一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

最年長六冠

2023-03-21 00:04:37 | 将棋雑記
第48期棋王戦第4局が19日に行われ、藤井聡太竜王が渡辺明棋王に勝ち、3勝1敗で期王位を奪取した。
この将棋、私はABEMAをほとんど見られなかったのだが、夜にチラッと見たら、形勢バーは「渡辺45:藤井55」だった。
残り時間は渡辺棋王が1分、藤井竜王が3分だった。厳しい終盤戦なのに、どちらも大変だと思った。
ところがそこで所用があり、少し席を外していたら急転直下、藤井竜王が勝っていた。
これにて藤井竜王は6つめのタイトルを獲得、六冠王になった。20歳8ヶ月での達成は、羽生善治九段が1994年12月に達成した24歳2ヶ月を、3年6ヶ月上回る最年少記録。また大変な記録が生まれた。
それにしても……である。今回の棋王戦で藤井竜王が挑戦者に決まったとき、棋王10連覇の渡辺名人もこれまでか、と思われた。
数年前では考えられなかった展開で、時の名人に対して不遜な予想ではあるのだが、結果的には藤井竜王が棋王を奪取した。私たちは、またも恐ろしい光景を見せつけられたのだ。
では例によって、「最年長記録」のほうも見てみよう。

上記のとおり、羽生九段は1994年12月9日、第7期竜王戦第6局で佐藤康光竜王に勝ち、竜王・名人・棋聖・王位・王座・棋王の六冠王になった。
その後、王将を奪取し棋聖を取られ、六冠に戻る。そして1996年、第9期竜王戦で谷川浩司九段の挑戦を受け、11月28日・29日の第5局で敗れ、五冠に後退した。
その後羽生九段が六冠に復帰することはなかった。よって六冠の最年長記録は、「26歳2ヶ月」となる。
さて、藤井竜王がこの記録を抜くかどうかだが、藤井竜王に死角がない現在、藤井竜王が失冠するイメージがまったくわかない。よって、最年長記録の更新は限りなく高い。
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第3期白玲戦・女流順位戦C級5回戦の結果

2023-03-20 20:50:01 | 女流棋戦
第3期白玲戦・女流順位戦のC級5回戦が15日に行われた。
では、結果を確認しておこう。

◆C級5回戦◆
(昇級3名、降級4名)
【5勝】
②伊奈川愛菓女流二段(○竹部→休み)
【4勝】
⑫和田あき女流初段(休み→藤井)
⑮加藤結李愛女流初段(○船戸→清水)
【3勝1敗】
④室谷由紀女流三段(□藤田→武富)
⑦頼本奈菜女流初段(○小高→山口)
【3勝2敗】
⑱貞升南女流二段(○宮宗→本田)
【2勝2敗】
①武富礼衣女流初段(●田中→室谷)
③小高佐季子女流初段(●頼本→田中)
⑥清水市代女流七段(休み→加藤)
⑰山口恵梨子女流二段(休み→頼本)
⑩藤田綾女流二段(■室谷→礒谷)
⑪中澤沙耶女流二段(○礒谷→船戸)
⑯田中沙紀女流1級※(○武富→小高)
【2勝3敗】
⑨藤井奈々女流初段(●本田→和田)
【1勝3敗】
⑤本田小百合女流三段(○藤井→貞升)
【1勝4敗】
⑧礒谷真帆女流初段※(●中澤→藤田)
⑬竹部さゆり女流四段(●伊奈川→休み)
【4敗】
⑭船戸陽子女流三段※(●加藤→中澤)
【5敗】
⑲宮宗紫野女流二段(●貞升→休み)
【休場】
⑳カロリーナ・フォルタン女流初段

