かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

池上彰と考える、仏教ってなんですか?

2012年08月30日 | Books

暑く、安定した?日が続いている。
政治は、シラケが定着?こうなったら、直接民主制?



本書も、今月出たばかり。
池上さんの宗教にかかる本は、二冊目だが、ひじょうにわかりやすく、かつ簡潔、かつ重要なポイントをしっかり押さえている。
是非、日本人にとって仏教って何?と思っている人に、幅広くお勧めしたい良書だ。

最初、仏教の基本的な歴史、考え方について述べ、この5月にダラムサラに行って、ダライラマさんへのインタビュー、そして、まとめという構成になっている。

仏教の基本的な考え方については、そのエッセンスをきっちりまとめていただいているのだが、仏教と葬式の関係についての説明が興味深かった。
ブッダは、元々葬式などするなと教えていたのだが(当時、火葬にして遺骨をガンジス川に流していた)、仏教が中国で儒教と出会い、日本で、特に、鎌倉時代以降、仏教は、葬式に大きくかかわるようになったという。お葬式を臨む人々の望みに答えた鎌倉仏教以降の傾向なのだ。位牌の風習も、中国の文化の影響だ。
日本の仏教は、当初の教えとは、かなり違った内容にはなっている。

ダライラマさんとの会話では、日本人の仏教に対する考え方についての説明が面白かった。
”日本の仏教が劣っている点な何もない。しかし、日本の皆さんは本当に時間がなくて、いつも急いでいて、仏教をじっくり学ぶ時間もない。欠点があるとすればこの点だ。”

確かに、日本人は、仏教が何となく身近にあり、生活の中にも、仏教とかかわることが多いのだが、仏教を学ぶ機会が少ない。これが、今仏教国と言われる、チベットや、東南アジアの国々との大きな違いだ。
今回の、東日本大震災は、その傾向を変えるきっかけになっていくのかもしれない。

池上さんは、幼稚園の年少組の時キリスト教で、年長組の時仏教だったという。実は、私もそうだった。
”日本の仏教は、使者を弔うことだけに特化しすぎました。確かに人生の一大事には違いないのですが、仏教にもともとあった、よりよく生きるための教えという側面が、かすんでしまっているようです。”
”仏教を知ることは、己を知ること。そして日本を知ることです。”

コメント
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