かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

古事記 増補新版

2012年08月04日 | Books

今日は、最初の内は、いい天気だった。横浜では、2時過ぎにスコールがあったけど。
この時間だと、夕立というより、スコールの方がぴったりくる。
今日もゴルフだった。前半に、不運な?大たたきもあり、スコアは、まとまらなかったが、たぶん初めての連続バーディーも出たし、後半は、ベストハーフだった。この好調をいつまで維持できるか?



今年は、古事記が編纂されてから、1300年。いろいろな企画が目白押しだが、本も沢山出ている。あまり買うまいと思っているのだが、つい見ると手を出してしまう。
本書もその内の1冊。

梅原猛さんの古事記の現代語訳。出たのは、ずっと前だが、新たな古事記論を加え、この7月に新たに出版された。
梅原さんは、ヤマトタケルのスーパー歌舞伎を作られたぐらいだから、古事記のプロと思っていたが、本格的に取り組んだのは、この口語訳が初めてだそうだ。
今から、30数年前のことだが、原文のいい雰囲気を残しつつ、よくこなされていて、ひじょうに読みやすかった。もちろん、神々の長い名前には、閉口するのだが。
古事記を、まずは読んでみたいと人にぴったり。

梅原さんの古事記論がまた面白い。

これは、結構知られているが、梅原さんは、古事記の仕掛け人(稗田阿礼)は、藤原不比等であり、その中の詩を書いたのは、柿本人麻呂ではないかと推理する。
前者は、当時の歴史的事情からの推理であり、後者は、古事記に出てくる詩のあまりの見事さから来た推理だ。

日本書記と違い、古事記は、ヤマト言葉で書かれているのだが、このヤマト言葉と、アイヌの言葉との類似性にも注目する。たとえば、アイヌ語で、カムイは神だし、ピトは人。タマは玉だし、イノッは、命。
文字を手に入れる前の日本人が、自分の言葉を持っていたこと自体驚異だ。
古事記に出てくるいろんな不思議な事象も、まったくの作り事ではなく、古代日本人の風習や、考え方を、表しているという。しかも、その由来は、大陸系であったり、南方系であったり、様々だ。
また、当時起こった、祖母から孫への譲位を正当化するために、いろんな創作もなされたと推理する。

日本人は、古事記というすばらしい文学を有することを誇りに思わなくてはいけないだろう。それにスポットライトを当てた、本居宣長の貢献も、極めて大きい。それこそ、30年もかけて、読み込み、分析したのだから。

いずれにしても、この古事記ブームにちょっと乗ってみたい人は、本書から初めてみてもいい。

コメント
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