女医・伊奈川女流二段が竹部女流四段に勝って5連勝。順位もよく、残り4戦を2勝で昇級確定だ。これはもうキマリであろう。
加藤女流初段も勝って4勝目。残り4局も厳しい相手が続くが、どこまで頑張れるか。
田中女流1級は難敵武富女流初段に勝って、星を五分に戻した。負けていれば降級に近づいただけに、これは大きい勝利だった。
4敗の船戸女流三段と宮宗女流二段は、とりあえず初日を出したいところ。
なお、フォルタン女流初段は、2期連続の休場で、降級が決定している。
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蛸島女流六段は、女優のかたせ梨乃に似ている

2023-03-19 23:25:39 | 似ている
きょう3月19日は、LPSA所属・蛸島彰子女流六段の77歳のお誕生日。おめでとうございます。
その蛸島女流六段は、女優のかたせ梨乃に似ていると思う。蛸島女流六段とかたせ梨乃、全然タイプが違うじゃないか、と思われそうだが、実は目がそっくりである。
さてかたせ梨乃は1957年5月8日、東京都生まれの65歳。大学在学中にモデルとしてデビュー。その後テレビのバラエティ番組にレギュラー出演し、ドラマや映画にも出演するようになる。映画は「極道の妻たち」での人気が高く、シリーズ9本に出演した。
2時間ドラマの出演も多数で、個人的には「名探偵キャサリン」(TBS)が好きだ。
最近では、お笑い芸人・いとうあさこと旅先で飲みまくる「あさこ・梨乃の5万円旅」(テレビ東京)が面白い。末永く活動してほしい女優である。

女流棋士第1号の蛸島女流六段も、77歳である。蛸島女流六段こそ正真正銘のレジェンドであり、女流棋界の宝だ。
その蛸島女流六段に、私は何回か指導対局をしていただいたことがある。むかしなら考えられなかったことだが、これもLPSAが設立されたからで、LPSAさまさまである。
人生100年時代。蛸島女流六段の、さらなる活躍を期待します。
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誕生日雑記

2023-03-18 23:50:36 | プライベート
きょうは私の誕生日だった。当年57歳。1980年、大山康晴十五世名人が王将を奪取したときが56歳だったから、私はそれより年長になってしまったわけだ。でも私は人間的に未熟で、まだ30歳代前半のように思える。この四半世紀、私は何をしていたのだろう。
私は独身なので、生き甲斐というものがない。強いて言えば、庭の桃の木である。約20年前、私が山梨県の種苗業者に出向き、桃の苗木を買ってきた。1,500円だった。
帰りは中央本線に乗り、桃の木を眺めた。店の人は、土の相性があるから、枯れる可能性もある、と言ったが、それまでこの庭には30年以上も桃の木があった。絶対に育つと思った。
その年の桃の花は7つだった。神セブンである。
その翌年は51。さらにその翌年からは、もういっぱい花が咲いて、数え切れなくなった。
桃の木がグングン伸び、私の身長の3倍くらいになった。実もなるようになった。その写真は当ブログにも何度かアップした。
ところが桃の実が多くなると、湧いてくるのが桃泥棒である。毎年何個か盗まれていたが、ひどかったのは数年前の泥棒だ。深夜に庭の塀に立ち、大量の桃を盗んだ。私はその泥棒を目撃していながら、逃げられてしまった。
だがおののいたのはオフクロである。こんなに桃の木が大きくなったのがいけないとばかり、立ち枝切りバサミで、狂ったように桃の木の枝を伐りまくった。
桃の木はたちまち小さくなり、その翌年から、段々枯れ始めた。桃の木はキズに弱い。伐ったらその切り口に防腐剤の類を塗らないと、水が染みて腐ってしまう。そうならないまでも、病気に感染しやすくなる。
それを承知していながら、何も手を打たなかった私も悪かった。
もう、まともに生きているのは、一本の太い枝のみである。そこもおととしは、ほとんど花が咲かなかった。
でも昨年はそこから枝が伸び、多くの花が咲いた。実も多くなった。
ところが今年は、その枝全体が黒ずみ、腐ってしまった。きのう、隣に住んでいる叔父が来て、「桃の花が咲いてるね」と言った。だが多く咲いているとは思えなかった。
今朝家を出るときのことだ。私の前の前に桃の木がある。そのまま視線を上げれば、花がいくつ咲いているか確認できる。誕生日プレゼントが確認できる。でも、できなかった。この大きな桃の木に、花が2つか3つしか咲いていなかったら、落胆してしまうからだ。
人間の寿命は精神的なものがあると思う。独身者は既婚者より数年、寿命が短いという。それはそうだろう。生きる楽しみがないのに、長生きしたってしょうがない。
私の生き甲斐は桃の木だったのに、それがなくなってしまった。
思い切っていまの木を伐採し、また新たな桃の木を植えようか。だけどそれが成長するのに何年かかる? この歳になったらいつ何があるか分からないのに、数年先を見据えた行動を取るのはイヤだ。
それに、枯死寸前でも、花が1つでも咲いているなら、その木は生きているわけだ。
この木が自分だと思って、もう少し見守っていこうか。
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菅井八段、藤井叡王に挑む!!

