CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

星新一 ショートショートセレクション ねらわれた星

2012-04-19 21:07:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
星新一 ショートショートセレクション ねらわれた星
作:星 新一

そんなわけで読みました
もう、何年か前になってしまうのかと
ちょっと年月の速さに驚きを隠せないのですが
ショートショートの奇才星新一さんの
セレクション本を読みました
本自体は、絵本に近いと申しますか、
かなり子供向けに作られているものの
中身はやっぱり、星新一というところで
非常に面白かったのです

セレクションということで、
えりすぐりなんだろうと思ったところ、
何年か前にNHKでやっていた、ショートショートの原作が
いくつか見られまして、有名な「ボッコちゃん」とか、
「おーい、でてこーい」だとか、映像で先に見ていたせいで
このショートショートそのものというのか、
言葉遊びをしっかり楽しめなかったのは残念でしたが
やっぱり、着眼点というのか、切り口が本当に鋭利で
新鮮だわねと感心しきりでありました

ナンセンスと、言葉遊びと、皮肉とをないまぜにして、
こんなに短いお話なのに、一つ伝わることがある
そういうところがステキでステキで、
いくつも読みふけってしまったのであります

また、ショートショートとして、上記のように、
なんらかの皮肉とかのメッセージが伝わるものもあれば、
まったく意味不明というのか、理解を超えたところにある
そんな挿話もいくつかあって、まったく飽きさせない
意味がわからないということが、別段気にならないというか
それでも読まされてしまうという感じが
実にすばらしかったのでありました

個人的に気に入った内容としましては、
「妖精」というまさに御伽噺のようなそれ、
おしまいというか、オチの部分の鋭さというか、
なんというかな、ああ、と思わずつぶやいてしまうような
そんな物語の収束が凄くステキでありまして
これだけ何回か読み直してしまったのであります

また、「たのしみ」という話が、
ちょっと私の頭では理解不能でありまして、
これも面白かったというか、なんだこれ?という感じで
もやもやとも違う何かを抱えるようになったのも
よい思い出というか、読後感でありました

セレクションということなので、
このほかにもいくつかあるんだろうなと思いつつも
とりあえず、尻尾をつかんだというか、
片鱗に触れられたというのがステキであったと
価値ある一冊だったという記憶を
メモっておくのでありましたとさ
そう、メモっておかないと、人間はすぐ忘れるんだそうです
気をつけないといけませんねなんて、

そういうショートショートもあったなぁと
誰かと語り合いたくなる内容がステキであります