というわけで続けざまに読んでおります
塩野七生三部作の第1作「コンスタンティノープルの陥落」
衝撃的というか、ステキな戦史、いや、戦記小説であります
多分ジャンルのとらえかたを
私は間違えているんでしょうが、
様々な戦記資料をもとにして書かれているせいか
日記ではないけども、淡々として描かれる
世界における大事件(らしい)がスゴイのです
と、時系列を追うわけでもないですが、
話の進め方は刻一刻と開戦へと迫っていく
コンスタンティノープルの事情とトルコの事情が
それぞれの視点から描かれ、中で息づく人の鼻息が聞こえるような
生々しい描写が静かに描かれております
説明臭すぎずの程度で、当時の情勢がうまく説明され
また、ビサンチン帝国とはなにか、コンスタンティノープルが
世界においてどんな位置なのか、その当時の
ヨーロッパ情勢と国の態度のとりかた
どれもこれもが、いちいち正確というか、事細かに描かれており
大変勉強になるというか、面白い
最近、この手の小説とか書物を読むことが多いので
外交官という仕事がどんなに大変でスゴイのかが
とても私の中で大きくなっております
さて、各国の外交官、とりわけ
ヴェネツェアの外交官というか、国柄が酷いでもないが
篭城のような作戦をとった
コンスタンティノープル戦で、援軍がひたすらこない
伝令は伝わったが、途中で誰かの指示を待たないといけないとか
すげぇ、もう、ビサンチンからしたら
おまえ、御託はいいから早く来いよバカ
みたいな具合で、全てが手遅れ、どこの世界でも
こういうことから敗戦てのは起こるんだなぁと
改めて痛感であります
スルタン・ムハマド2世のすごさというのが
もうひとつ、チェーザレほどはわからなかったんだが
ただ、鋭い野心と若さがあったのかなぁと
その程度、超然としているというか、描写事態が
小姓の視点からだったので、神の目のような位置で
すごく頭がよい作戦を使ったという感じを
覚えられなかったんだが、説明される
境遇とかを考えるとやっぱスゴイ
弟殺しの慣習のあたりとか、さらっと触れてたが
これは怖いのであります
物語の前半くらいでだいたい
開戦までの経緯、物語の主人公になるものたちの
働きぶりが描かれているんだが
いざ開戦となったときのすごさ
何度も言うけども、見てきたような描写は
読んでいると頭に浮かんで怖い
何万と並ぶトルコの精鋭たちと
コンスタンティノープルの外壁との対比
大砲という革命についてと
長期戦で、だんだんと戦争に慣れてくる、また
その対応と疲労の描写、特にコンスタンティノープル側の
初戦を勝っていたという海戦の面白さが格別
圧倒的な物量に、力量で対抗し勝利を収めたという瞬間の反応が
ビザンティン側はよくわかるのであります
ただこの時のトルコ側については
怒り狂うスルタンの姿しか描写されないので
実際戦っているトルコ人や混合の部隊がどうだったのか
それはわからないのが残念なんですが、まぁ
資料がないのかもしれません
ともかく、戦記というのは多分こういうのを言うのだろうと
戦時の生活風景が描写されてるのが面白かったのであります
で、個人的に思ったのは、この難攻不落のコンスタンティノープル戦は
まぁ、海戦で陸を船が走るというスゴイことで
形勢が逆転したのはさておき
陸戦の壁に向かいながら、戻ると殺されるから前へという
野蛮さと獰猛さ、壁上から攻撃、援軍の到着等
「指輪物語」の第二章のなんとかの砦編を思い出しました
もしかしたら、原作では
十字軍とトルコのイメージがあったのかなぁと
なんか、そういうことを思いながら
最大の収穫は
チェーザレの時よりも、明らかに小説臭さが増していること
この次である、ロードス島についてもそうなんだが
とても深く思ったとさ
作家として明確に文章が打ち出されたように思うのです
