レココレ最新号を、ゲット。
ほぼ半分を、リヴォルヴァー関連の記事が占めている。
今度出るスペシャルエディションに関する記事も多く、それらは、本当は、スペシャル盤を聴きながら読んだ方がいいのだが、予習も兼ねて、さらっと目を通してみた。
いろんな評論家に、記事を分散依頼するため、どうしても、重複や、落ちが出てくるのだが、総じてレベルは高くて、ちょうどビートルズが大きく変わっていく時代、世の中も変わっていく時代とシンクロしている様子が浮彫りになる。
ますますスペシャル盤が楽しみになった。
これからも、リヴォルヴァー関連の著作が多く出ると思うが(先日、パウロ鈴木さんも、この時期の4人のギアについての執筆を依頼されていると言っていた)、一つのメルクマールになる1冊だろう。
大鷹さんの記事は、リヴォルヴァーの出た時期の世の中の変化に焦点を当てた記事。
私はまだ、小学校低学年で全くわからなかったのだが、戦後の復興から、次の時代に変わっていく過渡期だったことがよくわかる。
その中で特に影響の大きいのが、ベトナム戦争と、ヒッピームーブメント。
そして、その4人も、まだポップスターとしてのツアーは続けていたものの、レコード制作では、新たな時代に完全に突入していたことが明らかにされる。
サエキさんは、ミュージシャンらしくサウンドにフォーカスを当てた記事。
いかにその音が革新的であったか、またその演奏技術が卓越していたかを熱く語る。
そして、LSDの影響。
LSDは、この時期まだ合法だった。
次の中村さんの記事も、その音作りについてのものだが、特にジェフエメリックが編み出した様々な手法について、そのきっかけや、起源などを探っているのが面白い。
以前にも存在していた技術もあるし、偶然の産物の技術もある。
それを、ぎりぎりはみ出ない範囲でまとめたのが当時まだ19歳だったジェフエメリックだったというから恐るべし。
もちろん、ジョージマーティンもいたのだが、ジェフがいなければ、ここまでとんがった音にはできなかったろう。
4人と共に、若さに便乗して、荒波に乗りだしたという感じ。
朝日さんの記事は、以前にもビートルズの歌詞についての本を出されているので、そのリヴォルヴァー版といった印象。
歌詞の裏に隠された意味、そこに現れる4人のセンス、ドラッグの影響がそこかしこに見いだせる点など、今まで、特に日本人のリスナーには気づかなかった点を、わかりやすく説明してくれる。
そして、大御所萩原さんの楽曲解説。
かなりディープな解説になっているが、特に、Tommorow Never Knowsに最大の1ページを割いているのが面白い。
それだけ、本アルバムを特色づけている曲だし、斬新なアイデアに満ちた曲だ
小山さんのスペシャルエディション解説は、やはり本物を聴きながらではないとわからない。
ただ、2009年版より、より自然に、より聞きやすくなっているというのが、総じて言われていることだ。
楽しみだ。
藤本さんのクラウスフォアマンのアルバムジャケットについての記事は、アルバムジャケットの説明に止まらず、フォアマンの永年に渡る4人との交流、貢献について、時代毎に解説。
昔は、英語読みでクラウスブーアマンと呼ばれていた彼だが、ハンブルグで出会ってから、今まで、常にビートルズと共に、目立たぬ活動を続けてきた。
私は、ジョンレノンスーパーライブの演奏を一度見ただけだが、元々は、ベーシストではなく、ギタリストだったとのこと。
友情は今も続いている。
ここからは、若干リヴォルヴァーから離れて、新たに翻訳本が出たワン、ツー、スリーの記事。
私も持っているがまだ読めていない。
本記事によると、これまで出た4人にまつわるエピソードの集大成のような本でべた褒め。
早く読まなくては。
そして、先日映画を見たポール・サルツマンのオンラインインタビュー記事。
映画を見た人には、あまり新味は、なかったのかもしれない。
リヴォルヴァー関連最後の記事は、初盤道。
いつも感心してしまうのだが、なぜここまで詳しく調べられるのか。
英国のモノラル初盤から、米国なアルバム2枚分けられてしまったため、その2枚目アルバムとなるブッチャーカバー、日本盤、シングル盤等、あらゆる分野について、コンパクトに触れている。
日本盤については、あまりにも高くて手を出していないので知らなかったのだが、日本では、リヴォルヴァーのモノラル盤は出ず、疑似ステレオ盤のみの発売だったのだという。
我が家にも、数枚リヴォルヴァー関連アナログがあるので、暇な時に、虫眼鏡片手に研究してみたいが、かなり先のことになりそうだ。
もちろんリヴォルヴァー以外にも、興味のある記事満載なので、レコードファンは是非。