J2岡山の専用練習場整備に向け、2011年度着工分が対象となる補助金申請期限が2月15日に迫るという事で、岡山市は立地場所の選定を急いでいるそうです。
クラブ側の希望は天然芝2面と人工芝1面のグラウンド、会議室やマッサージルームなどを備えたクラブハウス。照明設備などを含めた整備費用は6億円程度(用地取得費、造成費用など除く)とみられる。整備に対してはtotoの助成を受けることが可能で、最大約1億7千万円の補助金が期待できるとしています。
去年7月に、専用練習場整備に向けた「推進する会」が発足し、署名活動を3カ月間実施。2カ月で目標の10万人を突破し、最終的には28万人以上の署名が集まったそうです。昨年11月に署名を受け取った高谷市長は「市民の思いが伝わった。前向きに検討したい」とコメント。
市の方針としては、厳しい財政事情から「新たな土地購入や賃借はしない」「民間の協力も得る」という事で動き始めたとか。
市有地では岡山操車場跡地などの名前が出ましたが、同跡地は昨年2月、市民が憩える公園の整備を打ち出しているそうです。他の土地も既に使用目的が決まっており、すぐに練習場にできる場所はなかったとか。
また、市は岡山県や企業の所有地の無償貸与を打診したが具体化せず、1月に入って、再度、市有地での整備を模索。用途変更の可能な場所などを条件に絞り込んでいるという事です。
「プロサッカーは子どもたちに夢を与え、街の活性化にもつながる。練習場整備は市が中心になってやってもいい」と高谷市長は前向きですが、「官民一体で練習場整備に取り組みたい」と経済界と市民に資金面での協力を期待しておられます。
ただ、財界側(岡山県経済団体連絡協議会)は「各企業はすでにスポンサーとしてファジを支援しており、練習場は自治体が主体となって整備するもの」というスタンスを取り、「市が具体的な計画を出した段階で対応を協議したい」と、まずは行政ありきという姿勢をキープしているようです。
この辺りは、当ブログで昔から口にしている「三位一体型の支援」であり、3つのバランスが取れなければ、うまく物事が回りません。頑張って欲しいと思います。
例えばですが、財界自体はスポンサードを行っているが、組織としての支援は余り目に見えません。よそのクラブはクラブ運営会社で社長だったり、役員に名前を連ねたりと、組織が前面に出て来ています。市民の部分も、後援会という形で支援をしております。新潟、札幌などは全市町村に地区後援会があり、集金システムを目の当たりにします。また、行政もクラブの株主だったり、首長もしくは副首長が役員に入っていたりと様々な事例が見られます。
日本スポーツ振興センターへの補助金申請期限の2月15日が迫っているそうです。期限を過ぎれば話そのものは1年間先に延びる可能性があり、木村社長は「2012年からの専用練習場使用を念頭にチームづくりを進めている。場所はどこでも構わない」と早期整備を望んでいるようです。
高谷市長は「市がやるから経済界も市民も協力するという風に盛り上げたい。そのためにも立地場所の問題をできるだけ早くクリアしたい」とコメント。
山陽新聞WEB概要ページ:http://www.sanyo.oni.co.jp/feature/sports/fagi/2011/01/24/20110124120106.html
また紙面では、J2クラブの練習場の状況の比較表がありました。岡山は、芝の養生期間に重なったり、他団体と競合して、どこも使えない日が発生しているそうで、練習場を使用できない日があったのは岡山だけだそうです。他団体等と調整すればおおむね自由に使用できるのが鳥栖、岐阜、熊本の3クラブ。クラブハウスがないのは岡山の他には、水戸、草津、岐阜、鳥取、愛媛、鳥栖、熊本の7クラブ。
このページでも元J1浦和の佐藤大阪産業大講師が「Jクラブは市民、企業、行政の三位一体の支援が必要で、中でも行政が果たす役割は大きい」と触れています。
そして、「推進する会」の千葉岡大学長の談話が載っています。
「(練習場の整備は)市が全額負担する必要はない。市長が先頭に立って、市民や企業に支援を求めれば動き出す。練習場の整備は、50年、100年先の街の姿を見据えた『公共財』への投資と考えたい」
ちなみに当ブログでもこの話題について、独自に状況調査した事があります。あくまで公式HPから集めたものなので正確ではないかもしれませんが・・・そして、偶然?totoの助成金を特集した記事も書いています。ファジの映画部長さんのコメントがある趣深い記事です。
専用練習場等関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100725
toto助成金関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100911
当ブログとしては、練習場は公共財としての大事なアイテムであり、1日も早く建設して欲しいと思いますが、更に、県民クラブとして三位一体の支援を増やすのは現状ではなかなか困難な面も見受けられます。当ブログとしては、「真の公共財」の実現のために、財界・市民・行政は後援会や諮問組織作りなどで、組織としてクラブ経営にかかわっていく事も今後必要になってくるのではないかと、ちょっと思います。例えば地元財界では栃木スタイル。行政なら仙台のように。