たまたま本屋で見つけた本だが、凄い本だ。まだ、出たばっかり。
私は、旅行のついでに、いろいろな仏像に出会う機会を得たのだが、著者の杉山さんは、学生時代から、その道一筋。80歳を超えるご高齢で、本書を著わした。
仏像の起源というと、ガンダーラとマトゥラーを思い起こす。本書もその辺については、徹底的に分析しているのだが、もっと深く追求し、西亜細亜文化の影響についても、分析している。
仏像のポーズ(たとえば、右手を前にかざすポーズ)などは、西亜細亜の像に見られるのだそうだ。様々な仏教用語もイラン語に起源を求めることができるものが多くあるという。
仏様の特徴である32の相の説明も圧巻だが、それぞれの起源についても、亜細亜の様々な文化(特に西亜細亜)の影響が見られるという。
元々、仏像は、仏様が入滅されてから、はるか後に造られ始めたのだから、当初の教えとは、関係ない。その後のユーラシア大陸の文化の交流の中で、生まれたものだ。
本書では、南亜細亜、西亜細亜文化の、仏像に対する影響を徹底的に分析した後、それが、東亜細亜に与えた影響についても、触れている。
中国のごく初期の仏像などは、インドインドしている。面白い!
仏像の変遷を研究することは、亜細亜の文化の交流を研究することに他ならない。
巻末に、仏像及び仏教関連地図がついているが、シルクロードと、三蔵法師が歩んだ地域と完全に重なる。
仏像が、今人気のようだが、この本から始めると、ほんまもん?
亜細亜は一つ?