それはまた、次回
塩野七生三部作の第1作「コンスタンティノープルの陥落」
衝撃的というか、ステキな戦史、いや、戦記小説であります
多分ジャンルのとらえかたを
私は間違えているんでしょうが、
様々な戦記資料をもとにして書かれているせいか
日記ではないけども、淡々として描かれる
世界における大事件(らしい)がスゴイのです
と、時系列を追うわけでもないですが、
話の進め方は刻一刻と開戦へと迫っていく
コンスタンティノープルの事情とトルコの事情が
それぞれの視点から描かれ、中で息づく人の鼻息が聞こえるような
生々しい描写が静かに描かれております
説明臭すぎずの程度で、当時の情勢がうまく説明され
また、ビサンチン帝国とはなにか、コンスタンティノープルが
世界においてどんな位置なのか、その当時の
ヨーロッパ情勢と国の態度のとりかた
どれもこれもが、いちいち正確というか、事細かに描かれており
大変勉強になるというか、面白い
最近、この手の小説とか書物を読むことが多いので
外交官という仕事がどんなに大変でスゴイのかが
とても私の中で大きくなっております
さて、各国の外交官、とりわけ
ヴェネツェアの外交官というか、国柄が酷いでもないが
篭城のような作戦をとった
コンスタンティノープル戦で、援軍がひたすらこない
伝令は伝わったが、途中で誰かの指示を待たないといけないとか
すげぇ、もう、ビサンチンからしたら
おまえ、御託はいいから早く来いよバカ
みたいな具合で、全てが手遅れ、どこの世界でも
こういうことから敗戦てのは起こるんだなぁと
改めて痛感であります
スルタン・ムハマド2世のすごさというのが
もうひとつ、チェーザレほどはわからなかったんだが
ただ、鋭い野心と若さがあったのかなぁと
その程度、超然としているというか、描写事態が
小姓の視点からだったので、神の目のような位置で
すごく頭がよい作戦を使ったという感じを
覚えられなかったんだが、説明される
境遇とかを考えるとやっぱスゴイ
弟殺しの慣習のあたりとか、さらっと触れてたが
これは怖いのであります
物語の前半くらいでだいたい
開戦までの経緯、物語の主人公になるものたちの
働きぶりが描かれているんだが
いざ開戦となったときのすごさ
何度も言うけども、見てきたような描写は
読んでいると頭に浮かんで怖い
何万と並ぶトルコの精鋭たちと
コンスタンティノープルの外壁との対比
大砲という革命についてと
長期戦で、だんだんと戦争に慣れてくる、また
その対応と疲労の描写、特にコンスタンティノープル側の
初戦を勝っていたという海戦の面白さが格別
圧倒的な物量に、力量で対抗し勝利を収めたという瞬間の反応が
ビザンティン側はよくわかるのであります
ただこの時のトルコ側については
怒り狂うスルタンの姿しか描写されないので
実際戦っているトルコ人や混合の部隊がどうだったのか
それはわからないのが残念なんですが、まぁ
資料がないのかもしれません
ともかく、戦記というのは多分こういうのを言うのだろうと
戦時の生活風景が描写されてるのが面白かったのであります
で、個人的に思ったのは、この難攻不落のコンスタンティノープル戦は
まぁ、海戦で陸を船が走るというスゴイことで
形勢が逆転したのはさておき
陸戦の壁に向かいながら、戻ると殺されるから前へという
野蛮さと獰猛さ、壁上から攻撃、援軍の到着等
「指輪物語」の第二章のなんとかの砦編を思い出しました
もしかしたら、原作では
十字軍とトルコのイメージがあったのかなぁと
なんか、そういうことを思いながら
最大の収穫は
チェーザレの時よりも、明らかに小説臭さが増していること
この次である、ロードス島についてもそうなんだが
とても深く思ったとさ
作家として明確に文章が打ち出されたように思うのです
それはまた、次回