城山三郎著
「そうか、もう君はいないのか」読む。
城山三郎さんは「落日燃ゆ」など経済小説を得意とされた
直木賞作家で、昨年春に亡くなられた。
私は 城山さんの経済小説は ほとんど読んだ事が
ないのだけど、高校生のときに
「素直な戦士たち」という小説を読んで
いたく感銘を受けた。
(学歴社会を揶揄した、めちゃめちゃ面白い小説だった)
その1冊しか読んだ事がないのに
国語の先生に「好きな作家は?」と聞かれ
「城山三郎さんです」と答えて
「渋いな~」と言われた思い出がある。
大活躍された城山三郎さんの 奥様との愛が綴られた遺稿。
本当に仲の良いご夫婦で、お二人の出逢いから
奥様が亡くなるまでの数々の想い出が綴られている。
その中で、「家内は戦友」と表現された部分があり、とても印象に残った。
私も主人のことを そのように感じていて、
なかなか言葉では言い表せなかった。
城山さんのこの言葉を読んで、
頭のなかで電球が光った気がした。
恋愛時代や蜜月時代とは 全然違う不思議な関係。
他人ではないが 血は繋がってない
「男と女」という気がしない
妥協しながら 理解しながら 努力しながら
ひとつの家庭を どうにかこうにか経営していく。
また、二人で店を経営している私達は
厳しい戦いを手を取り合って
助け合う まさに戦友だと思う。
子供のころ、夜 布団にはいってから
両親が死んでしまうことを考えると
いつでも必ず 涙が止まらなくなった。
「ガラスの仮面」の影響で、将来女優サンになりたいと
密かに思っていた私は 泣くシーンがあれば
私は必ず泣ける!と妙な自信をもっていたの
それが親がだんだん老いてきて
「死」も想像の範囲に入ってくるようになると
今度は 親でなくて 主人が逝ってしまうことを
想像するだけで 悲しくて悲しくて
涙が溢れてくるようになってきた。
そんなことは ずーっと先のことにして、
長生きして 今までの戦歴を お茶でも飲みながら
延々と語り合いたいと思う。
伴侶をなくしてしまうという人生最大の喪失感を
主人には 絶対に味あわせたくないと思う、
1日でも長く私のほうが長生きしたい。
「そうか、君はもういないのか」では
城山三郎さんの遺稿のあと
お二人の最期を看取られたお嬢様の随筆も掲載されていた。
はっきり言って、こちらの随筆のほうが胸打たれた。
涙が溢れた。
老いて、伴侶を亡くした父親を見つめる
優しい娘の眼・・
いずれ 朽ちていく人間の命を上手に文章にまとめられて
心が揺さぶられる。
ご夫婦二人手を取り合って生きてこられた
前半のエッセイと対照的で
人生の春夏秋冬を感じた。
「そうか、もう君はいないのか」読む。
城山三郎さんは「落日燃ゆ」など経済小説を得意とされた
直木賞作家で、昨年春に亡くなられた。
私は 城山さんの経済小説は ほとんど読んだ事が
ないのだけど、高校生のときに
「素直な戦士たち」という小説を読んで
いたく感銘を受けた。
(学歴社会を揶揄した、めちゃめちゃ面白い小説だった)
その1冊しか読んだ事がないのに
国語の先生に「好きな作家は?」と聞かれ
「城山三郎さんです」と答えて
「渋いな~」と言われた思い出がある。
大活躍された城山三郎さんの 奥様との愛が綴られた遺稿。
本当に仲の良いご夫婦で、お二人の出逢いから
奥様が亡くなるまでの数々の想い出が綴られている。
その中で、「家内は戦友」と表現された部分があり、とても印象に残った。
私も主人のことを そのように感じていて、
なかなか言葉では言い表せなかった。
城山さんのこの言葉を読んで、
頭のなかで電球が光った気がした。
恋愛時代や蜜月時代とは 全然違う不思議な関係。
他人ではないが 血は繋がってない
「男と女」という気がしない
妥協しながら 理解しながら 努力しながら
ひとつの家庭を どうにかこうにか経営していく。
また、二人で店を経営している私達は
厳しい戦いを手を取り合って
助け合う まさに戦友だと思う。
子供のころ、夜 布団にはいってから
両親が死んでしまうことを考えると
いつでも必ず 涙が止まらなくなった。
「ガラスの仮面」の影響で、将来女優サンになりたいと
密かに思っていた私は 泣くシーンがあれば
私は必ず泣ける!と妙な自信をもっていたの
それが親がだんだん老いてきて
「死」も想像の範囲に入ってくるようになると
今度は 親でなくて 主人が逝ってしまうことを
想像するだけで 悲しくて悲しくて
涙が溢れてくるようになってきた。
そんなことは ずーっと先のことにして、
長生きして 今までの戦歴を お茶でも飲みながら
延々と語り合いたいと思う。
伴侶をなくしてしまうという人生最大の喪失感を
主人には 絶対に味あわせたくないと思う、
1日でも長く私のほうが長生きしたい。
「そうか、君はもういないのか」では
城山三郎さんの遺稿のあと
お二人の最期を看取られたお嬢様の随筆も掲載されていた。
はっきり言って、こちらの随筆のほうが胸打たれた。
涙が溢れた。
老いて、伴侶を亡くした父親を見つめる
優しい娘の眼・・
いずれ 朽ちていく人間の命を上手に文章にまとめられて
心が揺さぶられる。
ご夫婦二人手を取り合って生きてこられた
前半のエッセイと対照的で
人生の春夏秋冬を感じた。