瀬尾まいこ 著「そして、バトンは渡された」
読み終えた。
瀬尾まいこさんの著作を初めて読んだ。
主人公 優子は 幼い頃に母を亡くし
父とも海外赴任を機に分かれ、
継母と暮らす。
その後も 父が2回変わり
17年の人生のなかで 家族の形態が7回も変化する。
最後は 20歳しか年齢差のない、父「森宮さん」と
暮らす、というストーリーなのだが
全く 悲愴感がなくて
終始 行間に 穏やかで暖かな空気が流れる。
それぞれの「家族」に あふれる愛情を注がれて
育てられる優子。
それぞれの親から 影響を受けて
精神力の強さや 人生の処し方を身に着けた優子は、
とても素敵な女の子だ。
読んだあと、さわやかな幸福感に充たされた。
「森宮さん」のキャラクターが、際立って秀逸で、
この小説のなかで 静かに輝いている。
10月末に 映画化されるそうだけど、
観てみたいな。
「森宮さん」に注目したい。
そして、あとがき「解説」は
女優の上白石萌音さんが書かれているが、
とても良い文章で、
この方、若いのに聡明で素敵な女性だなと
好印象を持った。