かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

東アジア仏教史

2019年03月24日 | Books
今日は、気のおけない仲間とのゴルフ。
リラックスしすぎたせいか、全然だめ。



本書は、この2月に出た岩波新書。
題名を見て、即ゲット。

濃密というか、盛りだくさん過ぎの本だった。
参考文献を見ても、たぶん20冊の全集に載せるような内容を、新書に詰め込んだもので、チャレンジングな企画と言える。

舞台は、中国を中心として、韓国、日本、ベトナム等、仏教の歴史がある程度残っている国々が対象。期間は、仏教伝来から、今までだが、古代の歴史が中心で、中世以降は、かなり端折って、いる。

驚くのは、聞いたことのないような話の多いこと。
外国の仏教の歴史は、本当に中心的な話しか聞かないし、読まない。
一方、日本の仏教については、かなり学ぶが、東アジアの中の仏教史という見方をすると、一部に過ぎない。

特に、中国では、今は、廃れてしまっているが、中世に入るまでは、相当の研究がなされ、記録も残っている。
その研究は、必ずしもブッダの教えを探ろうとするものではなく、新たに、当時の権力、民衆に受け入れ易い仏教に、修正していく過程だったように見える。
偽経の話も出てくるが、全否定するものではなく、そこからも新たな展開があった。
考えてみれば今の日本で、一番信者が多い、浄土真宗にしても、ブッダが唱えた仏教とは、あまりにも異なる内容になっている。
それがいいか悪いかという議論ではなく、仏教が、今日まで信じられているのは、それを受け継いで来た研究者が、その時々の社会に受け入れられるように解釈してきた結果の積み重ねであろうことが、理解できる。

後書きに、著者が当時の先生に、何を学びたいかと聞かれ、インド、中国、韓国、日本の華厳思想と答えたら、広すぎると諭されたそうだ。
歳を経て、筆者は、若かりし頃の夢を実現されたようだ。

全部理解するのは、不可能だが、インデックス的に今後もぱらぱらページをめくってみようと思う。


コメント
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