足澤るり子著 「展覧会をつくる」を読んだ。
フランス在住の日仏文化コーディネイターの足澤さんは、
日本の美術館とパリの美術館との展覧会の架け橋となっておられる。
私達が何気なく足を運ぶ 美術展。
その展覧会を裏側から支える、
たくさんの専門家や学芸員の方々の エピソードが散りばめられている。
大変貴重な作品を貸し出ししてもらう交渉術や
細心の注意をはらう美術品の梱包や輸送・・・
これほど多くの労力と専門知識によって
展覧会がつくられていることを 初めて知った。
足澤さんは東京に残している母親を 介護しながら仕事をされた。
このお母様がまた素晴らしい。
とても美意識の高い人で、この母にしてこの娘ありか・・・と感心することしきり。
介護されながらも、最後まで美しくありたいと願うお母様だった。
常に美しくありたい、美しいものを見たい、美への探究心が強く、
芸術品や美しいものを観賞することによって 美意識を磨きあげた。
娘にもその美意識を身をもって教育されたことがすごい。
同じ一生を過ごすなら
やはり美しいものを見て 感じて 日々を暮らしたいと思う。