。こちらも前途有望である。どこの世界もそうだと思うが、同じことを成し遂げるなら、年齢が若いほうが断然有利だ。ことに将棋は頭脳ゲームであり、よけいそれを感じる。実際、これまでの中学生棋士は、例外なく竜王か名人を獲っているのだ。
もうひとり、オッと思う若手がいる。15歳の桐山大翔二段だ(宮田利男八段門下)。この桐山二段の、最近の勝ちっぷりが凄い。
まず、昨年の10月16日、8連勝で初段入品。そこから●○●○○○○○○○○、つまり再び8連勝で、1月29日二段昇段。その後も●○○○○○●○○で、いい所取り7勝1敗である。これ、6連勝目の対局に勝っていたら、三段昇段もあり得た。
そこで、桐山二段の入会後の成績も調べてみた。
桐山二段は2018年秋、11歳・6級で奨励会入会。以下、昇級昇段日を記してみる。

2018年12月16日 5級昇級
2019年4月1日 4級昇級
2018年12月1日 3級昇級
2020年7月18日 2級昇級
2020年10月18日 1級昇級
2022年10月16日 初段昇段
2023年1月29日 二段昇段

順調に昇級しているようだが、1級から初段に昇段するのに、2年かかっている。その間、Bに落ちたこともある。
しかしその前後から突然勝ちだし、現在に至る。この間、桐山二段にどんな心境の変化があったのか聞いてみたいものだ。
年齢は15歳でちょっと歳を食っているが、14歳陣に引けを取らないと思う。
どうであろう、4月から桐山二段に注目してみては。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第50期女流名人戦予選、リーグ入り者決まる

2023-03-24 23:49:09 | 女流棋戦
17日に行われた第50期女流名人戦予選・矢内理絵子女流五段VS渡部愛女流三段戦をもって、4名のリーグ入り者がすべて決まった。
当ブログでは昨年12月17日に、新規予選の展望らしきものを書いたので、照らし合わせてみよう。
とりあえずそのときの記事を再掲する。


【1枠】
1枠は清水市代女流七段、渡部愛女流三段、前期陥落の加藤圭女流二段がいる。この3名が有力だと思うが、逆にいえば、この中の2名は確実に脱落するということ。この現実だけでも、リーグ入りが至難であることが分かる。
清水女流七段と渡部女流三段は、お互い1つ勝てば当たる。ここで勝ったほうが波に乗ってリーグ入りしそうな気がする。

【2枠】
2枠は、中井広恵女流六段と甲斐智美女流五段が、お互い1つ勝てば当たる。反対の山には前期陥落の山口恵梨子女流二段がおり、最近充実していることもあり、勝ち上がってくる可能性が高い。この構図は1枠とまったく同じである。予選の人数は増えても、候補に挙がる女流棋士は限られている。

【3枠】
3枠は、前期陥落の香川愛生女流四段一択。岩根忍女流三段、頼本奈菜女流初段あたりが対抗だと思うが、どうか。

【4枠】
4枠は、左の山の頂点で室谷由紀女流三段と山根ことみ女流二段が当たると思う。
右の山は中澤沙耶女流二段か。ちょっと前なら山根女流二段を推したのだが、最近の室谷女流三段は復調傾向にある。室谷女流三段が3期ぶりのリーグ復帰をしそうな気がする。


1枠は渡部女流三段がリーグ入り。予想では、清水女流七段VS渡部女流三段の勝者がリーグ入りしそう……と書いて実際そうなったのだが、反対の山は、加藤女流二段が上がってくるものと思っていた。それが矢内女流五段とは少々意外だった。
と書いては矢内女流五段に失礼だが、彼女は子育てに専念して、勝負師の牙が抜けてしまったと思い込んでいたからである。
しかしそこはそれ、(女流)棋士は、肩の力が抜けたほうが、いい成績を収めることがあるから難しい。
ともあれ渡部女流三段は、またリーグ戦が指せることを心から喜んでいるようだ。まずは残留が目標のようだが、もちろん挑戦権を狙ってもらいたい。

2枠は、甲斐女流五段と中井女流六段が、脇田女流初段に敗れるというプチ波乱があった。
また反対の山では山口女流二段を破った内山女流1級が上がってきていて、この両者が激突し、内山女流1級がリーグ入りした(女流初段に)。
上り坂の内山女流初段にとって、真剣勝負が9局も指せるのはとてつもなく大きい。とりあえず残留を目指して頑張ってもらいたい。

3枠は香川女流四段が貫禄のリーグ入り。対抗と目していた岩根女流三段、頼本女流初段を倒してのリーグ入りで、この枠は、未来を見てきたかのような展望を書いていた。

4枠は、実力者・山根女流二段がリーグ入り。上の予想では、左の山で室谷女流三段と当たり、室谷女流三段が勝つとしたのだが、その室谷女流三段は初戦で敗れていた。
山根女流二段の決勝の相手は木村女流1級だった。木村女流1級はよく勝っているようで、1月には女流王将戦に本戦入りして、女流1級に昇級していた。最近の新人の中では有望株のようである。