2023-03-17 23:01:35 | 男性棋戦
16日は、第8期叡王戦挑戦者決定戦・永瀬拓矢王座VS菅井竜也八段戦が行われた。
両者の対戦成績は、ここまで永瀬王座の7勝、菅井八段の3勝。叡王戦では4回顔が合い、永瀬王座の3勝、菅井八段の1勝。うち3局は第4期の挑戦者決定三番勝負で、これに2勝1敗で勝った永瀬王座が、高見泰地叡王から4勝0敗で奪取。メモリアルな戦いとなった。
本局は永瀬王座の先手で、菅井八段のゴキゲン中飛車。永瀬王座の超速▲3七銀戦法から、お互い角を打ち合って、先手が歩得、後手が金を駒台に載せるという、見覚えのある戦いになった。最近の棋譜中継は角換わりのあの形ばかりで、いい加減食傷気味だったので、この進行がひどく新鮮かつ懐かしく思えた。
中盤、永瀬八段が飛車取りに香を打ち、逃げたところへ銀打ちの追い打ち。これが素人目に厳しく、アマ同士の戦いなら八割方先手が勝つと思われた。
しかし菅井八段は端攻めを逆用し、逆襲する。攻めるは守るなり。これが存外厳しかったようで、菅井八段も楽しみの多い形となった。そこでよく見ると、後手陣は木村美濃に銀が1枚加わってしっかりしている。というか、もうアマ同士でも、後手が勝つ確率が高いように思われた。
将棋は結局、132手まで菅井八段の勝ち。2018年の王位防衛戦以来、5年振りのタイトル戦登場となった。
いや、永瀬王座には悪いが、今回は菅井八段に出ていただいて、個人的にはうれしかった。なぜなら、居飛車党の誰もが藤井聡太叡王に勝てないいま、タイトル戦で彼に勝てるのは、もはや振り飛車党しかいない、と思うからである。
何しろ振り飛車党は、相手の意思の関係なしに、自分の指したい戦法を指せるのがよい。
むろん藤井叡王も対振り飛車の研究は怠りないだろうが、実戦のそれには敵わない。しかし藤井叡王にはその経験値が少ない。しかも菅井八段は新手の発表が多く、藤井叡王も的を絞り切れないだろう。
むろん藤井叡王も実戦において正着に辿り着くだろうが、相当な時間を使うに違いない。そして時間がなくなれば、藤井叡王でも間違える、というのは先の棋王戦第3局で実証済みだ。
両者の対戦成績は藤井叡王5勝、菅井八段3勝と、菅井八段大健闘である。ことに今期のA級順位戦の将棋は、菅井八段屈指の名局だった。
叡王戦五番勝負は、持ち時間5時間。早見え早指しの菅井八段には十分すぎる持ち時間だろう。
注目の第1局は、4月11日。両者のアツい戦いに期待したい。
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