ともあれ、リーグ入りした皆様は頑張ってください。里見香奈女流五冠が挑戦者になるにしても、誰かが一発入れてもらいたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界一の予感

2023-03-23 23:17:53 | プライベート
21日のWBC・日本VSメキシコ戦は、自宅で見ることができなかった。
出先でところどころ見ることはできたが、メキシコに3点を先取され、日本は点を取れないまま、7回裏も2アウトまで来てしまった。そこで席を外す時間になった。
それから1時間後くらいだろうか、煩雑は避けるが、同僚のおっちゃんが、「5対4で日本が負けてる」と言った。
な…何? さっきまで日本が3点差をつけられていたのに、1点差まで詰め寄った? 4点取って、2点取られた? ちょっとよく分からない展開だった。
その後私はスマホを繰るが、強い日差しで画面が見にくいうえ、何度やってもWBCの速報が出てこない。やっと、「アメリカのどこかが栗山監督に取材を申し込む……」みたいな記事に当たった。
そのうち、遠くにいる取引先?の女性が、「やったじゃない」とか、男性社員に話しているのを聞いた。
このセリフ……時間的にも日本が勝ったのではないか?
しばらくして、スマホに試合結果が速報され、日本がサヨナラ勝ちしたことが分かった。
しかし……私が席を外したときは0-3で劣勢だったのに、どういう点の取り方で勝ったのだろう。
ただ、こんな勝ち方をしたのだから、決勝戦で日本は、リラックスして試合運びができるだろう。
きっと、日本が世界一になると思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第3期白玲戦・女流順位戦D級4回戦の結果

2023-03-22 23:40:15 | 女流棋戦
第3期白玲戦・女流順位戦D級4回戦が20日に行なわれた。3回戦が昨年の12月5日だったから、かなり久し振りだ。3ヶ月半は開きすぎで、参戦女流棋士は、別棋戦を指している感覚ではなかったか。
では結果を記しておこう。

◆D級4回戦◆
(昇級4名、降級点7名)
【4勝】
⑦渡辺弥生女流二段(○長谷川→脇田)
⑩内山あや女流初段(○脇田→木村)
⑫大島綾華女流初段(○長沢→島井)
㉙鎌田美礼女流2級(○上川→村田)
【4勝1敗】
㉜松下舞琳女流1級(○石高→○川又)
【3勝1敗】
④村田智穂女流二段(○北尾→鎌田)
⑪山口稀良莉女流1級(●佐々木→石高)
㉔▲脇田菜々子女流初段(●内山→渡辺)
㉖佐々木海法女流1級(○山口稀→矢内)
㉛梅津美琴女流2級(○島井→相川)
【2勝2敗】
①矢内理絵子女流五段(○斎田→佐々木)
⑨水町みゆ女流初段(○岩佐→和田)
⑯中倉宏美女流二段※(●中村→長沢)
⑰堀彩乃女流1級※(●和田→山口仁)
⑳山口仁子梨女流2級(○川又→堀)
㉗岩佐美帆子女流2級(●水町→飯野)
㉚木村朱里女流1級(●飯野→内山)
【3勝4敗】
②川又咲紀女流初段(●山口仁→●松下→○長沢→○上川)
【1勝2敗】
③和田はな女流1級(堀→水町)
⑤中村桃子女流二段(中倉→長谷川)
【1勝3敗】
⑥高浜愛子女流1級(○相川→井道)
⑧長谷川優貴女流二段(●渡辺→中村)
⑮相川春香女流初段(●高浜→梅津)
⑲斎田晴子女流五段(●矢内→上川)
㉑飯野愛女流初段(●木村→岩佐)
㉒▲北尾まどか女流二段(●村田→榊)
㉓▲石高澄恵女流二段(●松下→山口稀)
㉕井道千尋女流二段(●榊→高浜)
㉘榊菜吟女流2級(○井道→北尾)
【1勝4敗】
⑭上川香織女流二段※(●鎌田→斎田→木村→●川又)
⑱長沢千和子女流四段(●大島→中倉→●川又)
【3敗】
⑬島井咲緒里女流二段※(梅津→大島)

3勝0敗6名のうち、4名が星を伸ばし4連勝。そのうちのひとり、渡辺女流初段は女流初段昇段後70勝となり、女流二段に昇段した。
中学生女流棋士・鎌田女流2級も4連勝。昇級したらマスコミが殺到するだろう。
榊女流2級は10連敗中だったが、うれしい勝利。女流棋士になったくらいだから、同期の女流棋士と実力差はないはず。これから勝ち星も増えていくだろう。
川又女流初段は2月26日から休場のため、事前にまとめて対局を行った。結果3勝4敗(+不戦敗1)は、降級点は免れた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする